欧米規制/ICH Q3Eをふまえた
E&L(Extractables&Leachables)試験の
分析手法・安全性評価/管理閾値とリスク管理
~医薬品包装・容器/凍結乾燥製剤/バイオ・シングルユース/医療機器~
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発刊日 | 2025年5月29日 |
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体裁 | B5判並製本 約140頁 |
価格(税込)
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ISBNコード | 978-4-86428-340-3 |
Cコード | C3047 |
>> E&L試験の各種分析方手法(GC/MS・LC/MS・ICP)
>> E&Lの試験安全性評価・管理閾値とリスク管理の考え方・算出方法
>> FDAによるE&Lに関する重要事項と指摘事項
<本書のポイント>
▼E&Lにおける欧米の規制要件とその動向
・ICH-Q3E:医薬品及び生物製剤のE&Lガイドラインの重要ポイント
・EMAガイダンス,欧州薬局方(EP)
・米国薬局方(USP),米国:連邦規則コード,米国食品医薬品局(FDA)
・ワーキンググループ:Product Quality Research Institute(PQRI),
Bio-Process Systems Alliance(BPSA),BioPhorum Operations Group(BPOG))
▼医薬品包装・容器等におけるE&L試験の分析方手法と安全性評価・リスク管理
・ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)計:
抽出・溶出された不特定多数の「揮発性有機化合物」及び「半揮発性有機化合物」の推定
・液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)計:
抽出・溶出された不特定多数の「不揮発性有機化合物」及び,一部の「半揮発性有機化合物」の推定
・ICP 質量分析計:
抽出・溶出された不特定多数の「無機化合物」の定量が可能であり,要求される感度をクリアしている分析法
▼医薬品包装・容器等におけるE&Lの安全性評価・管理閾値とリスク管理の考え方と算出方法
・ICH Q3Eガイドライン(検討中)やPQRI による文書や,最近公開されたEMA による
非変異原性不純物に関するReflection paperを参考に、E&Lの安全性評価の基本的な考え方を解説
■変異原性・変異原性発がん性の評価:
TTC 以下で適切に管理・許容摂取量であるAcceptable intake(AI)の個別算出
■変異原性・変異原性発がん性以外のエンドポイント:
化合物の毒性に関する各種化学物質関連データベースを用いて情報を調査、論文の網羅検索
■許容量設定に十分なデータが得られない場合の対応:
デフォルト許容量としてTTC の適用が検討されている~経口投与、注射投与、吸入投与、皮膚投与など
■許容量設定に十分なデータが得られる場合の対応:
ICH Q3E では,ICH Q3D で一部導入されたAcceptable leve(l AL)と同様の考え方により、
製品特異的な許容量の導入が議論されている。
■許容量設定の基本的な考え方:
収集した毒性試験データを精査して重要な毒性を特定し,Pointof departure (POD)を特定、
種間及び個体間の変動性,毒性の重篤度の欠如に対して修正係数を適用。
▼バイオ医薬品:シングルユース、凍結乾燥製剤におけるるE&Lの影響とリスク評価
・シングルユース製品の製造に用いられた種々の化学物質(プラスチックの主成分であるポリマーや添加剤),
及びその派生物質(酸化物など)はE&Lはどのような物質が想定されるのか,その検出方法等を含めて解説
・FDAは,様々な条件下でLeachables(浸出物)が許容される安全限度内にとどまるように,
ワーストケースを想定した試験を重要視している。
・EMA が2005年に発出したガイドラインでは,包装資材と医薬品の相互作用リスクを評価するための
デシジョンツリーアプローチが採用されているが、凍結乾燥製剤ではリスク評価が必要になる可能性を言及。
▼医療機器におけるE&L試験の分析手法と安全性評価・リスク管理
・化学分析を中心とした医療機器におけるE&L試験分析による安全性評価手法の考え方を紹介
・医療機器の毒性学的リスクアセスメントの概要:ハザードを事前に評価し、そのハザードがもたらす
リスクについて予防を図るためのリスクアセスメントの方法を解説
▼E&L試験における申請時の留意点と当局指摘事例
・FDA がE&L に関して特に注目している重要事項を紹介するとともに,
実際にあった指摘事項の例を用いて解説
ICH-Q3E に含めるべき重要なポイントとしては,以下のようなものが考えられていた。まずは,プレフィルドシリンジを含む容器施栓系,定量吸入器・ペン型注射器を含むDelivery evices における評価全般と,Leachables(浸出物)の安全性に関連する閾値の整備。次に,一連の品質及び安全性についてのリスクの特定・評価・管理,シングルユースシステムを含む医薬品製造設備の評価,Extractables(抽出物)とLeachables(浸出物)並びにsimulation studyの実施内容,管理戦略,ライフサイクルマネジメント及び変更管理といった点がある。
■欧米のE&Lにおける規制の動向
医薬品中に混入されるE&L(Extractables & Leachables:抽出物・浸出物)は,ICHからICH-Q3E としてE&L のガイドラインが2020 年6 月30日付けで発表され2020年7月10日に委員会によって承認されているが,最終ガイドラインには至っておらず
