【ICH M7変異原性/Q3D元素不純物・E&L試験等】
医薬品不純物における
評価及び管理戦略・運用の実際
〜安全性・CMC部門におけるICHM7実装:
QSAR評価・エキスパートレビュー / OOD対応 / 不純物管理オプション等〜
〜Q3D運用の実際 / E&L試験 / 同等性評価 / CMC申請〜
ー2021年 9月22日発刊ー
『【ICH M7 変異原性不純物(品質パート)】
パージファクター活用(スコアリングと判定基準)及び
ニトロソアミン類のリスク評価 』
~各パージファクター算出方法・管理オプション選定・推定パージファクター及び
ニトロソアミン不純物のリスク評価と試験法設定~
~PMDAの視点から:ICH M7 Q&A案(品質)の要点と最近の照会事項例等~
【お知らせ】本書の【ebook版(電子書籍)】の配信が決定 <2021.2.17更新>
【ebook版の限定特典(Q&A)付き】
~ICHM7品質関連、エキスパートジャッジ、ニトロソ化合物等、、、
読者からの具体的な悩みへさらに言及!
>> 【電子版(ebook)付き】をご希望の方はこちらから
※電子版は10アカウントまで閲覧可能です(1アカウントの閲覧可能PC数:1台)
発刊日 | 2020年6月29日 |
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体裁 | B5判並製本 380頁 |
価格(税込)
各種割引特典
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66,000円
( E-Mail案内登録価格 62,700円 )
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ISBNコード | 978-4-86428-214-7 |
Cコード | C3047 |
ICH M7、Q3D、E&L試験...
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各ポイントの詳細
(1)~(6)に分けて本書のポイントを紹介いたします
【1】ICH M7変異原性不純物の実装~安全性部門・CMC部門双方に言及~製薬企業担当者がM7対応において考えておかねばならない内容について,業界で中心となって対応に臨む執筆陣より解説。
日本環境変異原性学会主催QSARワークショップならびに日本製薬工業会基礎研究部会の不純物対応グループの活動をふまえた解説と, 医薬品製造の実務に即した現実の問題(非オフィシャルな内容含む)に言及。 ~ICH M7ガイドラインの最新動向と要求事項をふまえ、 安全性・CMC部門各担当者より,双方の内容に言及~ 【安全性評価部門】 ✔ ICH M7に対応した毒性評価の具体的方法:潜在不純物のハザード評価の実際等 ✔ 運用時に多くの研究者が頭を悩ませるOut of Domainへの対応事例 ✔ (Q)SAR評価結果の解釈が難しい際のエキスパートレビューにおける考え方と評価事例 【CMC部門】 ✔ 開発品アセスメント及び管理における実際の手順設定例,試験法設定例や分解生成物への対応等。 ✔ 不純物管理オプション適用の考え方と妥当性の示し方 ✔ オプション3&4による管理の妥当性を議論する上で有用なパージファクター選択時の考え方 |
【2】ICH Q3D元素不純物対応における運用の実際ICHQ3Dを巡る3極の動き・最新動向とは!各局規制に基づいた元素不純物の試験法設定や分析法バリデーションの考え方、
ICP-OESやICP-MSを用いた試験法設定上の留意点について元素ごとの各論を示した解説や、 バリデーションデータ取得における留意事項及び実践上の応用例を紹介。 さらに、トレーニングマテリアルを踏まえた元素不純物の具体的なリスクアセスメント・管理戦略及び運用の実際を解説。 |
【3】 Extractables/Leachables(E&L)試験における業界動向と評価・管理まだ本邦において情報の少ないE/L不純物について,安全性と分析の双方の観点から解説。
E&L不純物における安全性評価の考え方とは?E&L試験の実際・評価事例とは? また,抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価について, シングルユース・コンポーネント及びシステムによる抗体医薬製造のポイントを紹介し, E&L試験とその評価についてCROへ委託した事例を紹介。 |
【4】 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定・不純物プロファイル管理及び同等性評価開発段階に応じて変わる不純物管理の考え方について,実際にはどのように管理していけば良いのか?
不純物管理で鍵となる原薬の不純物に焦点を当てた規格設定及び分析法バリデーションの実際とは! さらに,不純物プロファイルによる品質管理・同等性評価について, 変更管理(製造工程や製造設備,分析法の変更時)における考え方を紹介。 |
【5】 抗体医薬品・核酸医薬品における各工程に応じた不純物対応及び留意事項~抗体医薬品~
企業担当者の視点から,抗体医薬品の不純物対応の実際について各工程ごとに詳述。 培養工程にて不純物の発生を抑え,精製工程ではそれらを上手く取り除くといった 不純物管理の実際について解説。 各工程に筆者の実際の業務における成功や失敗の具体例もふまえ具体的に紹介。 ~核酸医薬品~ 核酸医薬品の不純物管理戦略において係る規制整備の状況や適用の考え方や, 有効成分であるオリゴヌクレオチドの出発物質(アミダイト体)及び原薬由来の不純物それぞれの留意事項, オリゴヌクレオチド原薬の分析法の開発や閾値の考え方,オリゴヌクレオチド類縁物質の管理戦略等, 核酸医薬品の品質管理における重要事項を解説。 |
【6】本邦における不純物管理の考え方:照会事項例とCMC申請当局の審査部より,不純物関連の照会事項例と望まれる対応について解説。
よくある不純物関連の照会事項を各カテゴリーごとに部類分けして例示し,その対応例を解説。 本書で多く記載していたM7やQ3D関連の照会事項についても取り上げる。 さらに,不純物に関するICHガイドラインの要求事項・CTD-Q作成時の留意事項を整理した上で, 「サクラミル原薬S2モック」の記載内容をもとに検討した不純物セクションの具体的な事例を紹介。 |
概要
●……医薬品の品質の中でも不純物管理で鍵となるのは原薬の不純物管理をいかに行うかである。このためには、不純物管理を行いながら原薬を安定して製造することが必要であり、またそれを確実に評価する分析法の開発が必要となる。すなわち、原薬の不純物については、その製造工程に遡って管理することが必須となる。ここでは原薬の不純物に焦点を当てて、ICHの規制要求をふまえながら、開発段階に応じて実際にはどのように不純物を管理していくかについての考え方を紹介する。……(本文へ続く)(第1章「規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際」スペラファーマ(株) 近藤 加奈子,小林 篤,山野 光久)
●医薬品規制調和国際会議(ICH)は2014年6月に新たに「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドライン: ICH-M7」を策定した。……(中略)……ICHのMガイドラインはMultidisciplinary(品質・安全性・有効性の複数領域)のガイドラインであり、M7も安全性と品質のパートからなる。本章では主として安全性に係わる項目について解説し、品質(製造及び管理)に係わる項目は他章に譲る。ICH-M7ガイドラインはその後、医薬品製造において高頻度で不純物として検出される変異原性物質、もしくは発がん物質とみなされている14種類の化学物質の許容摂取量と、その算出方法を示した補遺が補完され、2017年3月に改訂された(ICH-M7(R1))。本稿の後半では、この化合物特異的な許容摂取量の算出についても述べる。……(本文へ続く)(第3章「ICH-M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲」国立医薬品食品衛生研究所 本間 正充)
●……以下に、製薬企業の担当者がM7対応において考えておかねばならない内容について述べる。日本環境変異原学会主催QSARワークショップならびに日本製薬工業会基礎研究部会の不純物対応グループの活動も踏まえて、医薬品製造における現実の問題や、共通の経験、科学的に妥当であり一般に受け入れられるであろう内容を記載する。医薬品製造の現実に即した対応も記載するが、それらは国際合意されているわけではない。国際合意されている正確な内容については、PmdaやICHオフィシャルホームページで確認されたい。……(本文へ続く)(第4章「ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法~潜在不純物のハザード評価の実際~」中外製薬(株) 三島 雅之)
