CO2の分離回収・有効利用技術
◎CCUSに関わる世界の動向と、特許情報から読み解くCO2資源化技術の開発動向および技術トレンド
◎CO2を分離・回収する要素技術開発、各手法の技術的整理とコスト、期待される材料と新規プロセス
◎回収したCO2を資源として有効に活用するために、期待される用途・分野の技術開発動向と応用展望
発刊日 | 2022年6月28日 |
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体裁 | B5判並製本 262頁 |
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ISBNコード | 978-4-86428-284-0 |
Cコード | C3058 |
地球規模の気候変動・環境破壊対策に向けて急務となる、温室効果ガスの大半を占めるCO2の排出抑制・削減技術。
大気中に放出されるCO2をどのように分離・回収し、集めたCO2を新たな資源としてどのように有効活用するべきか。
悲願の「カーボンニュートラル」実現に向け、全人類が取り組むべきCO2の分離回収・有効利用技術を徹底解説。
▼カーボンニュートラル達成に向け、動き出した世界
2021年7月に欧州委員会(EC)が公表した政策パッケージ「Fit for 55」や、2021年10月~11月に開催された国連気候変動枠組条約 第26回締約国会合(COP26)および、その成果である「グラスゴー気候協定」を中心に、温室効果ガスの排出量削減に向けた世界各国の現状と課題を解説。
さらに、「CO2固定化・有効利用技術」関連の特許について、特許庁が公開している1998~2015年分以降である、2016年以降、ここ数年の主要5ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国)の特許出願動向を調査・解析。技術分類別の出願傾向や、各国が注力する技術トレンドなどを紹介。
▼低炭素社会から脱炭素社会へ、CO2の分離・回収技術とその持続的貯留・固定技術
燃焼排ガスや大気中からCO2を分離・回収する各手法の技術的整理とプロセスへの適用およびそのコスト。高度な分離・回収に寄与する材料技術と性能評価、高機能化に向けた更なる研究開発とその展望を解説。
CO2の貯留技術として半世紀近い歴史をもつ石油増進回収(EOR)をはじめとするCCSの事業とコストの概観から、海水電解によるCO2の持続的固定化技術や、コンクリートなど炭酸塩鉱物としてのCO2の固定や再利用技術など、持続的な貯留・固定技術を紹介。
▼CO2を資源として活用する、カーボンリサイクル技術の開発動向と期待される用途分野
エネルギー貯蔵技術として水素と組み合わせるメタネーション技術、プラスチックなど炭素をマテリアルとして化学的に利用する技術、人工光合成や炭酸塩鉱物化、施設園芸・植物工場での施用技術など、CO2の有効利用が期待される用途・分野とその技術開発動向を幅広く解説。
▼高効率・低コスト・省エネなどプロセスの環境負荷低減に寄与する技術開発
超臨界二酸化炭素(sc-CO2)を活用した高分子の高次構造改質技術とCO2分離膜や熱電変換・太陽電池の材料開発への応用、CO2からの物質合成におけるエネルギー高効率化に寄与する低温作動プロセス、CO2を炭酸カルシウムとして海洋中に固定する電解技術、CO2資源化触媒の高効率化・低コスト化に寄与するプラズマ科学など、環境対応に向けた技術開発動向も掲載。
概要
【目次抜粋】 第1章 CCUSに関わる世界の動向 ・カーボンニュートラル達成のためのロードマップとCCUSに関わる国内外の動向 第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド ・主要5ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国)の最新の特許出願動向とその解析 第3章 CO2の分離・回収技術 第1節 CO2の分離・回収技術概論 第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向 第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向 第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向 第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向 第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用 第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望 第4章 CO2の有効利用技術 第1節 CO2の利用技術概論 第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術 第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術 第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化 第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス 第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学 第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向 第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術 第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例 |
