eBookebook番号:EP173a(開発段階バリデーション)
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【製本版+ebook版】
開発段階に応じた
バリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理
-プロセス/分析法バリデーション-
<<各開発段階で誰もが思う疑問に答える>>
~3極規制要件・QbDに基づく取り組み・品質リスクマネジメントを念頭においた~
<3極規制が求めているデータ、その範囲、そして妥当性を示すとは何か>
~最大10アカウントまでダウンロード可能・ブラウザ閲覧対応~
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配信開始日 | 2023年11月29日 |
---|---|
フォーマット | 製本版+ebook版(PDF) ※ebook版は、PDF (印刷・データコピー不可) WEBブラウザ上または専用アプリケーション(bookend)より閲覧可能です ※製本版とebook版の内容は同一です |
体裁 | B5判 上製本 737頁(製本版) B5 PDF 737頁(ebook版) |
価格(税込)
各種割引特典
|
66,000円
( E-Mail案内登録価格 62,700円 )
S&T会員登録とE-Mail案内登録特典について
定価:本体60,000円+税6,000円
E-Mail案内登録価格:本体57,000円+税5,700円
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アカデミー割引価格 46,200円(42,000円+税) |
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アカウント数 | アカウント数 :10アカウント 【アカウントの追加方法】 ※購入者以外に最大9アカウントまで追加可能(無料) ※購入者を除いた10名様でのアカウントを希望の際は、申込の際の「備考欄(通信欄)」にご記入ください。 |
閲覧期間 | 無期限 |
オフライン閲覧 | 可能 |
対応OS・デバイス | Win・Macの両OS、スマートフォン・読書端末(iPhone,iPadなど) |
注意事項 | ebookのダウンロードは、S&T会員「マイページ」内で行いますので、S&T会員登録(無料)が必須です。 |
ISBNコード | 978-4-86428-303-8 |
Cコード | C3047 |
~著者の経験則・国内外査察対応(事例)・根拠となる規制/文献提示で納得~
◎3 極での規制文書から見る開発段階における変更・変更管理
→開発段階における変更・変更管理に係る各種規制文書とその対応
◎治験段階に応じた品質管理~規格設定・類縁物質管理・安定性など
→規格は何を根拠に設定するか,安定性はどこまで保証すべきか
◎開発段階に応じたプロセス及び分析法バリデーション実施
■プロセスバリデーション
→各開発段階で治験薬に求められる品質保証の観点からバリデーション・ベリフィケーションを
考えることが必要
■分析法バリデーション
→分析法バリデーションの各治験段階における対応についてまとめて示した。
審査官は初期段階の臨床用製剤の安全性を評価する試験の妥当性に焦点を当てている点に
留意すべき。
◎リスクマネジメントを基礎としたQuality by Design 手法と具体的な取り組み
→リスク評価結果に基づいた品質の作り込みとライフサイクルを通じた継続的改善方法
◎3極規制要件をふまえた上市後の変更管理(ICH Q12,承認後変更管理実施計画書)
→開発段階でどのようなデータを取得し,リスクを基にした工程の科学的な理解ができているか
<ポイント詳細>
【QbD に基づく製剤開発の手順】 Step 1: 期待・要求されている製品の品質の明確化 Step 2: QTPP を達成するために製剤が有すべき特性の明確化 Step 3: CQA に影響を及ぼす可能性のある要因の明確化と影響度の具体的な評価 Step 4: Step 3 の結果に基づいた品質保証のための対策(Risk Control) Step 5: 製剤の品質確保のため手順のまとめ Step 6: 管理戦略(製剤設計)の妥当性を上市後も継続して検証 このStep 1 からStep 6までの取り組みのポイントは,品質リスクマネジメントの考え方に基づくものとすることであり,このQbD の取り組みと品質リスクマネジメントとのかかわりは,次のように理解することができる。通常医薬品の品質・製造プロセスに影響を与える因子は数多くあり、この数多い影響因子を網羅的に検討することは,時間的にも,コスト的にも,人材面からも企業にとり大きな負担となる。このプロセスを客観的・効率的に実施するための指針となるものが,品質リスクマネジメントということであり,そこに含まれ各種手法を理解し活用することが重要となる。
製剤処方,剤形,品質規格とその管理幅,品質試験法,製造プロセス,場合によっては,原薬自体(結晶形や粒度等の物理的・化学的特性)の変更が発生する。開発をスムーズに進め,製造承認を得るためには,この変更をいかに適切に進めるかが,大きなカギとなる。本章では,開発段階における変更・変更管理に係る各種規制文書の内容について紹介する。開発段階の重要な試験で使用された製剤が異なる場合,その妥当性を示すことが求められる。 では,この“妥当性を示す”とは,どういうことか。