●ステンレス製の配管やタンクなどを固定した従来の抗体医薬・治験原薬製造設備では、新薬パイプラインに開発品の数が増えてくると、製造後に装置・設備の洗浄や小規模な変更工事を終えては次の製造に取りかかることを繰り返し、多忙を極める。とりわけ、製造品目切り替え洗のスケジュール中では、洗浄調査は洗浄液やスワブのTOC測定により行うが、操作や評価に多くの時間と工数を割かれ、ボトルネックとなる。この効率化対策の一つに、弊社でも進めている、製造ラインのフルシングルユース化がある。……(中略)……一方で、シングルユース・コンポーネント及びシステムは、抽出物Extractables/浸出物Leachables(E&L)の問題がついて回り、さらには、シングルユース製品の4%ほどが品質不良との報告もある。弊社では、前者は、メーカーと連携した適正なリスク評価や模擬サンプルを用いたE&L試験を行うことで、シングルユース製品を安全に活用できることが確かだと自信を深めているし、また、後者でも、独自に使用前の簡便な検査法を実用化することで不良品を見極めて除く目処を立てている。この章では、まず、シングルユース・コンポーネント及びシステムのメリット・デメリットとその設備化のポイントなどを説明し、次に、本題であるE&L試験とその評価について、主にCROと一緒に仕事をしたケースを紹介したい。シングルユース技術が将来のバイオ医薬品製造にとって欠かせない技術基盤になることを再認識されるのではなかろうか。……(本文へ続く)(第11章「抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価」武田薬品工業 (株) 河野 晃)
●Q3Dガイドラインでは、対象となる元素不純物のリスクアセスメントを求めているが、必ずしも元素不純物の測定(定量)を必要としているわけではない。データベースや公表文献などの入手可能な情報をもとに、含有されていると考えられる元素不純物をまとめ、予想される元素不純物量を推定し、アセスメントした結果を文書化すればよいとされている。しかしながら、元素不純物が混入する潜在的な起源は、原薬や添加剤のみならず、容器施栓系や製造工程など多岐にわたるため、これらの全てを入手可能な情報のみからアセスメントすることは容易ではなく、何らかの分析による評価が必要となることが予想される。
本章では、Q3Dガイドラインに対応する元素不純物分析を行うにあたり、その試験法設定及びバリデーションデータ取得について解説する。前半では、各局の試験法や種々のガイドラインに基づき、元素不純物の分析法バリデーションに対する考え方を、後半では、無機元素分析の概要と、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES: Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry)や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS: Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)を用いた試験法設定上の留意点について、元素ごとの各論を示しながら解説する。Q3Dガイドラインの各極の対応、最新動向については前章を、元素不純物のリスクアセスメントと管理戦略については後の章を参照いただきたい。。……(本文へ続く)
(第13章「ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得」 (株)東レリサーチセンター 一ノ瀬 尊之 )
●2019年3月にGuideline For Elemental Impurities Q3D(R1) Step 4としてカドミウムのPDE値修正に関する改正が行われ、現在、新たな投与経路である経皮吸収についての議論がとり行われている。本ガイドラインには、製剤中の元素不純物に対するリスクアセスメントの実施、まとめ及び評価、リスクに基づいた管理戦略の策定をするための基準、考え方及び実施例が示されている。……(中略)……製剤中の元素不純物のリスクアセスメントと管理戦略策定を実施する上で、本ガイドラインの活用についてガイドライン策定時より多くの意見、質問及び要望が出されたことから、これらに対応するトレーニングマテリアルがICHで作成されている。本稿ではトレーニングマテリアルのモジュール0、5~8を中心にガイドラインを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略について概説する。……(本文へ続く)
(第14章「ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際~トレーニングマテリアルを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~」 (株)住化分析センター 花河 奏一郎)
●……このように構造多岐に渡る核酸医薬品は,アンメットニーズの強い難治性疾患や遺伝子疾患を中心に開発が進んでおり,2019年8月の時点で世界で9品目が承認され,さらに100品目以上の臨床試験が進行している.核酸医薬は,抗体医薬に続く次世代の創薬モダリティーの一つとして大きな期待が寄せられており,さらなる創薬研究が進められると共に,新しいタイプの医薬品として継続的に市場に出てくると考えられる.そこで本稿では,主にこれまでに発表されている論文や学会等にて報告されている情報を基に,核酸医薬品の品質管理の中でも不純物に焦点を絞り,その管理戦略の考え方の最新動向について,私見も交えながら纏めることにした.……(本文へ続く)(第16章「核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向」塩野義製薬(株) 関口 光明)
●……医薬品に混入される不純物に関する承認審査は、品質パートの審査の中でも特に重要であり、不純物はどのような物質であるか、その由来、製造工程での挙動、工程管理や出荷試験での管理状況、不純物の試験方法は十分な性能を有し、適切にバリデートされた方法であるか、保存期間中において新たに生成される不純物はないか、又は増加の程度は許容可能か等、様々な観点からの確認が必要である。不純物を問題とならない濃度まで低減する方策や、安全性を確認の上、許容値を設定する方策も考えらえるが、可能な限り低減させる方策を検討することは重要である。……(中略)……照会事項は、医薬品の承認審査中に規制当局から申請者(開発企業)に向けて発出されるものであり、承認申請時に提出された添付資料を審査員が確認し、審査する際に不足している情報、不明確な情報等に対して追加の説明を求めるものである。本章では、よくある不純物関連の照会事項を例示し、その対応例を解説する。なお、ここで挙げる照会事項例は、著者が無作為に選定したものであり、新薬及びジェネリック医薬品の承認審査において網羅されるものではないこと、照会事項回答は申請者が申請品目の特性に応じて検討するものであり、本章で述べる内容は適切な対応例ではないケースも想定されることに留意してほしい。……(本文へ続く)(第17章「不純物関連の照会事項例と望まれる対応」(独)医薬品医療機器総合機構 小川 卓巳)
著者
近藤加奈子 | スペラファーマ(株) |
小林篤 | スペラファーマ(株) |
山野光久 | スペラファーマ(株) |
数崎 正人 | 住友化学(株) |
本間 正充 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
三島 雅之 | 中外製薬(株) |
橋本 清弘 | 武田薬品工業(株) |
長遠 裕介 | 富士フイルム(株) |
小松 一聖 | 塩野義製薬(株) |
福津 直人 | 第一三共(株) |
広瀬 明彦 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
小野田 資 | (株)東レリサーチセンター |
河野 晃 | 武田薬品工業(株) |
四方田 千佳子 | 神戸薬科大学 |
一ノ瀬 尊之 | (株)東レリサーチセンター |
大塚 達哉 | (株)東レリサーチセンター |
花河 奏一郎 | (株)住化分析センター |
関口 光明 | 塩野義製薬(株) |
小川 卓巳 | (独)医薬品医療機器総合機構 |
長谷川 隆 | 大塚製薬(株) |
書籍趣旨
【第1部】 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
第1章 規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際
第2章 変更管理における不純物プロファイルによる品質管理・同等性評価
第1節 製造工程や製造設備などの変更における同等性評価の基準と手順
第2節 分析法変更における同等性評価の基準と手順
【第2部】 ICH M7 変異原性不純物の実装
第3章 ICH M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲
第4章 ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法
~潜在不純物のハザード評価の実際~
第5章 安全性評価部門におけるICH M7運用:Out of Domainへの対応事例を中心に
第6章 (Q)SAR評価におけるエキスパートレビューの考え方と評価事例
第7章 CMC部門におけるICH M7運用:開発品アセスメントと管理例,試験方法の設定例
第8章 CMC部門におけるICH M7運用:不純物管理オプションとパージファクター
【第3部】 Extractables/Leachables(E&L)試験における業界動向と評価・管理
第9章 E/L不純物の安全性評価の考え方
第10章 分析の観点からみたE&L試験の実際・評価事例
第11章 抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価
【第4部】 ICH Q3D元素不純物対応における運用の実際
第12章 ICH Q3Dを巡る国内外の動向
第13章 ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得