各章の内容紹介 <本文抜粋>
「第1章 CCUSに関わる世界の動向」
2021年10月31日(日)~11月13日(土)の間,英国グラスゴーにおいて,国連気候変動枠組条約第26回締約国会合(COP26)が開催された。日本からは,岸田文雄内閣総理大臣が世界リーダーズ・サミットに出席し,2030年までの期間を「勝負の10年」と位置づけ,全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけている。また,山口壯環境大臣が2週目の閣僚級交渉に出席したほか,外務省,環境省,経済産業省,財務省,文部科学省,農林水産省,国土交通省,金融庁,林野庁,気象庁の関係者が参加した。……(中略)
このように,今回のCOP26では,2030年に向けてのCO2排出量削減への取り組み,さらには,2050年のカーボンニュートラルを目指して,各国間,各企業間で多くの駆け引きが見られた。様々な有志連合からの声明発表に加え,石炭の使用をめぐり最後まで交渉を重ねた結果,COP26に参加した197カ国・地域は成果文書「グラスゴー気候合意」を採択した。その「グラスゴー気候合意」の概略は以下の通り野心的な内容となっている。……(本文へ続く)
「第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド」
特許情報に基づくCO2資源化技術開発動向・技術トレンドに関して,特許庁が「平成29年度特許出願動向調査報告書」にて詳細を報告している。この調査報告書は1998~2015年にかけての国内外の公開特許に基づいている。
今回の特許調査では,2015年までの出願傾向との違いを意識して,2016年以降の国内外における特許調査を行った結果と解析である。特に,ここ数年の主要5 ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国,以降は日米欧中韓と表記)における特許技術のトレンドがどんなものであるかを読み解くことを念頭に解析を行った。……(本文へ続く)
第3章 CO2の分離・回収技術
「第1節 CO2 の分離・回収技術概論」
2020年7月に開催された第1回グリーンイノベーション戦略推進会議ワーキンググループにNEDO技術戦略研究センターから提出された資料では,2050年のCO2分離回収の世界市場は10兆円規模と予測されており,その費用内訳としてプラント設備費が6~7割,残りが分離材などである。現状は,日本のプラントエンジニアリング企業が世界市場において技術的に優位であり,高いシェアを持っている。いずれの企業も固有の分離材技術とそれを活かすプラントシステムとの組み合わせによる分離回収技術を垂直統合的に保有しており,特許件数の多さにも直結している。一方,欧米や中国などでも独自の技術開発が推進されており,今後の競争激化が見込まれる。……(中略)
CO2は主に炭素を含む燃料の燃焼によって発生するが,集中排出源は煙道で回収箇所は明確であり,発電所や工場であれば数%~20%前後の濃度がある。一方,民生部門に分散した小型の給湯器や自動車から小規模・間欠的に排出されるCO2の回収は非効率的であり,排出元では10%程度あっても,大気へ放出されれば数百ppmまで希釈されることになる。分離に必要な最小動力(エクセルギー)はloge(濃縮後のCO2圧力/被分離ガス中のCO2分圧)に比例するため,大気圧で100%のCO2を得ようとすれば,400ppm の大気からでは10%の煙道よりも最低でも3.4倍のエクセルギーが必要となる。一般的に,CO2濃度はもちろん,分離材に影響を与えうる微量な夾雑成分を含む全組成,圧力・流量・温度とそれらの変動幅などの「被分離ガスの条件」と,99%以上の純度が必須の地下貯留やドライアイス・溶接などの直接利用(ただし,年100万t 程度の国内需要),あるいは数%程度の残存成分を許容するCCUなど,「分離後の用途の要求条件」の双方を考慮して分離回収技術が選択される。……(本文へ続く)
「第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向」
本節では,CO2分離・回収用途向けの吸着剤としての多孔性材料開発の動向について,①炭素系材料,②シリカ/ゼオライト,③金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks:MOF)に分類し,最近の研究に焦点を当てながら概説する。……(本文へ続く)
「第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向」
原理的には省エネルギーであるが,そもそも目的とする分離が実際に可能な分離膜がなければ適用できないので,膜分離法では分離膜の材料開発が非常に重要である。さらに,欠陥のない薄膜を大面積の膜に加工する技術,有効な分離膜モジュールへの成形技術も不可欠である。膜分離法では操作圧力などの条件も目的ガスの濃度に影響する。圧縮機や真空ポンプなどのコストも操作条件で大きく変わるため,プロセスの設計やユーティリティの有効活用がプロセス全体の効率を左右する。材料開発から加工技術,そしてプロセス設計まで幅広い技術開発が必要である。