各開発段階で具体的にどのようにして規格項目・規格幅等を設定するかについて紹介する。 この設定は,通常製剤開発の段階でどのような検討が行われているか,どのくらいのデータがあるのか, それと規制上の要求を考慮して決まることになる。 【非臨床試験段階の規格及び規格幅の設定】 ・Phase 1 段階における規格及び規格幅の設定 ・Phase 2 段階における規格及び規格幅の設定 ・Phase 3 段階における規格及び規格幅の設定 ・不純物・類縁物質・分解物に対する考え方
【プロセスバリデーション】 段階的な取り組みを踏まえた上で,各開発段階で治験薬に求められる品質保証の観点からバリデーション・ベリフィケーションを考えることが必要となる。バリデーションというと,すぐに3ロットの連続製造で実施する,と考える人が多いが,開発段階においては3ロットの製造よりも,プロセスが適切に理解され,管理された状態にあることを示すことが重要だと筆者は考えている。 【分析法バリデーション】 Phase 1段階については,バリデーションは必要ないが,目的とする品質を評価するのに科学的に妥当(つまり,特異性,感度,真度)で信頼できる結果もたらすものでなければならない,つまりバリデーションではなく,クオリフィケーション(適格性)が求められるということである。特に,Phase 1の段階において,審査官は初期段階の臨床用製剤の安全性を評価する試験の妥当性に焦点を当てている点に留意すべきである。 本書では、分析法バリデーションの各治験段階における対応についてまとめて示した。 開発段階でもPhase 3もしくは申請用安定性試験を実施する際には,ICH Q2(R1)ガイドライン42)が求める分析法バリデーションが必要となるが,それ以外では各治験の目的に合わせて,製剤が持つべき品質を科学的に妥当性をもって評価できるように,適格性データを取得すべきであろう。FDAは,Phase 3までに分析法をバリデートすることを強く推奨している。 FDA は,製品開発すべての段階で分析(アッセイ)バリデーションデータを要求することができるが,NDA/BLA までバリデーションデータを提出することは要求しない。
製造販売承認申請の資料は,日米欧3極で合意したCTDの形式にしたがって作成される。その結果,各極への同時申請も可能となるが,後述するように,モジュール1のパートの内容は,一部各極で異なっている。また,モジュール1からモジュール4までの取り扱い(章立て,項目は調和されている)についても各極で異なっている。 本章では,治験開始のための手続き,製造販売承認申請資料の作成,そして上市後の変更管理について規制上の視点から紹介する。 このICH Q12 ガイドラインは,ライフサイクルマネジメントガイドラインと呼ばれているが,それはライフサイクルを通したバリデーションの中にも記載されているように,開発段階から上市後までの製品品質対する一貫した取り組みの最終的なまとめともいえるものであると筆者は考えており,開発段階からこの手続きを十分理解し・活用することで,効率的な変更管理が可能になる。 |
概要
医薬品開発は,高度な技術と経験が求められるリスクの高いビジネスといわれている。その理由の1つを陸上のリレー競技に例えることで理解することができる。リレー競技では,第一走者から次走者にいかにうまくバトンを渡して,そして最終ゴールのテープを切るかが勝利の鍵となる。もちろん個々の走者の能力も求められる。
医薬品開発も,活性物質の探索・合成から始まり,非臨床試験,治験,そして製造販売承認申請へと順次バトンをつないで,そして承認というゴールテープを切ることになる。医薬品開発がリレーと異なる点をCMC の視点からみると,こうした走者が変わる中で,製剤処方・品質(規格項目や規格幅,規制要件等)が変わっていくことにある。
そして,いかにしてこうした変更を適切に実施するかが,最終的にゴールテープを切るための極めて重要なポイントとなる。もちろん開発初期から最終段階までを変更なしで対応することが理想であるが,本書で述べるように成功リスクが低い中で,各企業はその段階に応じた取り組みを行うことが,最適な手順ということができる。言い換えれば,開発段階に応じた対応・変更管理が,医薬品開発のリスク低減につながるとともに成否の鍵を握っているといっても過言ではない。例えば,開発初期段階の取り組みは,遵守すべき規制文書も
限られており,どのような対応をとるべきかは各社の判断によるところとなる。その結果,もし判断を誤ると開発の遅延や失敗につながることになる。一方,開発が進むにつれて変更管理は,各種規制に準拠したより厳密な対応が求められることになり,そうした最新の規制に対する理解も必要となっている。
本書は,医薬品開発における変更そして変更管理に視点を置きながら,特に新薬開発のプロセス全般について紹介することを意図している。そこには候補薬物の選択(Pre-Formulation)や添加剤の選択,Scale-up,同等性や一貫性,治験薬への対応,承認申請書における記載,そして上市後の変更管理など一連の活動が含まれている。こうしたテーマについて,開発担当者の視点に立って筆者の経験を中心に解説するが,読者がオリジナル資料にアクセスできるように配慮している。なお,本書では活性成分の探索・合成の段階については対象としていない。本書が,少しでも研究開発・製造現場に研究者・技術者の皆さんの医薬品開発・製剤開発プロセスの理解につながり,有用な医薬品を一刻も早く患者さんの手元に届けるための手助けとなることを願っている。