第14章 ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際
~トレーニングマテリアルを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~
【第5部】 抗体医薬品・核酸医薬品における不純物対応
第15章 企業における不純物対応の実際【抗体医薬品】
第16章 核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向
【第6部】 本邦における不純物管理の考え方とCMC申請
第17章 不純物関連の照会事項例と望まれる対応
第18章 不純物関連におけるCTD-Q作成時留意事項と記載例
目次
第1章 規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際
はじめに
1. 原薬の不純物管理の特徴
2. 医薬品原薬の不純物に関するガイドライン
3. 不純物プロファイル
4. 原薬の規格設定
4.1 有機不純物
4.2 残留溶媒
4.3 無機不純物
5. 出発物質の規格設定
5.1 出発物質の条件
5.2 出発物質の規格
6. 不純物の分析バリデーション
6.1 分析法パラメータの定義及び評価方法
6.2 原薬の分析バリデーション (純度試験) の留意点
6.3 出発物質の分析バリデーション(純度試験)の留意点
おわりに
第2章 変更管理における不純物プロファイルによる品質管理・同等性評価
はじめに
1. 不純物
2. ICHガイドライン
3. 不純物プロファイル
第1節 製造工程や製造設備などの変更における同等性評価の基準と手順
1. 製造管理
2. 製造工程や製造設備の変更前後での変化
3. 分析法
3.1 分析法確立
3.2 ICHガイドラインにおける留意事項
4. 原薬中の不純物
4.1 各開発段階における原薬中の不純物
4.2 原薬規格の妥当性の検証
4.3 ICHガイドラインにおける留意事項
5. 不純物プロファイルの同等性
5.1 不純物プロファイルの同等性の判定
5.2 新規不純物の出現・既知不純物の増減
6. 開発段階の不純物プロファイルの同等性判断基準
7. 市販後の不純物プロファイルの同等性判断基準
8. 不純物プロファイルの文書化
第2節 分析法変更における同等性評価の基準と手順
1. 分析法の変更
1.1 分析法の変更
1.2 分析法バリデーション
1.3 分析能パラメータ
2. 試験法変更後のバリデーション
3. 改訂された試験法の同等性確認
4. 新試験法の適応
おわりに
第2部 ICH M7 変異原性不純物の実装
第3章 ICH M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲
はじめに
1. 背景
2. ICH-M7以前の医薬品中の不純物に関するICHガイドライン
3. ICH-M7ガイドラインの適用範囲
4. 一般原則
4.1 対象物質とその評価
4.2 対象物質のリスク評価と管理
5. ハザード評価
5.1 Ames試験、および陽性結果のフォローアップ
5.2 定量的構造活性相関(QSAR)による不純物の変異原性評価
5.3 不純物の分類と管理
6. リスクの特性解析
6.1 化合物特異的なリスク評価に基づく許容摂取量
6.2 構造に基づくリスクレベルの緩和
6.3 実質的な閾値の根拠が示されている変異原性不純物
6.4 一生涯よりも短い期間の曝露に関する許容摂取量
6.5 複数の変異原性不純物に関する許容摂取量
6.6 例外、および柔軟的な対応
7. ICH-M7とICH-Q3A/Bガイドラインとの関連性
8. 化合物特異的な許容摂取量の算出
8.1 許容摂取量 (AI)と、許容1日曝露量 (PDE)の算出
8.2 変異原性発がん化学物質(10化合物)のAI値
8.3 非変異原性発がん物質(アニリン)のPDE値
8.4 食品由来、もしくは内因性の発がん物質(過酸化水素)のPDE値
8.5 その他(p-クロロアニリン、ジメチル硫酸)
おわりに
第4章 ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法
~潜在不純物のハザード評価の実際~
1. 発がん性不純物にかかわる現状
2. 潜在不純物のハザード評価 ~医薬品製造の実際をふまえた評価の考え方~
2.1 評価の体制
2.2 潜在不純物のリスト化
2.3 情報調査 ~信頼できる情報源及び調査情報を申請に利用する場合の留意事項~
2.4 QSARソフトウェアの選択 ~ソフトウェア比較及び選択時の考え方~
2.5 QSAR評価
2.6 Ames試験
2.7 フォローアップ試験
第5章 安全性評価部門におけるICH M7運用:Out of Domainへの対応事例を中心に
はじめに
1 ICMM7ガイドラインに則った不純物評価の流れ
1.1 評価対象不純物選定
1.2 クラス分類
1.3 ハザード評価
1.4 (Q)SAR結果解釈
2 Out of Domain (OOD)への対応
2.1 概略
2.2 何故OODが生じるのか
2.3 どのくらいの頻度でOODが生じる?
2.4 OODを解決するアプローチ
2.4.1 DNA反応性に寄与しない構造によるOOD結果
2.4.2 リードアクロスの活用
2.4.3 類似アナログを用いたリードアクロスによるODD評価(仮)
2.4.4 メカニズムに基づいた説明
2.4.5 2つの(Q)SARで予測不可のケース
2.4.6 3つ目の(Q)SARモデルを用いるケース
2.4.7 Ames試験で確認するケース
3 運用面での注意
3.1 解析ソフトについて
3.2 既知情報検索の評価結果の取り扱い
おわりに
第6章 (Q)SAR評価におけるエキスパートレビューの考え方と評価事例
はじめに
1. ハザード評価について
2. データベース及び文献検索について
3. (Q)SAR評価について
3.1 知識ベースの(Q)SARシステム
3.2 統計ベースの(Q)SARシステム
4. エキスパートレビューについて
4.1 知識ベースの(Q)SARシステムにおけるエキスパートレビュー
4.2 統計ベースの(Q)SARシステムにおけるエキスパートレビュー
4.3 (Q)SAR陰性予測結果におけるエキスパートレビュー
5. (Q)SARエキスパートレビューの事例
5.1 事例1:(R)-2-Methyl-3-phenylpropyl hydrogen sulfate (CAS No. 1940149-68-7)
5.2 事例2:1-Benzyl-3-hydroxyazetidine (CAS No. 54881-13-9)
5.3 事例3:4-Bromobenzoyl chloride (CAS No. 586-75-4)
5.4 事例4:n-Butyllithium(CAS No. 109-72-8)
5.5 事例5:Methyl 2-amino-4-chlorobenzoate(CAS No. 5900-58-3)
5.6 事例6:4-Fluoro-2-methoxy-5-methylaniline (CAS No. 314298-14-1)
5.7 事例7:2-Hydroxy-2H-pyran-5-one (CAS No. 35436-57-8)
5.8 事例8:3-(2-Ethylidenehydrazinyl)-N,N-dimethylpropanamide (CAS No. 112858-31-8)
おわりに
第7章 CMC部門におけるICH M7運用:開発品アセスメントと管理例,試験方法の設定例
はじめに
1. ICH M7において特に本章に関連のある事項の概要
1.1 評価する範囲
1.2 分解生成物の管理に関連するガイドライン
1.3 ICH M7における変異原性分解生成物の管理
1.4 ICH M7に関連する最近の取り組み
2. 変異原性不純物の評価と管理の手順の設定例
2.1 管理手順の適用範囲
2.2 変異原性不純物のリスク評価と管理の手順概略
2.3 運用の詳細手順
3. 管理の対応例
3.1 分解生成物 ~管理のための分解経路の理解及び対応例~
3.2 その他の試験方法開発 ~自社で試験法を開発した変異原性不純物及び分析手法~
4. 照会事例及び関連情報
おわりに
第8章 CMC部門におけるICH M7運用:不純物管理オプションとパージファクター
はじめに
1. 製造工程に由来する(潜在的)変異原性不純物の管理
1.1 オプション1による管理
1.2 オプション2による管理
1.3 オプション3による管理
1.4 オプション4による管理
2. 管理オプションとパージファクター
2.1 実測によるパージファクター
2.2 パージファクターの推定
3. パージファクターに基づく管理オプションの選択
4. パージファクターのさらなる応用と発展
おわりに
第3部 Extractables/Leachables(E&L)試験における業界動向と評価・管理
第9章 E/L不純物の安全性評価の考え方
1. 不純物の毒性評価法
2. TTCの基本概念
2.1 遺伝毒性発がん性物質のTTC
2.2 非発がん性影響に対するTTC
3. 浸出物管理へのTTCの適用
4. 今後の課題
第10章 分析の観点からみたE&L試験の実際・実施例
はじめに
1. E&L実施の流れ
2. 前処理方法
3. 機器分析
4. 分析事例
4.1 HS-GC/MS分析
4.2 GC/MS分析
4.3 LC/MS分析
おわりに
第11章 抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価
はじめに
1. シングルユース技術
1.1 シングルユース市場の拡大
1.2 シングルユース技術のメリットとデメリット
1.2.1 シングルユース技術のメリット