今後の動向を注視する必要がある。現在日本においては,これらガイドラインはまだないが,EU や米国においてはすでに関係するガイドラインがそれぞれ規制当局によって定められており,現在のところ日本において医薬品を輸出するには各国の様々な規制に準ずる必要がある。
■医薬品のE&L試験における分析法と安全性評価・リスク管理
・GC/MS計を利用したE&L 試験と分析法
MSでは,検出されたピークについて保持時間だけでなく質量電荷比(m/z)の情報が得られ,マススペクトルから化合物を推定することが可能である。抽出・溶出された不特定多数の「揮発性有機化合物」及び「半揮発性有機化合物」の推定が可能であり,本節ではGC/MS を用いたE&L 試験の分析法を紹介する。
・LC/MS計を利用したE&L試験と分析法
ターゲットとなる化合物が決まっていない場合,化合物推定に用いることが困難である。保持時間だけでなく検出されたピークのm/z 情報も取得できる質量分析計(MS)は未知の化合物の推定に使用されるが,LCにおいても重宝される。抽出・溶出された不特定多数の「不揮発性有機化合物」及び,一部の「半揮発性有機化合物」の推定が可能であるLC/MS を用いたE&L の分析法を紹介する。
・ICP 質量分析計を利用したE&L試験と分析法
毒性情報はICH-Q3Dを参照とするため,E&L 試験においては,元素不純物試験と同等ないしそれ以上の感度が要求される。本節では抽出・溶出された不特定多数の「無機化合物」の定量が可能であり,要求される感度をクリアしているICP/MS を用いたE&L試験の分析法を紹介する。
■医薬品包装・容器等におけるE&Lの安全性評価・管理閾値とリスク管理
E&Lの安全性評価・管理閾値とリスク管理に関して,欧米では,米国FDA,米国薬局方(USP),PQRI,ELSIEなどの団体が独自に文書を作成・公表しているが,国際的に調和されたガイドライン・ガイダンスは存在しない。
本稿では,PQRI による文書や,2024/12に公開されたEMA による非変異原性不純物に関するReflection paperを参考に,
E&Lの安全性評価の基本的な考え方を解説する。なお,本稿執筆時点でICH Q3Eガイドライン作成が検討中であるが,未確定の部分もあり内容に変更が生じ得ることはご承知おき願いたい。
■変異原性・変異原性発がん性の評価
■変異原性・変異原性発がん性以外のエンドポイント
■許容量設定に十分なデータが得られない場合の対応
■許容量設定に十分なデータが得られる場合の対応
■許容量設定の基本的な考え方
■バイオ医薬品等でのシングルユースにおけるE&L の影響とリスク評価
Extractables(抽出物)は過酷条件下でシングルユース製品から内容液に移行する不純物であり,Leachables(浸出物)は実際の使用条件下でシングルユース製品から内容液に移行する不純物である。これらの不純物は,シングルユース製品の製造に用いられた種々の化学物質(プラスチックの主成分であるポリマーや添加剤),及びその派生物質(酸化物など)である。
E&Lは,患者の健康に影響を与える可能性があることから,必要かつ可能な範囲で特性を明らかにし,適切な管理範囲を設定する必要がある。本稿では,シングルユース製品に含まれるE&Lはどのような物質が想定されるのか,その検出方法等を含めて記述する。
■凍結乾燥製剤におけるE&L試験とその留意点
凍結乾燥製剤に関するE&L の規制フレームワーク:USP <1664>4)に概説されているFDA の規制ガイダンスでは,投与形態と投与経路に基づいてE&Lリスクを分類している。凍結乾燥医薬品の場合,固体状態での保管中の直接的な相互作用のリスクは低いと考えられているが,再溶解段階ではこれらのリスクが大幅に高まる。FDA は,様々な条件下でLeachables(浸出物)が許容される安全限度内にとどまるように,ワーストケースを想定した試験を重要視している。
■医療機器におけるE&L 分析― 化学分析を併用した生物学的安全性評価 ―
化学分析を中心とした医療機器におけるE&L試験分析による安全性評価手法の考え方を紹介する。
ハザードとは,ヒトの健康に不利益な影響を及ぼす原因となり得る要素であり,リスクはその発生確率及び重大さの組合せである。したがって,ハザード検出及びリスク評価を行うためには,実使用(又は曝露)条件を模したLeachables(浸出物)及び対象物質の溶解,材質への浸透等を重視した徹底・過酷抽出(Extractables(抽出物))の実施が必要である。
■医療機器のE&L試験と毒性学的リスクアセスメント
医療機器の生物学的安全性評価におけるアプローチのうち、化学的キャラクタリゼーション及びそれに基づいた毒性学的リスクアセスメントの概要について述べる。
毒性学的リスクアセスメント:E&L試験によって溶出される化学物質はそれぞれ固有の有害性を持つ。ハザード (危害)とは、物質固有の変わることのない性質であり、リスクとはそのようなハザードにばく露することによって引き起こされる帰結であり、ばく露の可能性によってそのリスクの大きさは変わるものである。本項ではハザードを事前に評価し、そのハザードがもたらすリスクについて予防を図るためのリスクアセスメントの方法について説明する。
■E&LにおけるFDA 要求と指摘事項例
FDA がE&L に関して特に注目している重要事項を紹介するとともに,実際にあった指摘事項の例を用いて解説する。
,FDA 担当者より紹介されたE&L 試験における重要事項を次項に示す。
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