2023 年11 月吉日
著者
NANO MRNA(株) 顧問 宮嶋 勝春 氏 |
【専門/主な業務】 |
製剤開発(内服固形製剤、DDS製剤など)、製剤の技術移管、 |
医薬品製造工場におけるGMP及び査察対応 |
【称号】 |
2015年5月 製剤の達人 (日本薬剤学会) |
【学協会の活動】 |
•1999年〜2000年 日本薬学会 評議員 |
•2002年〜2004年 ISPE日本支部 理事 |
•2011年〜2016年 製剤機械技術学会 理事 |
•2016年〜2020年 日本薬剤学会 評議員 |
【略歴】 |
1979.4‐2000.2 ゼリア新薬工業㈱ 製剤研究所/中央研究所(医療用医薬品、OTC製品の製剤開発) |
1983.2‐1985.10 米国Utah大学薬学部留学(経皮吸収製剤の研究) |
2000.3‐2006.3 テルモ㈱研究開発センター(リポソーム製剤の開発と技術移管) |
2006.4‐2008.7 奥羽大学薬学部(製剤学、物理薬剤学担当) |
2008.8‐2016.5 武州製薬㈱製造技術部(技術移管、Process Validation、査察対応) |
2016.6‐2017.5 製剤機械技術学会 事務局長 |
2017.6‐2021.6 ナノキャリア㈱ 研究部 部長 |
2021.7‐2023.6 ナノキャリア㈱ 取締役 監査等委員 |
2023.7‐現在 NANO MRNA㈱(旧ナノキャリア㈱) 顧問 |
書籍趣旨
本書の章立て第1章 『医薬品開発の現状と取り巻く環境』
|
目次
第1章 医薬品開発の現状と取り巻く環境
1. 医薬品産業・医薬品開発の現状
2. 合成医薬品(新薬)開発の課題
3. 後発医薬品開発の課題
4. バイオ医薬品・バイオシミラー開発の課題
5. ベンチャー企業の取り組み
6. アンメットメディカルニーズと希少疾病用医薬品
7. 製薬企業の今後の姿
第2章 医薬品の品質・製造プロセスにおける
リスクマネジメントを基礎としたQuality by Design 手法と具体的な取り組み
~リスク評価結果に基づいた品質の作り込みとライフサイクルを通じた継続的改善~
1. GMP・Validation,そしてQuality by Design に基づく医薬品開発へ
1.1 GMP とバリデーションに基づく品質保証
1.1.1 GMP とは何か
1.1.2 なぜValidation が必要となったのか
1.1.3 1987 年バリデーションガイドラインの問題点
1.2 GMP・Process Validation からQuality by Design へ
1.3 Quality by Design に基づく開発とは
1.4 Quality by Design のPros and Cons(光と影)
2. QbD の基本となる品質リスクマネジメントとは?
2.1 品質リスクマネジメント実施手順
2.2 リスクの洗い出し(リスク特定)
2.3 リスクの数値化(スコア化)(リスク分析)と知識管理
2.4 リスクをどう評価するか(リスク分析とリスク評価)
2.5 リスクコントロール
2.6 リスクコミュニケーションとリスクレビュー
2.7 品質リスクマネジメントに関するQ&A
3. プロセスの科学的な理解-実験計画法と最適化-
3.1 工程の科学的な理解に対する実験計画法の活用
3.2 最適化条件探索のための実験計画法
3.3 複数の品質の同時最適化の考え方
3.3.1 数学的なモデルを用いた最適化
3.3.2 重ね合わせの原理を利用した最適化
4. Design Space が果たす役割と変更管理
4.1 Altan らの資料に見るQ&A
4.2 FDA の文書にみるQ&A
5. バリデーションを通したライフサイクルマネジメント
6. 製剤開発における管理戦略
7. QbD における「より進んだ方法」とPAT
8. QbD 申請における規制当局からの照会事項
9. Analytical Quality by Design(AQbD)の導入
10. ICH 品質リスクマネジメントガイドラインの改定
第3章 3 極での規制文書から見る開発段階における変更・変更管理
~ ICH ガイドライン/ 治験薬/GMP/GQP ~
1. 開発段階における変更管理
1.1 ICH Q8 ガイドラインに見る変更管理
1.2 ICH Q9 ガイドラインに見る変更管理
1.3 ICH Q10 ガイドラインに見る変更管理
1.4 変更管理に関するガイドライン(案)に見る変更管理
1.5 治験薬GMP に見る変更管理
1.6 IQ Consortium における議論
2. 生産段階における変更管理
2.1 GMP 省令に見る変更管理
2.2 GQP 省令に見る変更管理
2.3 ICH Q12 ガイドラインに見る変更管理
2.4 GMP 事例集(2022)に見る変更管理
3. 米国の医薬品開発・製造に係る変更管理
4. EU における医薬品開発・製造に係る変更管理
第4章 原薬(高活性原薬)の製造プロセス・工程管理・品質評価項目・規格における