1.2.2 シングルユース技術のデメリット
2. シングルユース・コンポーネント及びシステムによる抗体医薬製造のポイント
2.1 ボールルームコンセプト
2.2 設備化のポイント
2.3 培養槽
2.4 サンプリング時のシングルユース・コンポーネント
2.5 精製工程のシングルユースシステム
3. 抽出物/浸出物(E&L)
3.1 抽出物/浸出物(E&L)とは
3.2 Extractables&Leachables(E&L)の評価
3.2.1 リスクアセスメント
3.2.2 Leachables評価
3.2.2.1 CROの選定
3.2.2.2 CRO委託の注意点
3.2.2.3 CRO委託の注意点 ロット選定と結果評価
おわりに
第4部 ICH Q3D元素不純物対応における運用の実態
第12章 ICH Q3Dを巡る国内外の動向
1. ICH Q3Dの経緯と最近の動き
2. 我が国におけるQ3Dを巡る動き
2.1 ICH Q3Dの我が国での規制への取り込み
2.2 新製剤以外への適用に向けた日本薬局方へのQ3Dの取り込み
2.2.1 2.66 元素不純物試験法
2.2.2 参考情報「製剤中の元素不純物の管理」
3. ヨーロッパの状況
3.1 ヨーロッパのQ3Dガイドラインの規制への取り込みにおける対応
3.1.1 Elemental impurities in marketed products. Recommendations for implementation概要
3.1.2 Implementation strategy of ICH Q3D guidelineの概要
3.2 欧州薬局方(Ph. Eur.)の状況
4. 米国の現状
4.1 FDAの対応
4.2 米国薬局方の状況
4.2.1 一般試験法<232> Elemental Impurities-Limits
4.2.2 一般試験法<233> Elemental Impurities-Procedures
おわりに
第13章 ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得
はじめに
1. 元素不純物及びバリデーションに関するガイドラインと一般試験法
2. 元素不純物分析のバリデーション
2.1 三薬局方の元素不純物試験法概要
2.2 定量試験のバリデーション
2.2.1 特異性
2.2.2 直線性・範囲
2.2.3 真度
2.2.4 精度
(1)併行精度
(2) 室内再現精度
2.2.5 検出限界・定量限界
2.2.6 頑健性
2.3 限度試験のバリデーション
2.4 システム適合性試験
3. バリデーションデータ取得の実践と応用
3.1 特異性の評価方法
3.2 直線性・範囲・真度・定量限界の濃度設定
3.3 その他の応用例
4. 無機元素の分析法概論
4.1 代表的な測定手法
4.1.1 蛍光X線分析法(XRF)
4.1.2 原子吸光分析法(AAS,GF-AAS)
4.1.3 誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)
4.1.4 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
4.2 溶液化の前処理方法
5. 医薬品の元素不純物分析
5.1 マイクロ波酸分解法
5.2 ICP-MS測定上の留意点
5.2.1 多原子イオン干渉
5.2.2 有機溶媒直接導入
5.2.3 内標準元素
5.3 Q3Dガイドライン対象元素で注意すべき元素の分析例
おわりに
第14章 ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際
~トレーニングマテリアルをふまえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~
はじめに
1. リスクアセスメントの事前確認
1.1 ガイドラインの適用範囲
1.2 対象元素の分類
2. リスクアセスメント
2.1 リスクの特定
2.2 リスクアセスメントのアプローチ
2.2.1 製剤アプローチ
2.2.1.1 製剤
2.2.1.2 容器施栓系(Container Closure System:CCS)
2.2.2 構成成分アプローチ
2.2.2.1 原薬(Drug Substance)
2.2.2.2 添加剤(Excipients)
2.2.2.3 製造設備・機器(Manufacturing equipment)
2.2.2.4 ユーティリティ(Utilities)
2.2.2.5 容器施栓系(Container Closure Systems:CCS)
3. リスクアセスメントの評価及びまとめ
3.1 リスクアセスメントの評価
3.2 PDE値から濃度限界値への換算
3.2.1 4種類の換算方法(オプション)
3.2.2 オプション1
3.2.3 オプション2a
3.2.4 オプション2b
3.2.5 オプション3
3.3 リスクアセスメントのまとめ:結果の概括及び文書化
4. 管理戦略とライフサイクルマネジメント
4.1 管理
4.1.1 元素不純物がリスクアセスメントから除外されるもの
4.1.2 元素不純物が管理閾値未満の場合
4.1.3 元素不純物が管理閾値を超えるが,PDE値以下の場合
4.1.4 元素不純物がPDE値を超える場合
4.2 ライフサイクルマネジメント
おわりに
第5部 biological products及びnew modality領域における不純物対応
第15章 企業における不純物対応の実際【抗体医薬品】
はじめに
1. 細胞株工程
1.1 細胞株工程の不純物
1.1.1 細胞株工程に由来した不純物
1.1.2 目的物質(抗体)に由来した不純物
1.2 細胞株工程の不純物管理
1.2.1 ウイルス・マイコプラズマ試験
1.2.2 遺伝子解析
1.3 細胞株安定性試験
2. 培養工程
2.1 培養工程の不純物
2.1.1 培地由来不純物
2.1.1.1 抗生物質
2.1.1.2 消泡剤
2.1.2 抗体産生細胞由来の不純物
2.1.3 培養工程の混入汚染物質
2.1.4 目的タンパク質の変性
2.2 培養工程の不純物管理
2.2.1 生存率
2.2.2 消泡剤
2.2.3 凝集体
3. 精製工程
3.1 精製工程の不純物
3.1.1 DNA
3.1.2 宿主由来タンパク質
3.1.3 プロテインA
3.1.4 凝集体
3.1.5 ウイルス
3.2 精製工程の不純物管理
3.2.1 クロマトグラフィー
3.2.2 ウイルス
4. 原材料・環境
4.1 環境由来の混入汚染物質
4.2 元素不純物
4.3 Extractables(抽出物)/Leachables(浸出物)(E&L)
まとめ
第16章 核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向
はじめに
1. 核酸医薬品における品質関連の規制整備の状況
2. 品質関連ICHガイドラインと核酸医薬品への適用
2.1 原薬中の不純物
2.2 原薬ならびに製剤の安定性
2.3 製造工程の変更に伴う同等性/同質性の評価
2.4 出発物質の管理
2.5 核酸医薬品の有効成分の規格及び試験方法
2.6 オリゴヌクレオチド原薬の品質管理
3. オリゴヌクレオチド原薬の製造工程
3.1 固相合成~切り出し工程
3.2 精製~凍結乾燥工程
4. 核酸医薬品における不純物の分類
4.1 出発物質に含まれる不純物 ~提唱されるクラス分けと留意事項~
4.2 オリゴヌクレオチド原薬由来の不純物
4.2.1 核酸医薬品に含まれる原薬由来の不純物の一例
4.2.2 リン酸結合構造に由来する不純物
4.2.3 塩基構造に由来する不純物
4.2.4 オリゴヌクレオチド鎖長に由来する不純物
5. 核酸医薬品における不純物の管理戦略
5.1 オリゴヌクレオチド原薬の分析法の開発
5.2 オリゴヌクレオチド原薬に関連する閾値の考え方
5.3 不純物生成に関係する重要工程の理解
5.4 ICH Qカルテットに基づく不純物管理
5.5 オリゴヌクレオチド製造プロセス最適化に関連する検討項目例
おわりに
第6部 本邦における不純物管理の考え方とCMC申請
第17章 不純物関連の照会事項例と望まれる対応
はじめに
1. 不純物の規格値に係る照会事項例
2. 不純物の分析方法に係る照会事項例
3. 不純物の安全性に係る照会事項例
4. 不純物の製造工程における挙動に係る照会事項例
5. 不純物の管理戦略に係る照会事項例
6. 不純物の安定性に係る照会事項例
7. ICH Q3D関連の照会事項例
8. ICH M7関連の照会事項例
おわりに
第18章 不純物におけるCTD-Q作成時の留意事項と記載例
はじめに
1. CTD-Q及び不純物に関連するガイドラインについて
2. 原薬の不純物のセクションに記載する内容について
3. 不純物のセクションの記載例
3.1 有機不純物
3.1.1 潜在的な有機不純物のハザード評価
3.1.2 (潜在的)変異原性不純物(クラス2及びクラス3)
3.1.2.1 許容限度値及び判定基準
3.1.2.2 (潜在的)変異原性不純物の試験結果
3.1.2.3 (潜在的)変異原性不純物の管理戦略
3.1.2.3.1 (潜在的)変異原性不純物の管理戦略を支持するデータ
3.1.2.3.2 CP-6(出発物質,対掌体を含む)の管理戦略
3.1.2.3.3 CP-3,CP-4及びCP-5(各々の対掌体を含む)の管理戦略
3.1.2.3.4 ジアステレオマー(CP-6-D1及びCP-6-D2)の管理戦略
3.1.2.3.5 (潜在的)変異原性不純物の合計の管理戦略
3.1.3 類縁物質
3.1.3.1 類縁物質の試験結果
3.1.3.2 類縁物質の管理戦略