本節では,高分子膜のガス透過とCO2分離の基礎,製膜技術,操作条件の影響を概説する。そして,実装の可能性が高い分離膜を中心に高分子膜によるCO2/N2分離の技術動向を概観する。……(本文へ続く)
「第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向」
「第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向」
「第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用」
「第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望」
そこで,海洋をCO2固定化による炭酸カルシウムの製造の場とすることを検討している。「ミネラル豊富」な海水の工業的な利用は,古くから多くの取り組みがされている。高濃度のNaCl水溶液とのイメージが強い海水ではあるが,実際には多くのカチオンを含む過飽和水溶液であり,海水からマグネシウム塩やウラン酸塩を抽出する取り組みもよく知られている。そのなかで,海水中に溶け込んだCO2は,ヘンリーの法則に従って大気中のCO2と平衡状態を保っている。さらに溶存CO2は海水との反応により炭酸イオン(CO32-)や重炭酸イオン(HCO3-)と平衡状態にある。そのため,海水中に炭酸カルシウムを生成させ,その結果減少した溶存CO2を補う形で大気中からCO2が海水に吸収される,というのが本技術の大まかなスキームとなる。このスキームを実現するための取り組みを紹介したい。……(本文へ続く)
第4章 CO2の有効利用技術
「第1節 CO2の利用技術概論」
カーボンリサイクル技術ロードマップには,分離回収後の利用分類として,直接利用,貯留およびカーボンリサイクルが記載されている。高純度CO2の直接利用は溶接,ドライアイス,炭酸飲料のサーバーなどの用途があるが,国内では1 Mtpa(Mtpaは百万t/年の単位)程度であり,前述の国内CO2 総排出量の1/1,000程度にすぎない。
本節では,直接利用を除く貯留(CCS)と,カーボンリサイクル(CCU)について,それぞれ概論することとする。……(本文へ続く)
「第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術」
しかし,CO2がアルデヒドやケトンのようなカルボニル化合物と大きく異なるのは,CO2が熱力学的に安定な物質だというところにある。CO2は有機化合物が燃焼する際に水とともに生じる最終生成物である。燃焼は酸化反応であるので,含炭素物質が完全燃焼して生じるCO2は,炭素が最も酸化された状態であり,エネルギーレベルが極めて低い非常に安定な化合物である。ここで「安定である」とは,CO2を化学的に他の物質へ変換するためには外部からエネルギーを加える必要があるということに繋がる。……(本文へ続く)
「第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術」
「第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化」
このsc-CO2の特長を生かした,高分子材料の構造改質・制御による高機能化に関する研究例も多い。例えば,sc-CO2を用いたブロックコポリマーの多孔質化と高機能化,sc-CO2 を反応場として用いた固体高分子電解質への応用,sc-CO2による可塑化と結晶化を利用した高分子の高次構造制御や高分子ゲルの超臨界乾燥によるナノ多孔質化が研究されている。一方で,これまでにsc-CO2によるナノレベルでの高分子構造改質による物質移動,熱,電気物性の観点からの研究例は少ない。
そこで本節では,sc-CO2を利用した高次構造を制御した環境機能材料への展開を目的とした,高分子材料の物質移動,熱,電気物性が重要なCO2分離膜,熱電変換材料,有機薄膜太陽電池(正孔輸送)に関する最近の研究事例を紹介する。……(本文へ続く)
「第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス」
これらの反応に用いられる原料のうち,CO2は各種プロセスの排気ガスからの回収や,現在は難しいとされる空気からの直接回収(DAC)から得られ,DRM で用いられるCH4とCO2はバイオマスの嫌気性発酵によって入手可能である。また,水素は再生可能エネルギーの余剰電力を利用した水電解によって得られる。これらの反応を再生可能エネルギーを用いて進行させることで,現在化石燃料に依存している燃料,炭素源を持続可能なものに置き換えることが可能である。
しかしながらこれらの反応は,平衡論,速度論的な制約からいずれも高温で行われ,多くのエネルギーを消費する。炭素循環の要としてこれらの反応を再生可能エネルギーを利用して大規模に効率よく行うためには,より温和な条件で進行させ,消費されるエネルギーの効率を上げる必要がある。
近年,CO2の転換を平衡論,速度論的に有利に進めるために様々な検討が行われている。その一つとして,平衡論的な制約を超えるためのプロセスとしてケミカルルーピング(CL)というプロセスが挙げられる。これは,複数の原料ガスを交互に供給し,酸化,還元反応を異なるタイミングで進行させるというものである。原料ガスを同時に流さないことで平衡制約や副反応の影響を受けずにすむ他,生成ガスの分離コストを抑えることができるため,RWGS や天然ガスの燃焼といった様々な反応系に対して適用が検討されている。またこの他に,外場を用いた低温反応としては,電気化学・光電気化学による反応や,外部電場を与え反応を促進する電場印加触媒反応等が挙げられる。後者は,従来の触媒反応で用いられる固定床流通式反応器に対して定電流を印加するプロセスである。我々はこれまでにNH3合成やCH4水蒸気改質において,電場の印加による低温域における高い活性や反応機構の変化を報告している。