開発段階に応じた変更の取り組み
1. 医薬品原薬への道のり
2. 医薬品原薬のための検討課題
2.1 製造方法の確立
・出発物質がなぜ問題となるのか
2.2 原薬の製造コスト
2.3 製剤化に適した原薬
・無菌原薬の製造
2.4 高活性原薬とは
2.5 原薬製造ラインの洗浄バリデーション
2.6 製造所の決定
2.7 承認申請(MF 制度)と照会対応
2.8 承認取得後の変更管理
3. 原薬製造に関わる法規制
3.1 原薬の名称
3.2 原薬のGHS 分類とSDS
3.2.1 GHS 分類
3.2.2 (M)SDS
3.3 CAS 番号
4. 医薬品の特許
1)物質特許
2)用途特許
3)製剤特許
4)製法特許
5. 新たな創薬技術
5.1 新たな創薬シーズ探索技術
6. 原薬製造の将来
7. 今後の創薬ターゲット
第5章 品質リスクを考慮したプレフォーミュレーション段階での検討
~製剤の品質リスクを考慮した塩,結晶多形,添加剤,in vitro-in vivo 相関性(IVIVC)~
1. プレフォーミュレーションとは何か
1.1 どの塩を選ぶか
1.2 原薬の結晶多形をどう評価するか
1.3 原薬の融点
2. プレフォーミュレーション - 添加剤の選択と評価-
2.1 添加剤の役割とその選択
2.2 添加剤の種類とその役割
2.3 添加剤に求められる特性・品質
2.4 添加剤をどう選択するか
2.5 添加剤と異物混入問題
2.6 添加剤の相互作用
2.7 申請書にどう記載するか
2.8 添加剤を変更する場合の対応
3. 製剤開発の効率化に役立つ3 つの薬物分類
3.1 生物薬剤学分類システム(BCS)
3.2 Developability Classification System(DCS)
3.3 Manufacturing Classification System(MCS)
4. 安定性に関する評価
5. プレフォーミュレーションにおける生物薬剤学的な評価
5.1 製剤の消化管内移動
5.2 in vitro-in vivo 相関性(IVIVC)
第6章 治験段階に応じた品質管理ー規格設定・類縁物質管理・安定性ー
~規格は何を根拠に設定するか,安定性はどこまで保証すべきか~
1. 医薬品開発における治験とは
2. 医薬品の品質とは何か
3. 規格(規格値)をどのように設定するか
4. 非臨床試験における製剤の品質
5. 治験段階における製剤の段階的な取り組み
5.1 Phase 0 試験(マイクロドーズ試験・探索P1 試験)
5.2 Phase 1 試験(臨床薬理試験)
5.3 Phase 2 試験(探索的臨床試験)
5.4 Phase 3 試験(検証的臨床試験)
5.5 ピボタル(Pivotal)試験
5.6 Placebo(プラセボ)製剤
5.7 治験薬に求められる包装
6. 治験段階における製剤の品質-規格・類縁物質・標準物質-
6.1 非臨床試験段階の規格及び規格幅の設定
6.2 Phase 1 段階における規格及び規格幅の設定
6.3 Phase 2 段階における規格及び規格幅の設定
6.4 Phase 3 段階における規格及び規格幅の設定
6.5 不純物・類縁物質・分解物に対する考え方
6.6 標準物質設定の考え方
7. 治験段階における製剤の安定性
7.1 安定性の評価・予測法
7.2 治験段階における安定性
7.3 輸送期間中の安定性
7.4 使用現場及び元封開封後の安定性
7.5 申請(上市後)における安定性
7.6 Stability Indicating Method(SIM)とは何か
7.7 Accelerated Stability Assessment Program(ASAP)の活用
8. 製剤の変更と同等性試験
9. 日本的品質とは何か
第7章 開発段階(治験薬GMP/ 医薬品GMP)に応じた
プロセス及び分析法バリデーション実施と変更管理・文書管理
~開発の各段階の目的,求められている規制要件,そして製品の特徴を理解した対応~
1. 治験薬製造と治験薬GMP
1.1 治験薬GMP の歴史と問題点
1.2 治験薬GMP に関する代表的なQ & A
1.3 治験薬GMP と医薬品GMP の違い
1.4 治験薬GMP と査察
2. 米国・欧州における治験薬
2.1 米国における治験薬製造
2.2 欧州における治験薬製造
3. プロセスバリデーションへの対応
4. 分析法バリデーションへの対応
5. 交叉汚染対策(洗浄バリデーションへの対応)
6. 変更管理・文書管理への対応
7. 治験薬の保管
8. 海外での治験薬製造の留意点
第8章 3極規制要件をふまえた治験届・製造販売承認申請書の作成と上市後の変更管理
(ICH Q12,承認後変更管理実施計画書)
~開発段階でどのようなデータを取得し,リスクを基にした工程の科学的な理解ができているか~
1. 治験開始のための手続き
1.1 対面助言と日本における治験開始の手順と必要書類
1.2 米国における治験開始の手順と必要書類
1.3 欧州における治験開始の手順と必要書類
