バイオ医薬品及び注射剤における
不溶性異物/凝集体の評価・分析法
2020年4月1日より販売価格を半額(
監修 | (株)TKYクリエイト 代表取締役社長 吉森 孝行 氏 [元 中外製薬(株)] |
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発刊日 | 2010年4月27日 |
体裁 | B5判並製本 205頁 |
価格(税込)
各種割引特典
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24,750円
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送料は当社負担
アカデミー割引価格:17,325円(15,750円+税) |
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ISBNコード | ISBN978-4-903413-87-7 |
Cコード | C3047 |
他にはない、現場レベルの指南書!
著者
内野 智信 | 静岡県立大学 |
吉森 孝行 | (株)TKYクリエイト[元 中外製薬(株)] |
小松 守 | サーモフィッシャーサイエンティフィック(株) |
橋本 哲 | JFEテクノリサーチ(株) |
谷口 理 | (株)島津製作所 |
桜井 智宏 | シスメックス(株) |
書籍趣旨
しなしながら,これらバイオ医薬品の物性,及び製造プロセスには従来の低分子化合物医薬品と異なる様々な課題が存在する。
その課題の中でもペプチド,タンパク質の会合・凝集現象に伴う各バイオ医薬品に対する免疫原性の発生が,臨床試験中または上市後のタンパク医薬の医薬品としての是非をも左右する深刻な問題として大きな注目を集めている。
本章においては,各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の会合・凝集体の評価法,各種不溶性微粒子検査法の比較,そして各種不溶性異物・凝集体採取法の比較と各種同定法の説明を行い,最後に,私自身の経験に基づいた,不溶性異物・凝集体研究の現状と将来の展望についての見解を述べる。(第2章/吉森孝行 より抜粋)
目次
第1章 臨床上注意すべき不溶性異物(凝集体)
1. ゴム栓(コアリング)
1.1 コアリング発生メカニズムと臨床現場での現状について
1.2 コアリング分析例
2. ガラス
2.1 ガラス片混入のメカニズム
2.2 臨床現場での現状について
2.3 ガラス片の異物の報告例
3. 注射剤の配合変化による生成物
3.1 配合変化のメカニズムの臨床現場における配合変化対策の現状
3.2 配合変化事例
3.3 注射剤による配合変化物生成物およびモデル粒子の報告例
4. バイオ医薬品(抗体製剤,たんぱく質製剤)
4.1 バイオ医薬品の問題点と臨床現場とのギャップ
4.2 バイオ医薬品の投与の現状
第2章 バイオ医薬品・抗体医薬品における不溶性異物・凝集体研究の現状と将来の展望
1. 各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の会合・凝集体の評価法
1.1 SEC 法(Size Exclusion Chromatography:サイズ排除クロマトグラフィー)
1.2 FFF(Field Flow Fractionation:フィールドフロー分画)法
1.3 AUC(Analytical UltraCentrifugation:超遠心分析)法
2. 各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の不溶性微粒子試験法
2.1 光遮蔽粒子計数法(Light Extinction/Obscuration Analysis)(測定機器:HIAC)
2.2 顕微鏡粒子計数法(Manual Microscopic Analysis)
2.3 Micro flow digital imaging 法
3. 注射剤の不溶性異物検査法と各種不溶性異物・凝集体採取法の比較
3.1 注射剤の不溶性異物検査法
3.2 各種不溶性異物・凝集体採取法の比較
3.3 ろ過法
3.4 遠心分離法
3.5 直接採取法
3.6 Microfluidic Concentrator による不溶性異物・凝集体の採取法とその応用
4. 各種不溶性異物・凝集体同定法の説明
4.1 形態分析
4.2 分光学的分析法による分子レベルの分析
4.3 元素分析
4.3.1 定性的元素分析
4.3.2 定量的元素分析
5. おわりに
5.1 不溶性異物・凝集体同定のためのアプローチ法
5.2 不溶性異物・凝集体の種類とそれらの混入元・原因と生成メカニズム
5.3 各種タンパク質会合体及び凝集体試験法,不溶性微粒子試験法,
そして不溶性異物検査法のWorking range
第3章 分光法による異物分析同定とマイクロサンプリングのコツ
1. 赤外分光法
1.1 赤外吸収スペクトル
1.2 グループ振動
1.3 基準振動とは
1.3.1 基準振動の数
1.3.2 二原子分子
1.3.3 三原子分子
1.3.4 多原子分子
1.3.5 その他の振動
1.4 赤外吸収の選択律について
1.5 スペクトルの横軸
1.5.1 横軸の単位
1.5.2 なぜ横軸は「波数」か?