3.1.3.2.1 CP-8の管理戦略
3.1.3.2.2 CP-9-1(エチル類縁体)の管理戦略
3.1.3.2.3 CP-9-2の管理戦略
3.1.3.2.4 CP-9-3の管理戦略
3.1.4 光学異性体
3.1.4.1 対掌体(エナンチオマー,CP-9-E)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.2 ジアステレオマー(CP-9-D1)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.3 ジアステレオマー(CP-9-D2)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.4 キラル管理戦略の分析的証明
3.1.4.5 不純物の挙動実験
3.1.4.6 光学異性体の試験結果
3.1.4.7 光学異性体の管理戦略
3.2 残留溶媒
3.2.1 サクラミル原薬に混入する可能性のある溶媒の特定
3.2.2 残留溶媒の試験結果
3.2.3 残留溶媒の管理戦略
3.3 無機不純物
3.3.1 サクラミル原薬の元素不純物の潜在的な期限
3.3.2 潜在的元素不純物の特定
3.3.3 元素不純物のリスクアセスメント
3.3.3.1 元素不純物の試験結果
3.3.3.2 元素不純物のリスクアセスメントの結果
3.3.4 元素不純物の管理戦略
おわりに
概要
●……医薬品の品質の中でも不純物管理で鍵となるのは原薬の不純物管理をいかに行うかである。このためには、不純物管理を行いながら原薬を安定して製造することが必要であり、またそれを確実に評価する分析法の開発が必要となる。すなわち、原薬の不純物については、その製造工程に遡って管理することが必須となる。ここでは原薬の不純物に焦点を当てて、ICHの規制要求をふまえながら、開発段階に応じて実際にはどのように不純物を管理していくかについての考え方を紹介する。……(本文へ続く)(第1章「規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際」スペラファーマ(株) 近藤 加奈子,小林 篤,山野 光久)
●医薬品規制調和国際会議(ICH)は2014年6月に新たに「潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドライン: ICH-M7」を策定した。……(中略)……ICHのMガイドラインはMultidisciplinary(品質・安全性・有効性の複数領域)のガイドラインであり、M7も安全性と品質のパートからなる。本章では主として安全性に係わる項目について解説し、品質(製造及び管理)に係わる項目は他章に譲る。ICH-M7ガイドラインはその後、医薬品製造において高頻度で不純物として検出される変異原性物質、もしくは発がん物質とみなされている14種類の化学物質の許容摂取量と、その算出方法を示した補遺が補完され、2017年3月に改訂された(ICH-M7(R1))。本稿の後半では、この化合物特異的な許容摂取量の算出についても述べる。……(本文へ続く)(第3章「ICH-M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲」国立医薬品食品衛生研究所 本間 正充)
●……以下に、製薬企業の担当者がM7対応において考えておかねばならない内容について述べる。日本環境変異原学会主催QSARワークショップならびに日本製薬工業会基礎研究部会の不純物対応グループの活動も踏まえて、医薬品製造における現実の問題や、共通の経験、科学的に妥当であり一般に受け入れられるであろう内容を記載する。医薬品製造の現実に即した対応も記載するが、それらは国際合意されているわけではない。国際合意されている正確な内容については、PmdaやICHオフィシャルホームページで確認されたい。……(本文へ続く)(第4章「ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法~潜在不純物のハザード評価の実際~」中外製薬(株) 三島 雅之)
●ステンレス製の配管やタンクなどを固定した従来の抗体医薬・治験原薬製造設備では、新薬パイプラインに開発品の数が増えてくると、製造後に装置・設備の洗浄や小規模な変更工事を終えては次の製造に取りかかることを繰り返し、多忙を極める。とりわけ、製造品目切り替え洗のスケジュール中では、洗浄調査は洗浄液やスワブのTOC測定により行うが、操作や評価に多くの時間と工数を割かれ、ボトルネックとなる。この効率化対策の一つに、弊社でも進めている、製造ラインのフルシングルユース化がある。……(中略)……一方で、シングルユース・コンポーネント及びシステムは、抽出物Extractables/浸出物Leachables(E&L)の問題がついて回り、さらには、シングルユース製品の4%ほどが品質不良との報告もある。弊社では、前者は、メーカーと連携した適正なリスク評価や模擬サンプルを用いたE&L試験を行うことで、シングルユース製品を安全に活用できることが確かだと自信を深めているし、また、後者でも、独自に使用前の簡便な検査法を実用化することで不良品を見極めて除く目処を立てている。この章では、まず、シングルユース・コンポーネント及びシステムのメリット・デメリットとその設備化のポイントなどを説明し、次に、本題であるE&L試験とその評価について、主にCROと一緒に仕事をしたケースを紹介したい。シングルユース技術が将来のバイオ医薬品製造にとって欠かせない技術基盤になることを再認識されるのではなかろうか。……(本文へ続く)(第11章「抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価」武田薬品工業 (株) 河野 晃)
●Q3Dガイドラインでは、対象となる元素不純物のリスクアセスメントを求めているが、必ずしも元素不純物の測定(定量)を必要としているわけではない。データベースや公表文献などの入手可能な情報をもとに、含有されていると考えられる元素不純物をまとめ、予想される元素不純物量を推定し、アセスメントした結果を文書化すればよいとされている。しかしながら、元素不純物が混入する潜在的な起源は、原薬や添加剤のみならず、容器施栓系や製造工程など多岐にわたるため、これらの全てを入手可能な情報のみからアセスメントすることは容易ではなく、何らかの分析による評価が必要となることが予想される。
本章では、Q3Dガイドラインに対応する元素不純物分析を行うにあたり、その試験法設定及びバリデーションデータ取得について解説する。前半では、各局の試験法や種々のガイドラインに基づき、元素不純物の分析法バリデーションに対する考え方を、後半では、無機元素分析の概要と、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES: Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry)や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS: Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)を用いた試験法設定上の留意点について、元素ごとの各論を示しながら解説する。Q3Dガイドラインの各極の対応、最新動向については前章を、元素不純物のリスクアセスメントと管理戦略については後の章を参照いただきたい。。……(本文へ続く)
(第13章「ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得」 (株)東レリサーチセンター 一ノ瀬 尊之 )
●2019年3月にGuideline For Elemental Impurities Q3D(R1) Step 4としてカドミウムのPDE値修正に関する改正が行われ、現在、新たな投与経路である経皮吸収についての議論がとり行われている。本ガイドラインには、製剤中の元素不純物に対するリスクアセスメントの実施、まとめ及び評価、リスクに基づいた管理戦略の策定をするための基準、考え方及び実施例が示されている。……(中略)……製剤中の元素不純物のリスクアセスメントと管理戦略策定を実施する上で、本ガイドラインの活用についてガイドライン策定時より多くの意見、質問及び要望が出されたことから、これらに対応するトレーニングマテリアルがICHで作成されている。本稿ではトレーニングマテリアルのモジュール0、5~8を中心にガイドラインを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略について概説する。……(本文へ続く)
(第14章「ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際~トレーニングマテリアルを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~」 (株)住化分析センター 花河 奏一郎)
●……このように構造多岐に渡る核酸医薬品は,アンメットニーズの強い難治性疾患や遺伝子疾患を中心に開発が進んでおり,2019年8月の時点で世界で9品目が承認され,さらに100品目以上の臨床試験が進行している.核酸医薬は,抗体医薬に続く次世代の創薬モダリティーの一つとして大きな期待が寄せられており,さらなる創薬研究が進められると共に,新しいタイプの医薬品として継続的に市場に出てくると考えられる.そこで本稿では,主にこれまでに発表されている論文や学会等にて報告されている情報を基に,核酸医薬品の品質管理の中でも不純物に焦点を絞り,その管理戦略の考え方の最新動向について,私見も交えながら纏めることにした.……(本文へ続く)(第16章「核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向」塩野義製薬(株) 関口 光明)