2. Common Technical Documen(CTD)と承認申請
2.1 Common Technical Documents(CTD)の構成
2.2 承認申請書の製造方法への記載
2.2.1 目標値・設定値
2.2.2 目標値・設定値導入の背景
2.3 承認申請書との齟齬
3. 一部変更承認申請(一変)と軽微変更
4 ICH Q12 ガイドラインと上市後の変更管理
4.1 Established Conditions(EC)
4.2 承認後変更管理実施計画書(PACMP)
5. 製造販売承認申請に伴う審査手順
5.1 優先審査制度
5.2 条件付き早期承認制度
5.3 条件・期限付き早期承認制度
5.4 特例承認制度
5.5 緊急承認制度
5.6 先駆け審査指定制度
5.7 標準事務処理期間
5.8 初回面談
5.9 陳述・署名・資料の保存
第9章 開発段階におけるデータの信頼性確保(信頼性基準,Data Integrity への対応)
1. 信頼性の基準とは何か
2. Data Integrity に関する指摘事項と品質システム
3. 適合性調査で何を確認するか
第10章 バイオ医薬品開発に求められる各種規制と開発段階における変更管理及び「同等性/同質性」
1. バイオ医薬品開発の現状
1.1 バイオ医薬品とは何か
1.2 バイオ医薬品の種類
2. バイオ医薬品開発に関係する各種規制
3. バイオ医薬品の品質と製造
3.1 バイオ医薬品の品質上の特徴
3.3 バイオ医薬品における標準品(物質)の考え方
3.4 QbD に基づくバイオ医薬品の開発
3.5 バイオ医薬品の製造上の特徴
3.6 バイオ医薬品製造ラインの洗浄・洗浄バリデーション
3.7 バイオ医薬品の安定性
4. バイオシミラー開発上の課題
4.1 バイオシミラー開発の特徴
4.2 バイオシミラーの品質
4.3 バイオシミラーの将来展望
第11章 創薬モダリティと医薬品開発
1. 創薬モダリティ(modality)とは何か
2. 規制面から見た新たな創薬モダリティに対する我が国の取り組み
3. 新たな創薬モダリティの作用メカニズム
3.1 抗体医薬品
3.2 核酸医薬
3.3 mRNA 医薬品
3.4 ペプチド医薬品とタンパク医薬品
3.5 遺伝子治療
3.6 細胞治療
3.7 再生医療
4. これからの創薬モダリティ
5. 製剤製造に係る新たな取り組み
5.1 連続生産
5.2 インライン品質管理(PAT)
5.3 3 次元プリンティングシステムによる製剤製造
5.4 製剤製造の今後
6.医薬品の安定供給
概要
医薬品開発は,高度な技術と経験が求められるリスクの高いビジネスといわれている。その理由の1つを陸上のリレー競技に例えることで理解することができる。リレー競技では,第一走者から次走者にいかにうまくバトンを渡して,そして最終ゴールのテープを切るかが勝利の鍵となる。もちろん個々の走者の能力も求められる。
医薬品開発も,活性物質の探索・合成から始まり,非臨床試験,治験,そして製造販売承認申請へと順次バトンをつないで,そして承認というゴールテープを切ることになる。医薬品開発がリレーと異なる点をCMC の視点からみると,こうした走者が変わる中で,製剤処方・品質(規格項目や規格幅,規制要件等)が変わっていくことにある。
そして,いかにしてこうした変更を適切に実施するかが,最終的にゴールテープを切るための極めて重要なポイントとなる。もちろん開発初期から最終段階までを変更なしで対応することが理想であるが,本書で述べるように成功リスクが低い中で,各企業はその段階に応じた取り組みを行うことが,最適な手順ということができる。言い換えれば,開発段階に応じた対応・変更管理が,医薬品開発のリスク低減につながるとともに成否の鍵を握っているといっても過言ではない。例えば,開発初期段階の取り組みは,遵守すべき規制文書も
限られており,どのような対応をとるべきかは各社の判断によるところとなる。その結果,もし判断を誤ると開発の遅延や失敗につながることになる。一方,開発が進むにつれて変更管理は,各種規制に準拠したより厳密な対応が求められることになり,そうした最新の規制に対する理解も必要となっている。
本書は,医薬品開発における変更そして変更管理に視点を置きながら,特に新薬開発のプロセス全般について紹介することを意図している。そこには候補薬物の選択(Pre-Formulation)や添加剤の選択,Scale-up,同等性や一貫性,治験薬への対応,承認申請書における記載,そして上市後の変更管理など一連の活動が含まれている。こうしたテーマについて,開発担当者の視点に立って筆者の経験を中心に解説するが,読者がオリジナル資料にアクセスできるように配慮している。なお,本書では活性成分の探索・合成の段階については対象としていない。本書が,少しでも研究開発・製造現場に研究者・技術者の皆さんの医薬品開発・製剤開発プロセスの理解につながり,有用な医薬品を一刻も早く患者さんの手元に届けるための手助けとなることを願っている。