1.5.3 スペクトル分解能の設定
1.6 スペクトルの縦軸
1.6.1 透過率(% T,Transmittance)
1.6.2 吸光度(A,Absorbance)
1.7 スペクトルを読む前に
1.7.1 大気バックグラウンドの重なっていないスペクトルかどうか
1.7.2 適正なスペクトル強度かどうか
1.7.3 干渉縞の重なっていないスペクトルかどうか
1.7.4 どのような測定手法,アクセサリを使ったか
2. 顕微赤外分光法
2.1 赤外顕微鏡の光学系
2.1.1 カセグレン
2.1.2 検出器
2.1.3 アパーチャ
2.2 マイクロサンプリング
2.2.2 赤外透過性窓板
2.2.3 ダイヤモンドコンプレッションセル
2.2.4 プローブ,ナイフ
2.2.5 サファイヤナイフ
2.2.6 静電気除去ピストル
2.2.7 マイクロマニピュレータ
2.2.8 マイクロインジェクター
2.2.9 ミクロトーム
2.2.10 ミニプレーン
2.2.11 傾斜切削機
2.2.12 金属メンブレンフィルター
2.3 微小試料を高感度で分析するには
2.3.1 試料による赤外光の屈折や拡散
2.3.2 アパーチャの大きさと分析感度
2.3.3 対物鏡の倍率と分析感度
2.3.4 ATR の高屈折率を利用する
3. ラマン分光法
3.1 ラマン散乱の発見
3.2 ラマン分光で利用する光
3.3 ラマンと赤外 分子の振動数を取得する方法の違い
3.3.1 赤外分光
3.3.2 ラマン分光
3.4 ラマン活性と赤外活性
3.5 ラマン活性の特性を利用した分析例
3.6 ラマンスペクトルから分かること
3.7 分光方法の種類
3.7.1 分散型ラマン
3.7.2 FT- ラマン
3.8 結晶状態の分析
3.9 顕微ラマンの空間分解能の限界
3.10 レーザ波長
3.10.1 ラマン散乱光の強度
3.10.2 スペクトル波長の違い
4. コンフォーカル(共焦点)光学系による深さ分析
4.1 コンフォーカルアパーチャ
4.2 対物レンズの機能
4.3 コンフォーカル光学系による深さ分析の注意
4.3.1 ラマン活性の強い層の影響
4.3.2 レーザを吸収・発熱する層がある場合
4.3.3 レーザを反射する層がある場合
4.3.4 深さによる空間分解能の違い
4.3.5 表面の細かい凹凸の影響
4.3.6 フォトブリーチング
4.4 分析深さの計算
4.4.1 中間層の屈折率の求め方
4.5 コンフォーカル光学系を用いた深さ分析例
4.5.1 ラミネートフィルムの分析
4.5.2 ガラス中の異物の分析
4.6 コンフォーカル機能と断面作成による深さ分析の違い
4.6.1 断面作成の考察
5. 赤外スペクトルで識別困難な物質をラマンスペクトルで解決する。
5.1 タンパク質と合成ポリアミドの識別
5.1.1 赤外スペクトル
5.1.2 ラマンスペクトル
5.2 無機物識別
5.3 炭酸塩の識別
5.3 石英とガラスの識別
5.4 カーボンの識別
6. 注射液中不溶性異物の分析
6.1 サンプリング
6.1.1 ろ過法
6.1.2 遠心分離法
6.1.3 直接採取法
6.2 Microfluidic concentrator(液中微粒子濃縮セル)による採取
6.2.1 顕微ラマンの分析
6.2.2 顕微赤外の分析
第4章 SEM、EDXによる異物分析評価および定性分析のコツ
1. はじめに
2. SEM像とEDX分析の基礎
2.1 SEM像とEDX分析
2.2 SEM観察とEDX分析用の試料調整
3. 極低加速SEMの利点
4. 薬剤のSEM-EDXを用いた観察・分析の実例
5. 異物解析のための新表面観察・分析技術の基礎
5.1 極低加速電子の試料中でのふるまいとSEM像
5.1.1 SEMに見られる各種の像
5.1.2 SEMで観察する情報の深さ
5.1.3 絶縁物における表面帯電を低減した観察
5.1.4 EDX分析