●……医薬品に混入される不純物に関する承認審査は、品質パートの審査の中でも特に重要であり、不純物はどのような物質であるか、その由来、製造工程での挙動、工程管理や出荷試験での管理状況、不純物の試験方法は十分な性能を有し、適切にバリデートされた方法であるか、保存期間中において新たに生成される不純物はないか、又は増加の程度は許容可能か等、様々な観点からの確認が必要である。不純物を問題とならない濃度まで低減する方策や、安全性を確認の上、許容値を設定する方策も考えらえるが、可能な限り低減させる方策を検討することは重要である。……(中略)……照会事項は、医薬品の承認審査中に規制当局から申請者(開発企業)に向けて発出されるものであり、承認申請時に提出された添付資料を審査員が確認し、審査する際に不足している情報、不明確な情報等に対して追加の説明を求めるものである。本章では、よくある不純物関連の照会事項を例示し、その対応例を解説する。なお、ここで挙げる照会事項例は、著者が無作為に選定したものであり、新薬及びジェネリック医薬品の承認審査において網羅されるものではないこと、照会事項回答は申請者が申請品目の特性に応じて検討するものであり、本章で述べる内容は適切な対応例ではないケースも想定されることに留意してほしい。……(本文へ続く)(第17章「不純物関連の照会事項例と望まれる対応」(独)医薬品医療機器総合機構 小川 卓巳)
著者
近藤加奈子 | スペラファーマ(株) |
小林篤 | スペラファーマ(株) |
山野光久 | スペラファーマ(株) |
数崎 正人 | 住友化学(株) |
本間 正充 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
三島 雅之 | 中外製薬(株) |
橋本 清弘 | 武田薬品工業(株) |
長遠 裕介 | 富士フイルム(株) |
小松 一聖 | 塩野義製薬(株) |
福津 直人 | 第一三共(株) |
広瀬 明彦 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
小野田 資 | (株)東レリサーチセンター |
河野 晃 | 武田薬品工業(株) |
四方田 千佳子 | 神戸薬科大学 |
一ノ瀬 尊之 | (株)東レリサーチセンター |
大塚 達哉 | (株)東レリサーチセンター |
花河 奏一郎 | (株)住化分析センター |
関口 光明 | 塩野義製薬(株) |
小川 卓巳 | (独)医薬品医療機器総合機構 |
長谷川 隆 | 大塚製薬(株) |
書籍趣旨
【第1部】 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
第1章 規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際
第2章 変更管理における不純物プロファイルによる品質管理・同等性評価
第1節 製造工程や製造設備などの変更における同等性評価の基準と手順
第2節 分析法変更における同等性評価の基準と手順
【第2部】 ICH M7 変異原性不純物の実装
第3章 ICH M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲
第4章 ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法
~潜在不純物のハザード評価の実際~
第5章 安全性評価部門におけるICH M7運用:Out of Domainへの対応事例を中心に
第6章 (Q)SAR評価におけるエキスパートレビューの考え方と評価事例
第7章 CMC部門におけるICH M7運用:開発品アセスメントと管理例,試験方法の設定例
第8章 CMC部門におけるICH M7運用:不純物管理オプションとパージファクター
【第3部】 Extractables/Leachables(E&L)試験における業界動向と評価・管理
第9章 E/L不純物の安全性評価の考え方
第10章 分析の観点からみたE&L試験の実際・評価事例
第11章 抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価
【第4部】 ICH Q3D元素不純物対応における運用の実際
第12章 ICH Q3Dを巡る国内外の動向
第13章 ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得
第14章 ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際
~トレーニングマテリアルを踏まえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~
【第5部】 抗体医薬品・核酸医薬品における不純物対応
第15章 企業における不純物対応の実際【抗体医薬品】
第16章 核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向
【第6部】 本邦における不純物管理の考え方とCMC申請
第17章 不純物関連の照会事項例と望まれる対応
第18章 不純物関連におけるCTD-Q作成時留意事項と記載例
目次
第1章 規制要求をふまえた不純物管理の留意事項と規格設定・分析法バリデーションの実際
はじめに
1. 原薬の不純物管理の特徴
2. 医薬品原薬の不純物に関するガイドライン
3. 不純物プロファイル
4. 原薬の規格設定
4.1 有機不純物
4.2 残留溶媒
4.3 無機不純物
5. 出発物質の規格設定
5.1 出発物質の条件
5.2 出発物質の規格
6. 不純物の分析バリデーション
6.1 分析法パラメータの定義及び評価方法
6.2 原薬の分析バリデーション (純度試験) の留意点
6.3 出発物質の分析バリデーション(純度試験)の留意点
おわりに
第2章 変更管理における不純物プロファイルによる品質管理・同等性評価
はじめに
1. 不純物
2. ICHガイドライン
3. 不純物プロファイル
第1節 製造工程や製造設備などの変更における同等性評価の基準と手順
1. 製造管理
2. 製造工程や製造設備の変更前後での変化
3. 分析法
3.1 分析法確立
3.2 ICHガイドラインにおける留意事項
4. 原薬中の不純物
4.1 各開発段階における原薬中の不純物
4.2 原薬規格の妥当性の検証
4.3 ICHガイドラインにおける留意事項
5. 不純物プロファイルの同等性
5.1 不純物プロファイルの同等性の判定
5.2 新規不純物の出現・既知不純物の増減
6. 開発段階の不純物プロファイルの同等性判断基準
7. 市販後の不純物プロファイルの同等性判断基準
8. 不純物プロファイルの文書化
第2節 分析法変更における同等性評価の基準と手順
1. 分析法の変更
1.1 分析法の変更
1.2 分析法バリデーション
1.3 分析能パラメータ
2. 試験法変更後のバリデーション
3. 改訂された試験法の同等性確認
4. 新試験法の適応
おわりに
第2部 ICH M7 変異原性不純物の実装
第3章 ICH M7ガイドラインの最新動向と要求事項/適用範囲
はじめに
1. 背景
2. ICH-M7以前の医薬品中の不純物に関するICHガイドライン
3. ICH-M7ガイドラインの適用範囲
4. 一般原則
4.1 対象物質とその評価
4.2 対象物質のリスク評価と管理
5. ハザード評価
5.1 Ames試験、および陽性結果のフォローアップ
5.2 定量的構造活性相関(QSAR)による不純物の変異原性評価
5.3 不純物の分類と管理
6. リスクの特性解析
6.1 化合物特異的なリスク評価に基づく許容摂取量
6.2 構造に基づくリスクレベルの緩和
6.3 実質的な閾値の根拠が示されている変異原性不純物
6.4 一生涯よりも短い期間の曝露に関する許容摂取量
6.5 複数の変異原性不純物に関する許容摂取量
6.6 例外、および柔軟的な対応
7. ICH-M7とICH-Q3A/Bガイドラインとの関連性
8. 化合物特異的な許容摂取量の算出
8.1 許容摂取量 (AI)と、許容1日曝露量 (PDE)の算出
8.2 変異原性発がん化学物質(10化合物)のAI値
8.3 非変異原性発がん物質(アニリン)のPDE値
8.4 食品由来、もしくは内因性の発がん物質(過酸化水素)のPDE値
8.5 その他(p-クロロアニリン、ジメチル硫酸)
おわりに
第4章 ICH M7に対応した毒性評価の考え方と具体的方法
~潜在不純物のハザード評価の実際~
1. 発がん性不純物にかかわる現状
2. 潜在不純物のハザード評価 ~医薬品製造の実際をふまえた評価の考え方~
2.1 評価の体制
2.2 潜在不純物のリスト化
2.3 情報調査 ~信頼できる情報源及び調査情報を申請に利用する場合の留意事項~
2.4 QSARソフトウェアの選択 ~ソフトウェア比較及び選択時の考え方~
2.5 QSAR評価
2.6 Ames試験
2.7 フォローアップ試験
第5章 安全性評価部門におけるICH M7運用:Out of Domainへの対応事例を中心に
はじめに
1 ICMM7ガイドラインに則った不純物評価の流れ
1.1 評価対象不純物選定
1.2 クラス分類
1.3 ハザード評価
1.4 (Q)SAR結果解釈
2 Out of Domain (OOD)への対応
2.1 概略
2.2 何故OODが生じるのか
2.3 どのくらいの頻度でOODが生じる?