これらの中から,RWGS にケミカルルーピング(RWGS-CL)を適用した例や,DRM やサバティエ反応に電場印加触媒反応を適用することで,より高効率な反応の促進を実現した例を紹介する。……(本文へ続く)
「第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学」
「第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向」
「第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術」
CO2の炭酸塩鉱物化技術は,自発的に進行する酸と塩基の反応に基づいた技術である。酸としては,気相や液相中のCO2(液中では炭酸)が利用され,塩基としては,コンクリート製品や副産物/ 廃棄物中のアルカリ性のカルシウムやマグネシウムが利用される。反応の結果,炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の安定な炭酸塩が生成する。CO2(炭酸)は弱酸であるため,副産物や廃棄物等の炭酸化原料固体中のカルシウム/マグネシウム化合物は,アルカリ性である必要があり,中性の化合物(例えば,硫酸カルシウムや塩化マグネシウム等)を用いた場合には,炭酸塩鉱物化は通常は進行しない。CO2の炭酸塩鉱物化技術は,最も単純化すれば以下の反応式で表すことができる。……(本文へ続く)
「第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例」
光合成には太陽光の他に水とCO2が必要であり,それらの投入量を適切に調節する必要がある。また,光合成に適切な温度の調節や,植物の蒸散や病害の発生抑制のための湿度の調節などを行う必要もある。そうした様々な環境要素の調節は環境制御と呼ばれ,近年の施設園芸技術の中核となっている。
環境制御では温度や湿度の調節などのため,天窓や側窓による自然換気やファンによる強制換気が行われる。換気がされずハウスが密閉されている場合には,ハウス内のCO2濃度は低下し光合成を抑制する要因となる。また,換気がされている場合でも,植物の群落付近ではCO2 濃度が低下することが知られている。
施設園芸では,光合成を促進し,栽培されている野菜,果樹,花きなどの収穫量や品質を向上するため,CO2施用が行われている。本稿では施設園芸における様々なCO2施用技術を紹介し,あわせてCO2分離回収後の利用事例にも触れる。……(本文へ続く)
著者
橋﨑 克雄 | (一財)エネルギー総合工学研究所 | 堀毛 悟史 | 京都大学 | |
八角 克夫 | 八角コンサルティンググループ | 中野 直哉 | 早稲田大学 | |
中垣 隆雄 | 早稲田大学 | 牧浦 淳一郎 | 早稲田大学 | |
田中 俊輔 | 関西大学 | 本村 彩香 | 早稲田大学 | |
田中 一宏 | 山口大学 | 関根 泰 | 早稲田大学 | |
兼橋 真二 | 東京農工大学 | 野崎 智洋 | 東京工業大学 | |
則永 行庸 | 名古屋大学 | 髙嶋 敏宏 | 山梨大学 | |
平山 幹朗 | 名古屋大学 | 入江 寛 | 山梨大学 | |
町田 洋 | 名古屋大学 | 飯塚 淳 | 東北大学 | |
須田 聖一 | 静岡大学 | 何 星融 | 東北大学 | |
杉本 裕 | 東京理科大学 | 土屋 和 | 土屋農業技術士事務所 | |
門田 健太郎 | University of Oregon |
書籍趣旨
本書では、カーボンニュートラル達成に向けたCCUSに関わる世界の政策・法規制や企業・組織の動向、最新の特許情報から読み解いた各国の技術開発動向と注目される技術トレンドから、「CO2を排出時や大気中からどのように分離・回収し、どのような用途・分野で有効利用するのか」をテーマに、要素技術の開発動向とその展望について、専門家の方々より幅広くご執筆を賜りました。本書がCO2の分離回収・有効利用技術開発やその普及に携わる方のみならず、カーボンニュートラル達成に向け日々惜しみない努力を重ねられている皆様の一助となり、気候変動・環境破壊問題の解決に寄与する一冊となれば幸いです。
最後になりましたが、CO2の分離回収・有効利用技術開発とその普及に向け、第一線でご活躍されている執筆者の皆様のご理解とご協力のおかげで本書籍を出版することができました。ご多用ながらも快くお引き受け頂き、ここに感謝の意を表します。
(書籍企画担当)
目次
1. 2050年気候中立(カーボンニュートラル)達成のためのロードマップ
2. CCUSに関わる国内外の政策・法規制の動向,関連企業・組織の取り組み
第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
はじめに
1. 世界の特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
1.1 世界のCO2資源化技術に関する出願件数
(1) 1998~2015年にかけての日米欧中韓などへの出願国別推移
(2) 2016年以降の日米欧中韓などへの出願国別推移