6. 極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)の特徴を表す観察事例
6.1 極低加速電圧走査電子顕微鏡
6.2 ULV-SEMによる観察例
6.2.1 低加速電圧を利用した表面構造の観察例
6.2.2 蒸着処理をしないで観察できる絶縁物の例
6.2.3 物質の違いの観察例
6.2.4 ULV-SEMに組み合わせたEDX分析技術
7. その他の新しいSEM関連の表面分析・観察技術
8. まとめ
第5 章 ICP 分析法による金属異物の分析のコツ
1. 元素分析方法の比較
1.1 蛍光X 線分析法(XRF:X-ray Fluorescence Spectrometry)
1.2 原子吸光分光光度法(AAS:Atomic Absorption Spectroscopy)
1.2.1 フレーム法
1.2.2 電気加熱法(ファーネス)法
1.3 ICP 発光分光分析法(ICP-AES(OES):Inductively Coupled Plasma Atomic(Optical)
1.3.1 ICP の原理
1.3.2 試料導入部
1.3.3 分光部
1.3.4 分光器内の雰囲気
1.3.5 プラズマの観測方法
1.3.6 高感度化への対応
1.3.6.1 超音波ネブライザー
1.3.6.2 水素化物発生法
1.4 ICP 質量分析法(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)
2. ICP で分析するための試料前処理法
2.1 試料前処理法の種類と一般的な注意点
2.2 試料分解に用いる酸の種類とその性質
2.3 汚染の低減
2.3.1 試料前処理時の汚染
2.3.2 分析室からの汚染
2.3.3 測定装置内の汚染
2.3.4 操作ブランク(処理ブランク)
3. ICP-AES による定性分析と定量分析
3.1 定性分析
3.2 定量分析
3.2.1 検量線法
3.2.2 標準添加法
3.3 ICP-AES における干渉と補正法
3.3.1 物理干渉
3.3.2 物理干渉の対策
3.3.3 イオン化干渉
3.3.4 イオン化干渉に対する対策
3.3.5 分光干渉
3.3.6 分光干渉の対策
4. 分析値の信頼性を確保するための確認方法
4.1 検出下限・定量下限
4.2 添加回収試験
4.4 メモリー試験(Memory Test)
4.5 検量線,ドリフトの評価
4.6 操作ブランク(Preparation Blank)
4.7 繰り返し測定(DUP:Duplicate)
4.8 ブランクチェック(ICB :Initial Calibration Blank),(CCB:Continuing Calibration Blank)
5. 分析例の紹介
5.1 輸液製剤中の微量Al の分析8)
5.2 有機溶媒希釈による粉末試料の分析
5.3 粉乳の酸分解による分析例
5.4 固形試料(ポリエチレン樹脂)の分析
5.5 生物試料
第6章 フロー式粒子像分析装置による液中微粒子の評価
1. 不溶性異物,凝集体の測定方法
2. 画像解析法の特徴と粗大・異物粒子の測定原理
2.1 画像解析法
2.2 画像解析法の特徴
2.3 測定原理と注意点
2.3.1 試料の準備
2.3.2 粒子画像の撮像
2.3.3 画像変換(量子化)
2.3.4 デジタル画像処理
2.3.5 画像解析(特徴量抽出)
2.3.6 統計解析
2.4 フロー式画像解析法
3. 測定事例
3.1 タンパク質の凝集体の評価
3.2 シリンジから溶出したシリコーンの評価
3.3 製剤(クロスカルメロース)の形状評価
3.4 吸入薬の凝集状態評価
第7章 その他の分析法
1. 動的光散乱法による,ナノ粒子測定
1.1 特長
1.2 測定原理
1.3 測定装置
1.4 DLS を利用する際の注意点
1.5 測定事例(poly-NIPAAm の凝集活性)
2. ゼータ電位による,微粒子分散状態の評価