2023 年11 月吉日
著者
NANO MRNA(株) 顧問 宮嶋 勝春 氏 |
【専門/主な業務】 |
製剤開発(内服固形製剤、DDS製剤など)、製剤の技術移管、 |
医薬品製造工場におけるGMP及び査察対応 |
【称号】 |
2015年5月 製剤の達人 (日本薬剤学会) |
【学協会の活動】 |
•1999年〜2000年 日本薬学会 評議員 |
•2002年〜2004年 ISPE日本支部 理事 |
•2011年〜2016年 製剤機械技術学会 理事 |
•2016年〜2020年 日本薬剤学会 評議員 |
【略歴】 |
1979.4‐2000.2 ゼリア新薬工業㈱ 製剤研究所/中央研究所(医療用医薬品、OTC製品の製剤開発) |
1983.2‐1985.10 米国Utah大学薬学部留学(経皮吸収製剤の研究) |
2000.3‐2006.3 テルモ㈱研究開発センター(リポソーム製剤の開発と技術移管) |
2006.4‐2008.7 奥羽大学薬学部(製剤学、物理薬剤学担当) |
2008.8‐2016.5 武州製薬㈱製造技術部(技術移管、Process Validation、査察対応) |
2016.6‐2017.5 製剤機械技術学会 事務局長 |
2017.6‐2021.6 ナノキャリア㈱ 研究部 部長 |
2021.7‐2023.6 ナノキャリア㈱ 取締役 監査等委員 |
2023.7‐現在 NANO MRNA㈱(旧ナノキャリア㈱) 顧問 |
書籍趣旨
本書の章立て第1章 『医薬品開発の現状と取り巻く環境』
|
目次
第1章 医薬品開発の現状と取り巻く環境
1. 医薬品産業・医薬品開発の現状
2. 合成医薬品(新薬)開発の課題
3. 後発医薬品開発の課題
4. バイオ医薬品・バイオシミラー開発の課題
5. ベンチャー企業の取り組み
6. アンメットメディカルニーズと希少疾病用医薬品
7. 製薬企業の今後の姿
第2章 医薬品の品質・製造プロセスにおける
リスクマネジメントを基礎としたQuality by Design 手法と具体的な取り組み
~リスク評価結果に基づいた品質の作り込みとライフサイクルを通じた継続的改善~
1. GMP・Validation,そしてQuality by Design に基づく医薬品開発へ
1.1 GMP とバリデーションに基づく品質保証
1.1.1 GMP とは何か
1.1.2 なぜValidation が必要となったのか
1.1.3 1987 年バリデーションガイドラインの問題点
1.2 GMP・Process Validation からQuality by Design へ
1.3 Quality by Design に基づく開発とは
1.4 Quality by Design のPros and Cons(光と影)
2. QbD の基本となる品質リスクマネジメントとは?
2.1 品質リスクマネジメント実施手順
2.2 リスクの洗い出し(リスク特定)
2.3 リスクの数値化(スコア化)(リスク分析)と知識管理
2.4 リスクをどう評価するか(リスク分析とリスク評価)
2.5 リスクコントロール
2.6 リスクコミュニケーションとリスクレビュー
2.7 品質リスクマネジメントに関するQ&A
3. プロセスの科学的な理解-実験計画法と最適化-
3.1 工程の科学的な理解に対する実験計画法の活用
3.2 最適化条件探索のための実験計画法
3.3 複数の品質の同時最適化の考え方
3.3.1 数学的なモデルを用いた最適化
3.3.2 重ね合わせの原理を利用した最適化
4. Design Space が果たす役割と変更管理
4.1 Altan らの資料に見るQ&A
4.2 FDA の文書にみるQ&A
5. バリデーションを通したライフサイクルマネジメント
6. 製剤開発における管理戦略
7. QbD における「より進んだ方法」とPAT
8. QbD 申請における規制当局からの照会事項
9. Analytical Quality by Design(AQbD)の導入
10. ICH 品質リスクマネジメントガイドラインの改定
第3章 3 極での規制文書から見る開発段階における変更・変更管理
~ ICH ガイドライン/ 治験薬/GMP/GQP ~
1. 開発段階における変更管理