2.4 OODを解決するアプローチ
2.4.1 DNA反応性に寄与しない構造によるOOD結果
2.4.2 リードアクロスの活用
2.4.3 類似アナログを用いたリードアクロスによるODD評価(仮)
2.4.4 メカニズムに基づいた説明
2.4.5 2つの(Q)SARで予測不可のケース
2.4.6 3つ目の(Q)SARモデルを用いるケース
2.4.7 Ames試験で確認するケース
3 運用面での注意
3.1 解析ソフトについて
3.2 既知情報検索の評価結果の取り扱い
おわりに
第6章 (Q)SAR評価におけるエキスパートレビューの考え方と評価事例
はじめに
1. ハザード評価について
2. データベース及び文献検索について
3. (Q)SAR評価について
3.1 知識ベースの(Q)SARシステム
3.2 統計ベースの(Q)SARシステム
4. エキスパートレビューについて
4.1 知識ベースの(Q)SARシステムにおけるエキスパートレビュー
4.2 統計ベースの(Q)SARシステムにおけるエキスパートレビュー
4.3 (Q)SAR陰性予測結果におけるエキスパートレビュー
5. (Q)SARエキスパートレビューの事例
5.1 事例1:(R)-2-Methyl-3-phenylpropyl hydrogen sulfate (CAS No. 1940149-68-7)
5.2 事例2:1-Benzyl-3-hydroxyazetidine (CAS No. 54881-13-9)
5.3 事例3:4-Bromobenzoyl chloride (CAS No. 586-75-4)
5.4 事例4:n-Butyllithium(CAS No. 109-72-8)
5.5 事例5:Methyl 2-amino-4-chlorobenzoate(CAS No. 5900-58-3)
5.6 事例6:4-Fluoro-2-methoxy-5-methylaniline (CAS No. 314298-14-1)
5.7 事例7:2-Hydroxy-2H-pyran-5-one (CAS No. 35436-57-8)
5.8 事例8:3-(2-Ethylidenehydrazinyl)-N,N-dimethylpropanamide (CAS No. 112858-31-8)
おわりに
第7章 CMC部門におけるICH M7運用:開発品アセスメントと管理例,試験方法の設定例
はじめに
1. ICH M7において特に本章に関連のある事項の概要
1.1 評価する範囲
1.2 分解生成物の管理に関連するガイドライン
1.3 ICH M7における変異原性分解生成物の管理
1.4 ICH M7に関連する最近の取り組み
2. 変異原性不純物の評価と管理の手順の設定例
2.1 管理手順の適用範囲
2.2 変異原性不純物のリスク評価と管理の手順概略
2.3 運用の詳細手順
3. 管理の対応例
3.1 分解生成物 ~管理のための分解経路の理解及び対応例~
3.2 その他の試験方法開発 ~自社で試験法を開発した変異原性不純物及び分析手法~
4. 照会事例及び関連情報
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第8章 CMC部門におけるICH M7運用:不純物管理オプションとパージファクター
はじめに
1. 製造工程に由来する(潜在的)変異原性不純物の管理
1.1 オプション1による管理
1.2 オプション2による管理
1.3 オプション3による管理
1.4 オプション4による管理
2. 管理オプションとパージファクター
2.1 実測によるパージファクター
2.2 パージファクターの推定
3. パージファクターに基づく管理オプションの選択
4. パージファクターのさらなる応用と発展
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第3部 Extractables/Leachables(E&L)試験における業界動向と評価・管理
第9章 E/L不純物の安全性評価の考え方
1. 不純物の毒性評価法
2. TTCの基本概念
2.1 遺伝毒性発がん性物質のTTC
2.2 非発がん性影響に対するTTC
3. 浸出物管理へのTTCの適用
4. 今後の課題
第10章 分析の観点からみたE&L試験の実際・実施例
はじめに
1. E&L実施の流れ
2. 前処理方法
3. 機器分析
4. 分析事例
4.1 HS-GC/MS分析
4.2 GC/MS分析
4.3 LC/MS分析
おわりに
第11章 抗体医薬品におけるシングルユース製品の抽出物/浸出物評価
はじめに
1. シングルユース技術
1.1 シングルユース市場の拡大
1.2 シングルユース技術のメリットとデメリット
1.2.1 シングルユース技術のメリット
1.2.2 シングルユース技術のデメリット
2. シングルユース・コンポーネント及びシステムによる抗体医薬製造のポイント
2.1 ボールルームコンセプト
2.2 設備化のポイント
2.3 培養槽
2.4 サンプリング時のシングルユース・コンポーネント
2.5 精製工程のシングルユースシステム
3. 抽出物/浸出物(E&L)
3.1 抽出物/浸出物(E&L)とは
3.2 Extractables&Leachables(E&L)の評価
3.2.1 リスクアセスメント
3.2.2 Leachables評価
3.2.2.1 CROの選定
3.2.2.2 CRO委託の注意点
3.2.2.3 CRO委託の注意点 ロット選定と結果評価
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第4部 ICH Q3D元素不純物対応における運用の実態
第12章 ICH Q3Dを巡る国内外の動向
1. ICH Q3Dの経緯と最近の動き
2. 我が国におけるQ3Dを巡る動き
2.1 ICH Q3Dの我が国での規制への取り込み
2.2 新製剤以外への適用に向けた日本薬局方へのQ3Dの取り込み
2.2.1 2.66 元素不純物試験法
2.2.2 参考情報「製剤中の元素不純物の管理」
3. ヨーロッパの状況
3.1 ヨーロッパのQ3Dガイドラインの規制への取り込みにおける対応
3.1.1 Elemental impurities in marketed products. Recommendations for implementation概要
3.1.2 Implementation strategy of ICH Q3D guidelineの概要
3.2 欧州薬局方(Ph. Eur.)の状況
4. 米国の現状
4.1 FDAの対応
4.2 米国薬局方の状況
4.2.1 一般試験法<232> Elemental Impurities-Limits
4.2.2 一般試験法<233> Elemental Impurities-Procedures
おわりに
第13章 ICH Q3Dに対応する元素不純物分析と試験法設定・バリデーションデータ取得
はじめに
1. 元素不純物及びバリデーションに関するガイドラインと一般試験法
2. 元素不純物分析のバリデーション
2.1 三薬局方の元素不純物試験法概要
2.2 定量試験のバリデーション
2.2.1 特異性
2.2.2 直線性・範囲
2.2.3 真度
2.2.4 精度
(1)併行精度
(2) 室内再現精度
2.2.5 検出限界・定量限界
2.2.6 頑健性
2.3 限度試験のバリデーション
2.4 システム適合性試験
3. バリデーションデータ取得の実践と応用
3.1 特異性の評価方法
3.2 直線性・範囲・真度・定量限界の濃度設定
3.3 その他の応用例
4. 無機元素の分析法概論
4.1 代表的な測定手法
4.1.1 蛍光X線分析法(XRF)
4.1.2 原子吸光分析法(AAS,GF-AAS)
4.1.3 誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)
4.1.4 誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