2.1 ゼータ電位の特長
2.2 ゼータ電位測定の原理
2.3 ゼータ電位を測定する際の注意点
2.4 測定事例
2.4.1 遺伝子デリバリー ナノカプセルの評価
2.4.2 顔料の分散性評価
———<監修の紹介>———————————————————————————————————
(株)TKYクリエイト 代表取締役社長 Ph.D. 吉森 孝行 [元 中外製薬(株)]
【主な研究・業務】
University of South Carolinaで博士号(Biochemistry)を取得後、中外製薬(株)に入社。研究開発のDDSグループに配属され機能性Nano particleの研究を行うとともに、旧通産省の機能性融合タンパク質プロジェクトにて人工白血球の研究を行った。その後、開発研究に9年間携わり、特に抗体医薬品の生物活性評価法全般、及び不溶性異物の同定法の検討と生成メカニズムの解明に携わった。
また分析ロボットを用いての、全自動ELISA法を始めとするマイクロプレート測定系の構築、及びハイスループット処方検討法を創製する、とともに実験操作の全自動化を実現するための新規ラボラトリーオートメーションシステムの創製を行った。
さらに、キャピラリー電気泳動、チップ電気泳動、2次元電気泳動法等を用いてのEPO、CSF、そして各種ヒト化抗体の新規評価法の構築に携わるとともに、Protein A、Host cell protein、Host cell DNA、そしてシバクロンブルー等のバイオ医薬品の開発研究そして申請において必須の各種不純物測定において、感度、精度、簡易性、そして価格の何れの要因においても明らかに従来技術を上回る新規定量法の構築を行った。
2008年12月 中外製薬(株)退職後、現在は分析法開発、医薬品研究開発に関するコンサルティングを行っている。
著者
内野 智信 | 静岡県立大学 |
吉森 孝行 | (株)TKYクリエイト[元 中外製薬(株)] |
小松 守 | サーモフィッシャーサイエンティフィック(株) |
橋本 哲 | JFEテクノリサーチ(株) |
谷口 理 | (株)島津製作所 |
桜井 智宏 | シスメックス(株) |
書籍趣旨
しなしながら,これらバイオ医薬品の物性,及び製造プロセスには従来の低分子化合物医薬品と異なる様々な課題が存在する。
その課題の中でもペプチド,タンパク質の会合・凝集現象に伴う各バイオ医薬品に対する免疫原性の発生が,臨床試験中または上市後のタンパク医薬の医薬品としての是非をも左右する深刻な問題として大きな注目を集めている。
本章においては,各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の会合・凝集体の評価法,各種不溶性微粒子検査法の比較,そして各種不溶性異物・凝集体採取法の比較と各種同定法の説明を行い,最後に,私自身の経験に基づいた,不溶性異物・凝集体研究の現状と将来の展望についての見解を述べる。(第2章/吉森孝行 より抜粋)
目次
第1章 臨床上注意すべき不溶性異物(凝集体)
1. ゴム栓(コアリング)
1.1 コアリング発生メカニズムと臨床現場での現状について
1.2 コアリング分析例
2. ガラス
2.1 ガラス片混入のメカニズム
2.2 臨床現場での現状について
2.3 ガラス片の異物の報告例
3. 注射剤の配合変化による生成物
3.1 配合変化のメカニズムの臨床現場における配合変化対策の現状
3.2 配合変化事例
3.3 注射剤による配合変化物生成物およびモデル粒子の報告例
4. バイオ医薬品(抗体製剤,たんぱく質製剤)
4.1 バイオ医薬品の問題点と臨床現場とのギャップ
4.2 バイオ医薬品の投与の現状
第2章 バイオ医薬品・抗体医薬品における不溶性異物・凝集体研究の現状と将来の展望
1. 各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の会合・凝集体の評価法