1.1 ICH Q8 ガイドラインに見る変更管理
1.2 ICH Q9 ガイドラインに見る変更管理
1.3 ICH Q10 ガイドラインに見る変更管理
1.4 変更管理に関するガイドライン(案)に見る変更管理
1.5 治験薬GMP に見る変更管理
1.6 IQ Consortium における議論
2. 生産段階における変更管理
2.1 GMP 省令に見る変更管理
2.2 GQP 省令に見る変更管理
2.3 ICH Q12 ガイドラインに見る変更管理
2.4 GMP 事例集(2022)に見る変更管理
3. 米国の医薬品開発・製造に係る変更管理
4. EU における医薬品開発・製造に係る変更管理
第4章 原薬(高活性原薬)の製造プロセス・工程管理・品質評価項目・規格における
開発段階に応じた変更の取り組み
1. 医薬品原薬への道のり
2. 医薬品原薬のための検討課題
2.1 製造方法の確立
・出発物質がなぜ問題となるのか
2.2 原薬の製造コスト
2.3 製剤化に適した原薬
・無菌原薬の製造
2.4 高活性原薬とは
2.5 原薬製造ラインの洗浄バリデーション
2.6 製造所の決定
2.7 承認申請(MF 制度)と照会対応
2.8 承認取得後の変更管理
3. 原薬製造に関わる法規制
3.1 原薬の名称
3.2 原薬のGHS 分類とSDS
3.2.1 GHS 分類
3.2.2 (M)SDS
3.3 CAS 番号
4. 医薬品の特許
1)物質特許
2)用途特許
3)製剤特許
4)製法特許
5. 新たな創薬技術
5.1 新たな創薬シーズ探索技術
6. 原薬製造の将来
7. 今後の創薬ターゲット
第5章 品質リスクを考慮したプレフォーミュレーション段階での検討
~製剤の品質リスクを考慮した塩,結晶多形,添加剤,in vitro-in vivo 相関性(IVIVC)~
1. プレフォーミュレーションとは何か
1.1 どの塩を選ぶか
1.2 原薬の結晶多形をどう評価するか
1.3 原薬の融点
2. プレフォーミュレーション - 添加剤の選択と評価-
2.1 添加剤の役割とその選択
2.2 添加剤の種類とその役割
2.3 添加剤に求められる特性・品質
2.4 添加剤をどう選択するか
2.5 添加剤と異物混入問題
2.6 添加剤の相互作用
2.7 申請書にどう記載するか
2.8 添加剤を変更する場合の対応
3. 製剤開発の効率化に役立つ3 つの薬物分類
3.1 生物薬剤学分類システム(BCS)
3.2 Developability Classification System(DCS)
3.3 Manufacturing Classification System(MCS)
4. 安定性に関する評価
5. プレフォーミュレーションにおける生物薬剤学的な評価
5.1 製剤の消化管内移動
5.2 in vitro-in vivo 相関性(IVIVC)
第6章 治験段階に応じた品質管理ー規格設定・類縁物質管理・安定性ー
~規格は何を根拠に設定するか,安定性はどこまで保証すべきか~
1. 医薬品開発における治験とは
2. 医薬品の品質とは何か
3. 規格(規格値)をどのように設定するか
4. 非臨床試験における製剤の品質
5. 治験段階における製剤の段階的な取り組み
5.1 Phase 0 試験(マイクロドーズ試験・探索P1 試験)
5.2 Phase 1 試験(臨床薬理試験)
5.3 Phase 2 試験(探索的臨床試験)
5.4 Phase 3 試験(検証的臨床試験)
5.5 ピボタル(Pivotal)試験
5.6 Placebo(プラセボ)製剤
5.7 治験薬に求められる包装
6. 治験段階における製剤の品質-規格・類縁物質・標準物質-
6.1 非臨床試験段階の規格及び規格幅の設定
6.2 Phase 1 段階における規格及び規格幅の設定
6.3 Phase 2 段階における規格及び規格幅の設定
6.4 Phase 3 段階における規格及び規格幅の設定
6.5 不純物・類縁物質・分解物に対する考え方
6.6 標準物質設定の考え方
7. 治験段階における製剤の安定性
7.1 安定性の評価・予測法
7.2 治験段階における安定性
7.3 輸送期間中の安定性
7.4 使用現場及び元封開封後の安定性
7.5 申請(上市後)における安定性