4.2 溶液化の前処理方法
5. 医薬品の元素不純物分析
5.1 マイクロ波酸分解法
5.2 ICP-MS測定上の留意点
5.2.1 多原子イオン干渉
5.2.2 有機溶媒直接導入
5.2.3 内標準元素
5.3 Q3Dガイドライン対象元素で注意すべき元素の分析例
おわりに
第14章 ICH Q3Dをふまえた元素不純物の管理戦略と運用の実際
~トレーニングマテリアルをふまえた具体的なリスクアセスメントと管理戦略~
はじめに
1. リスクアセスメントの事前確認
1.1 ガイドラインの適用範囲
1.2 対象元素の分類
2. リスクアセスメント
2.1 リスクの特定
2.2 リスクアセスメントのアプローチ
2.2.1 製剤アプローチ
2.2.1.1 製剤
2.2.1.2 容器施栓系(Container Closure System:CCS)
2.2.2 構成成分アプローチ
2.2.2.1 原薬(Drug Substance)
2.2.2.2 添加剤(Excipients)
2.2.2.3 製造設備・機器(Manufacturing equipment)
2.2.2.4 ユーティリティ(Utilities)
2.2.2.5 容器施栓系(Container Closure Systems:CCS)
3. リスクアセスメントの評価及びまとめ
3.1 リスクアセスメントの評価
3.2 PDE値から濃度限界値への換算
3.2.1 4種類の換算方法(オプション)
3.2.2 オプション1
3.2.3 オプション2a
3.2.4 オプション2b
3.2.5 オプション3
3.3 リスクアセスメントのまとめ:結果の概括及び文書化
4. 管理戦略とライフサイクルマネジメント
4.1 管理
4.1.1 元素不純物がリスクアセスメントから除外されるもの
4.1.2 元素不純物が管理閾値未満の場合
4.1.3 元素不純物が管理閾値を超えるが,PDE値以下の場合
4.1.4 元素不純物がPDE値を超える場合
4.2 ライフサイクルマネジメント
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第5部 biological products及びnew modality領域における不純物対応
第15章 企業における不純物対応の実際【抗体医薬品】
はじめに
1. 細胞株工程
1.1 細胞株工程の不純物
1.1.1 細胞株工程に由来した不純物
1.1.2 目的物質(抗体)に由来した不純物
1.2 細胞株工程の不純物管理
1.2.1 ウイルス・マイコプラズマ試験
1.2.2 遺伝子解析
1.3 細胞株安定性試験
2. 培養工程
2.1 培養工程の不純物
2.1.1 培地由来不純物
2.1.1.1 抗生物質
2.1.1.2 消泡剤
2.1.2 抗体産生細胞由来の不純物
2.1.3 培養工程の混入汚染物質
2.1.4 目的タンパク質の変性
2.2 培養工程の不純物管理
2.2.1 生存率
2.2.2 消泡剤
2.2.3 凝集体
3. 精製工程
3.1 精製工程の不純物
3.1.1 DNA
3.1.2 宿主由来タンパク質
3.1.3 プロテインA
3.1.4 凝集体
3.1.5 ウイルス
3.2 精製工程の不純物管理
3.2.1 クロマトグラフィー
3.2.2 ウイルス
4. 原材料・環境
4.1 環境由来の混入汚染物質
4.2 元素不純物
4.3 Extractables(抽出物)/Leachables(浸出物)(E&L)
まとめ
第16章 核酸医薬品における不純物管理戦略の考え方・最新動向
はじめに
1. 核酸医薬品における品質関連の規制整備の状況
2. 品質関連ICHガイドラインと核酸医薬品への適用
2.1 原薬中の不純物
2.2 原薬ならびに製剤の安定性
2.3 製造工程の変更に伴う同等性/同質性の評価
2.4 出発物質の管理
2.5 核酸医薬品の有効成分の規格及び試験方法
2.6 オリゴヌクレオチド原薬の品質管理
3. オリゴヌクレオチド原薬の製造工程
3.1 固相合成~切り出し工程
3.2 精製~凍結乾燥工程
4. 核酸医薬品における不純物の分類
4.1 出発物質に含まれる不純物 ~提唱されるクラス分けと留意事項~
4.2 オリゴヌクレオチド原薬由来の不純物
4.2.1 核酸医薬品に含まれる原薬由来の不純物の一例
4.2.2 リン酸結合構造に由来する不純物
4.2.3 塩基構造に由来する不純物
4.2.4 オリゴヌクレオチド鎖長に由来する不純物
5. 核酸医薬品における不純物の管理戦略
5.1 オリゴヌクレオチド原薬の分析法の開発
5.2 オリゴヌクレオチド原薬に関連する閾値の考え方
5.3 不純物生成に関係する重要工程の理解
5.4 ICH Qカルテットに基づく不純物管理
5.5 オリゴヌクレオチド製造プロセス最適化に関連する検討項目例
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第6部 本邦における不純物管理の考え方とCMC申請
第17章 不純物関連の照会事項例と望まれる対応
はじめに
1. 不純物の規格値に係る照会事項例
2. 不純物の分析方法に係る照会事項例
3. 不純物の安全性に係る照会事項例
4. 不純物の製造工程における挙動に係る照会事項例
5. 不純物の管理戦略に係る照会事項例
6. 不純物の安定性に係る照会事項例
7. ICH Q3D関連の照会事項例
8. ICH M7関連の照会事項例
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第18章 不純物におけるCTD-Q作成時の留意事項と記載例
はじめに
1. CTD-Q及び不純物に関連するガイドラインについて
2. 原薬の不純物のセクションに記載する内容について
3. 不純物のセクションの記載例
3.1 有機不純物
3.1.1 潜在的な有機不純物のハザード評価
3.1.2 (潜在的)変異原性不純物(クラス2及びクラス3)
3.1.2.1 許容限度値及び判定基準
3.1.2.2 (潜在的)変異原性不純物の試験結果
3.1.2.3 (潜在的)変異原性不純物の管理戦略
3.1.2.3.1 (潜在的)変異原性不純物の管理戦略を支持するデータ
3.1.2.3.2 CP-6(出発物質,対掌体を含む)の管理戦略
3.1.2.3.3 CP-3,CP-4及びCP-5(各々の対掌体を含む)の管理戦略
3.1.2.3.4 ジアステレオマー(CP-6-D1及びCP-6-D2)の管理戦略
3.1.2.3.5 (潜在的)変異原性不純物の合計の管理戦略
3.1.3 類縁物質
3.1.3.1 類縁物質の試験結果
3.1.3.2 類縁物質の管理戦略
3.1.3.2.1 CP-8の管理戦略
3.1.3.2.2 CP-9-1(エチル類縁体)の管理戦略
3.1.3.2.3 CP-9-2の管理戦略
3.1.3.2.4 CP-9-3の管理戦略
3.1.4 光学異性体
3.1.4.1 対掌体(エナンチオマー,CP-9-E)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.2 ジアステレオマー(CP-9-D1)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.3 ジアステレオマー(CP-9-D2)の管理戦略を支持するデータ
3.1.4.4 キラル管理戦略の分析的証明
3.1.4.5 不純物の挙動実験
3.1.4.6 光学異性体の試験結果
3.1.4.7 光学異性体の管理戦略
3.2 残留溶媒
3.2.1 サクラミル原薬に混入する可能性のある溶媒の特定
3.2.2 残留溶媒の試験結果
3.2.3 残留溶媒の管理戦略
3.3 無機不純物
3.3.1 サクラミル原薬の元素不純物の潜在的な期限
3.3.2 潜在的元素不純物の特定
3.3.3 元素不純物のリスクアセスメント
3.3.3.1 元素不純物の試験結果
3.3.3.2 元素不純物のリスクアセスメントの結果
3.3.4 元素不純物の管理戦略
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