1.1 SEC 法(Size Exclusion Chromatography:サイズ排除クロマトグラフィー)
1.2 FFF(Field Flow Fractionation:フィールドフロー分画)法
1.3 AUC(Analytical UltraCentrifugation:超遠心分析)法
2. 各種バイオ医薬品中のペプチド/ タンパク質の不溶性微粒子試験法
2.1 光遮蔽粒子計数法(Light Extinction/Obscuration Analysis)(測定機器:HIAC)
2.2 顕微鏡粒子計数法(Manual Microscopic Analysis)
2.3 Micro flow digital imaging 法
3. 注射剤の不溶性異物検査法と各種不溶性異物・凝集体採取法の比較
3.1 注射剤の不溶性異物検査法
3.2 各種不溶性異物・凝集体採取法の比較
3.3 ろ過法
3.4 遠心分離法
3.5 直接採取法
3.6 Microfluidic Concentrator による不溶性異物・凝集体の採取法とその応用
4. 各種不溶性異物・凝集体同定法の説明
4.1 形態分析
4.2 分光学的分析法による分子レベルの分析
4.3 元素分析
4.3.1 定性的元素分析
4.3.2 定量的元素分析
5. おわりに
5.1 不溶性異物・凝集体同定のためのアプローチ法
5.2 不溶性異物・凝集体の種類とそれらの混入元・原因と生成メカニズム
5.3 各種タンパク質会合体及び凝集体試験法,不溶性微粒子試験法,
そして不溶性異物検査法のWorking range
第3章 分光法による異物分析同定とマイクロサンプリングのコツ
1. 赤外分光法
1.1 赤外吸収スペクトル
1.2 グループ振動
1.3 基準振動とは
1.3.1 基準振動の数
1.3.2 二原子分子
1.3.3 三原子分子
1.3.4 多原子分子
1.3.5 その他の振動
1.4 赤外吸収の選択律について
1.5 スペクトルの横軸
1.5.1 横軸の単位
1.5.2 なぜ横軸は「波数」か?
1.5.3 スペクトル分解能の設定
1.6 スペクトルの縦軸
1.6.1 透過率(% T,Transmittance)
1.6.2 吸光度(A,Absorbance)
1.7 スペクトルを読む前に
1.7.1 大気バックグラウンドの重なっていないスペクトルかどうか
1.7.2 適正なスペクトル強度かどうか
1.7.3 干渉縞の重なっていないスペクトルかどうか
1.7.4 どのような測定手法,アクセサリを使ったか
2. 顕微赤外分光法
2.1 赤外顕微鏡の光学系
2.1.1 カセグレン
2.1.2 検出器
2.1.3 アパーチャ
2.2 マイクロサンプリング
2.2.2 赤外透過性窓板
2.2.3 ダイヤモンドコンプレッションセル
2.2.4 プローブ,ナイフ
2.2.5 サファイヤナイフ
2.2.6 静電気除去ピストル
2.2.7 マイクロマニピュレータ
2.2.8 マイクロインジェクター
2.2.9 ミクロトーム
2.2.10 ミニプレーン
2.2.11 傾斜切削機
2.2.12 金属メンブレンフィルター
2.3 微小試料を高感度で分析するには
2.3.1 試料による赤外光の屈折や拡散
2.3.2 アパーチャの大きさと分析感度
2.3.3 対物鏡の倍率と分析感度
2.3.4 ATR の高屈折率を利用する
3. ラマン分光法
3.1 ラマン散乱の発見
3.2 ラマン分光で利用する光
3.3 ラマンと赤外 分子の振動数を取得する方法の違い
3.3.1 赤外分光
3.3.2 ラマン分光
3.4 ラマン活性と赤外活性
3.5 ラマン活性の特性を利用した分析例
3.6 ラマンスペクトルから分かること
3.7 分光方法の種類
3.7.1 分散型ラマン
3.7.2 FT- ラマン
3.8 結晶状態の分析
3.9 顕微ラマンの空間分解能の限界
3.10 レーザ波長
3.10.1 ラマン散乱光の強度