1.2 2016年以降の世界のCO2資源化技術に関する主要出願人
1.3 世界のCO2資源化技術に関する技術分野別の推移
(1) 1998年~2015 年にかけての日米欧中韓などへの技術分野別の推移
(2) 2016年以降の日米欧中韓などへの技術分野別の推移
(3) 2016年以降の日米欧中韓などの技術分野割合
(4) 「CO2固定化(輸送・貯槽・隔離)」技術における上位IPC 別の比較
(5) 「CO2有効利用(物理的利用・化学的利用・生物的利用)」技術におけるIPC別の比較
2. まとめ
おわりに
第3章 CO2の分離・回収技術
第1節 CO2 の分離・回収技術概論
はじめに
1. CO2分離回収源の技術的整理
1.1 被分離ガス中のCO2濃度
1.2 プロセスへの分離回収の適用
2. 分離回収方法の技術的整理
3. 分離回収のコスト
第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向
はじめに
1. CO2分離・回収技術
2. 吸着剤の候補
2.1 炭素系材料
2.2 シリカ/ゼオライト
2.3 MOF
おわりに
第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
はじめに
1. 高分子膜によるガス分離の基礎
1.1 高分子膜のガス透過と分離性
1.2 高分子材料の製膜技術と膜モジュール
1.2.1 複合膜および非対称膜
1.2.2 中空糸膜モジュールとスパイラル膜モジュール
1.3 分離膜の性能評価項目
1.3.1 透過係数とパーミアンス
1.3.2 理想分離係数と分離係数
1.3.3 圧力比と透過ガス濃度
1.3.4 膜分離プロセスとモジュール内の流れ
1.3.5 ステージカットと回収率
2. CO2分離回収に要求される分離膜の性能
2.1 単純な向流膜モジュールでの試算
2.2 分離係数50の分離膜の可能性
3. 高分子膜のCO2分離性能
3.1 高分子膜のCO2/N2透過分離性能
3.2 ポリエチレンオキサイド(PEO)系分離膜
3.3 MMM(Mixed Matrix Membrane)
3.4 他の高分子素材
おわりに
第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
はじめに
1. 炭素膜の基礎
2. 炭素膜のガス透過分離特性
3. 炭素膜のCO2分離性能
おわりに
第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向
はじめに
1. 地球温暖化とCO2分離回収の重要性
2. 高分子 ハイブリッド材料 を用いた CO2分離回収
2.1 高分子ハイブリッド材料
2.2 高分子ハイブリッド分離膜の課題
2.3 高分子ハイブリット膜の透過機構
2.4 高分子ハイブリッド材料の作製と構造
2.5 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(単ガス)
2.6 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(混合ガス)
おわりに
第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用
はじめに
1. 処理対象ガス冷却式CO2分離回収技術
2. クライオジェニックポンピングによる圧力スイング型化学吸収法による低濃度CO2の分離回収
2.1 プロセスの概要
2.2 燃焼排ガスを対象とするCryo-Capture
2.3 冷熱を利用する大気中CO2直接回収「Cryo-DAC」
2.4 Cryo-DAC を想定した大気中CO2吸収塔の概念設計
おわりに
第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望
はじめに
1. CO2固定サイトとしての海水
2. 海水電解によるCaCO3の生成
3. CO2固定に向けた海水電解の条件
4. 持続的なCO2固定のための電極開発
おわりに
第4章 CO2の有効利用技術
第1節 CO2の利用技術概論
1. カーボンリサイクル技術ロードマップ
2. CO2分離回収貯留(CCS)
2.1 CCSの概観
2.2 CCSの事業とコスト
2.2.1 事業コスト全体の概観
2.2.2 輸送
2.2.3 圧入・貯留・モニタリング
3. CO2分離回収利用(CCU)
3.1 エネルギー貯蔵技術としての水素およびカーボンリサイクル
3.2 炭素のマテリアル利用産業
3.3 水素とカーボンリサイクルメタンのコスト
3.4 水素に依存しないCO2固定化法と負の排出技術
第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術
はじめに
1. CO2の化学的利用の代表例と工業規模での実施
2. CO2の化学的利用のその他の例(開発途上にある化学変換手法も含む)
3. CO2とエポキシドの共重合による脂肪族ポリカーボネート合成
3.1 CO2とエポキシドの交互共重合(概略)
3.2 CO2 - エポキシド交互共重合体(CO2由来脂肪族ポリカーボネート)の性質
3.3 CO2 - エポキシド交互共重合体の工業規模での製造
3.4 CO2 - エポキシド交互共重合体のガラス転移温度の向上をめざした研究
おわりに
第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術
はじめに
1. 多孔性金属錯体(MOF/PCP)