7.6 Stability Indicating Method(SIM)とは何か
7.7 Accelerated Stability Assessment Program(ASAP)の活用
8. 製剤の変更と同等性試験
9. 日本的品質とは何か
第7章 開発段階(治験薬GMP/ 医薬品GMP)に応じた
プロセス及び分析法バリデーション実施と変更管理・文書管理
~開発の各段階の目的,求められている規制要件,そして製品の特徴を理解した対応~
1. 治験薬製造と治験薬GMP
1.1 治験薬GMP の歴史と問題点
1.2 治験薬GMP に関する代表的なQ & A
1.3 治験薬GMP と医薬品GMP の違い
1.4 治験薬GMP と査察
2. 米国・欧州における治験薬
2.1 米国における治験薬製造
2.2 欧州における治験薬製造
3. プロセスバリデーションへの対応
4. 分析法バリデーションへの対応
5. 交叉汚染対策(洗浄バリデーションへの対応)
6. 変更管理・文書管理への対応
7. 治験薬の保管
8. 海外での治験薬製造の留意点
第8章 3極規制要件をふまえた治験届・製造販売承認申請書の作成と上市後の変更管理
(ICH Q12,承認後変更管理実施計画書)
~開発段階でどのようなデータを取得し,リスクを基にした工程の科学的な理解ができているか~
1. 治験開始のための手続き
1.1 対面助言と日本における治験開始の手順と必要書類
1.2 米国における治験開始の手順と必要書類
1.3 欧州における治験開始の手順と必要書類
2. Common Technical Documen(CTD)と承認申請
2.1 Common Technical Documents(CTD)の構成
2.2 承認申請書の製造方法への記載
2.2.1 目標値・設定値
2.2.2 目標値・設定値導入の背景
2.3 承認申請書との齟齬
3. 一部変更承認申請(一変)と軽微変更
4 ICH Q12 ガイドラインと上市後の変更管理
4.1 Established Conditions(EC)
4.2 承認後変更管理実施計画書(PACMP)
5. 製造販売承認申請に伴う審査手順
5.1 優先審査制度
5.2 条件付き早期承認制度
5.3 条件・期限付き早期承認制度
5.4 特例承認制度
5.5 緊急承認制度
5.6 先駆け審査指定制度
5.7 標準事務処理期間
5.8 初回面談
5.9 陳述・署名・資料の保存
第9章 開発段階におけるデータの信頼性確保(信頼性基準,Data Integrity への対応)
1. 信頼性の基準とは何か
2. Data Integrity に関する指摘事項と品質システム
3. 適合性調査で何を確認するか
第10章 バイオ医薬品開発に求められる各種規制と開発段階における変更管理及び「同等性/同質性」
1. バイオ医薬品開発の現状
1.1 バイオ医薬品とは何か
1.2 バイオ医薬品の種類
2. バイオ医薬品開発に関係する各種規制
3. バイオ医薬品の品質と製造
3.1 バイオ医薬品の品質上の特徴
3.3 バイオ医薬品における標準品(物質)の考え方
3.4 QbD に基づくバイオ医薬品の開発
3.5 バイオ医薬品の製造上の特徴
3.6 バイオ医薬品製造ラインの洗浄・洗浄バリデーション
3.7 バイオ医薬品の安定性
4. バイオシミラー開発上の課題
4.1 バイオシミラー開発の特徴
4.2 バイオシミラーの品質
4.3 バイオシミラーの将来展望
第11章 創薬モダリティと医薬品開発
1. 創薬モダリティ(modality)とは何か
2. 規制面から見た新たな創薬モダリティに対する我が国の取り組み
3. 新たな創薬モダリティの作用メカニズム
3.1 抗体医薬品
3.2 核酸医薬
3.3 mRNA 医薬品
3.4 ペプチド医薬品とタンパク医薬品
3.5 遺伝子治療
3.6 細胞治療
3.7 再生医療
4. これからの創薬モダリティ
5. 製剤製造に係る新たな取り組み
5.1 連続生産
5.2 インライン品質管理(PAT)
5.3 3 次元プリンティングシステムによる製剤製造
5.4 製剤製造の今後
6.医薬品の安定供給
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