3.10.2 スペクトル波長の違い
4. コンフォーカル(共焦点)光学系による深さ分析
4.1 コンフォーカルアパーチャ
4.2 対物レンズの機能
4.3 コンフォーカル光学系による深さ分析の注意
4.3.1 ラマン活性の強い層の影響
4.3.2 レーザを吸収・発熱する層がある場合
4.3.3 レーザを反射する層がある場合
4.3.4 深さによる空間分解能の違い
4.3.5 表面の細かい凹凸の影響
4.3.6 フォトブリーチング
4.4 分析深さの計算
4.4.1 中間層の屈折率の求め方
4.5 コンフォーカル光学系を用いた深さ分析例
4.5.1 ラミネートフィルムの分析
4.5.2 ガラス中の異物の分析
4.6 コンフォーカル機能と断面作成による深さ分析の違い
4.6.1 断面作成の考察
5. 赤外スペクトルで識別困難な物質をラマンスペクトルで解決する。
5.1 タンパク質と合成ポリアミドの識別
5.1.1 赤外スペクトル
5.1.2 ラマンスペクトル
5.2 無機物識別
5.3 炭酸塩の識別
5.3 石英とガラスの識別
5.4 カーボンの識別
6. 注射液中不溶性異物の分析
6.1 サンプリング
6.1.1 ろ過法
6.1.2 遠心分離法
6.1.3 直接採取法
6.2 Microfluidic concentrator(液中微粒子濃縮セル)による採取
6.2.1 顕微ラマンの分析
6.2.2 顕微赤外の分析
第4章 SEM、EDXによる異物分析評価および定性分析のコツ
1. はじめに
2. SEM像とEDX分析の基礎
2.1 SEM像とEDX分析
2.2 SEM観察とEDX分析用の試料調整
3. 極低加速SEMの利点
4. 薬剤のSEM-EDXを用いた観察・分析の実例
5. 異物解析のための新表面観察・分析技術の基礎
5.1 極低加速電子の試料中でのふるまいとSEM像
5.1.1 SEMに見られる各種の像
5.1.2 SEMで観察する情報の深さ
5.1.3 絶縁物における表面帯電を低減した観察
5.1.4 EDX分析
6. 極低加速電圧走査電子顕微鏡(ULV-SEM)の特徴を表す観察事例
6.1 極低加速電圧走査電子顕微鏡
6.2 ULV-SEMによる観察例
6.2.1 低加速電圧を利用した表面構造の観察例
6.2.2 蒸着処理をしないで観察できる絶縁物の例
6.2.3 物質の違いの観察例
6.2.4 ULV-SEMに組み合わせたEDX分析技術
7. その他の新しいSEM関連の表面分析・観察技術
8. まとめ
第5 章 ICP 分析法による金属異物の分析のコツ
1. 元素分析方法の比較
1.1 蛍光X 線分析法(XRF:X-ray Fluorescence Spectrometry)
1.2 原子吸光分光光度法(AAS:Atomic Absorption Spectroscopy)
1.2.1 フレーム法
1.2.2 電気加熱法(ファーネス)法
1.3 ICP 発光分光分析法(ICP-AES(OES):Inductively Coupled Plasma Atomic(Optical)
1.3.1 ICP の原理
1.3.2 試料導入部
1.3.3 分光部
1.3.4 分光器内の雰囲気
1.3.5 プラズマの観測方法
1.3.6 高感度化への対応
1.3.6.1 超音波ネブライザー
1.3.6.2 水素化物発生法
1.4 ICP 質量分析法(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)
2. ICP で分析するための試料前処理法
2.1 試料前処理法の種類と一般的な注意点
2.2 試料分解に用いる酸の種類とその性質
2.3 汚染の低減
2.3.1 試料前処理時の汚染
2.3.2 分析室からの汚染
2.3.3 測定装置内の汚染
2.3.4 操作ブランク(処理ブランク)
3. ICP-AES による定性分析と定量分析
3.1 定性分析
3.2 定量分析
3.2.1 検量線法
3.2.2 標準添加法
3.3 ICP-AES における干渉と補正法
3.3.1 物理干渉
3.3.2 物理干渉の対策
3.3.3 イオン化干渉
3.3.4 イオン化干渉に対する対策
3.3.5 分光干渉
3.3.6 分光干渉の対策
4. 分析値の信頼性を確保するための確認方法
4.1 検出下限・定量下限
4.2 添加回収試験
4.4 メモリー試験(Memory Test)
4.5 検量線,ドリフトの評価
4.6 操作ブランク(Preparation Blank)
4.7 繰り返し測定(DUP:Duplicate)
4.8 ブランクチェック(ICB :Initial Calibration Blank),(CCB:Continuing Calibration Blank)
5. 分析例の紹介
5.1 輸液製剤中の微量Al の分析8)
5.2 有機溶媒希釈による粉末試料の分析
5.3 粉乳の酸分解による分析例
5.4 固形試料(ポリエチレン樹脂)の分析
5.5 生物試料
第6章 フロー式粒子像分析装置による液中微粒子の評価
1. 不溶性異物,凝集体の測定方法
2. 画像解析法の特徴と粗大・異物粒子の測定原理
2.1 画像解析法
2.2 画像解析法の特徴
2.3 測定原理と注意点
2.3.1 試料の準備
2.3.2 粒子画像の撮像
2.3.3 画像変換(量子化)
2.3.4 デジタル画像処理
2.3.5 画像解析(特徴量抽出)
2.3.6 統計解析
2.4 フロー式画像解析法
3. 測定事例
3.1 タンパク質の凝集体の評価
3.2 シリンジから溶出したシリコーンの評価
3.3 製剤(クロスカルメロース)の形状評価
3.4 吸入薬の凝集状態評価
第7章 その他の分析法
1. 動的光散乱法による,ナノ粒子測定
1.1 特長
1.2 測定原理
1.3 測定装置
1.4 DLS を利用する際の注意点
1.5 測定事例(poly-NIPAAm の凝集活性)
2. ゼータ電位による,微粒子分散状態の評価
2.1 ゼータ電位の特長
2.2 ゼータ電位測定の原理
2.3 ゼータ電位を測定する際の注意点
2.4 測定事例
2.4.1 遺伝子デリバリー ナノカプセルの評価
2.4.2 顔料の分散性評価
———<監修の紹介>———————————————————————————————————
(株)TKYクリエイト 代表取締役社長 Ph.D. 吉森 孝行 [元 中外製薬(株)]
【主な研究・業務】
University of South Carolinaで博士号(Biochemistry)を取得後、中外製薬(株)に入社。研究開発のDDSグループに配属され機能性Nano particleの研究を行うとともに、旧通産省の機能性融合タンパク質プロジェクトにて人工白血球の研究を行った。その後、開発研究に9年間携わり、特に抗体医薬品の生物活性評価法全般、及び不溶性異物の同定法の検討と生成メカニズムの解明に携わった。
また分析ロボットを用いての、全自動ELISA法を始めとするマイクロプレート測定系の構築、及びハイスループット処方検討法を創製する、とともに実験操作の全自動化を実現するための新規ラボラトリーオートメーションシステムの創製を行った。
さらに、キャピラリー電気泳動、チップ電気泳動、2次元電気泳動法等を用いてのEPO、CSF、そして各種ヒト化抗体の新規評価法の構築に携わるとともに、Protein A、Host cell protein、Host cell DNA、そしてシバクロンブルー等のバイオ医薬品の開発研究そして申請において必須の各種不純物測定において、感度、精度、簡易性、そして価格の何れの要因においても明らかに従来技術を上回る新規定量法の構築を行った。
2008年12月 中外製薬(株)退職後、現在は分析法開発、医薬品研究開発に関するコンサルティングを行っている。
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