2. ボロハイドライドを用いたCO2由来MOF合成
3. アミンを用いたCO2由来MOF合成
おわりに:CO2由来MOFの可能性と展望
第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化
はじめに
1. 超臨界二酸化炭素(sc-CO2)
2. sc-CO2を用いた高分子高次構造の改質
2.1 CO2分離膜
2.2 熱電変換材料
2.3 太陽電池(正孔輸送材料)
おわりに
第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス
はじめに
1. Cu-In2O3を用いたRWGS-CL
2. 電場印加触媒によるメタンドライリフォーミング反応
3. サバティエ反応
おわりに
第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学
1. はじめに
1.1 プラズマ化学と低炭素技術
1.2 プロセスプラズマの分類と応用
2. 無触媒プラズマ技術
2.1 CH4の熱プラズマ分解反応
2.2 CO2の直接分解反応
3. 触媒とプラズマの複合反応
3.1 プラズマ触媒の反応装置
3.2 触媒有効係数
3.3 比投入エネルギーと効率
4. 応用事例の紹介
4.1 CH4/CO2改質反応
4.2 流動層プラズマ反応
4.3 CO2メタネーション反応
4.4 オートメタネーション反応
5. おわりに
第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向
はじめに
1. 人工光合成の原理
2. 人工光合成の方法
3. 最近の研究開発動向
3.1 光触媒
3.2 光電気化学
3.3 CO2還元触媒
おわりに
第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術
はじめに
1. 原理と現状の課題
2. 国内外の実証・実用化事例および研究の動向
3. 今後の展望
第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例
はじめに
1. 施設園芸におけるCO2施用設備
1.1 施設園芸用CO2発生装置によるCO2施用
1.2 給湯器を利用したCO2施用
1.3 LPG ボイラーの排気によるCO2施用
1.4 液化炭酸ガスを利用したCO2施用
1.5 暖房機排気CO2の貯蔵と施用
1.6 送風設備
1.7 制御装置
2. 施設園芸におけるCO2施用方法
2.1 換気時のゼロ濃度差施用法
2.2 密閉時の高濃度施用と制御技術
3. 大規模施設園芸・植物工場におけるCO2施用
3.1 次世代施設園芸での施設設備とCO2利用
3.2 佐賀市清掃工場での排熱・排CO2の再利用と,JA全農の「ゆめファーム全農プロジェクト」
おわりに
概要
【目次抜粋】 第1章 CCUSに関わる世界の動向 ・カーボンニュートラル達成のためのロードマップとCCUSに関わる国内外の動向 第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド ・主要5ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国)の最新の特許出願動向とその解析 第3章 CO2の分離・回収技術 第1節 CO2の分離・回収技術概論 第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向 第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向 第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向 第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向 第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用 第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望 第4章 CO2の有効利用技術 第1節 CO2の利用技術概論 第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術 第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術 第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化 第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス 第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学 第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向 第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術 第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例 |
各章の内容紹介 <本文抜粋>
「第1章 CCUSに関わる世界の動向」
2021年10月31日(日)~11月13日(土)の間,英国グラスゴーにおいて,国連気候変動枠組条約第26回締約国会合(COP26)が開催された。日本からは,岸田文雄内閣総理大臣が世界リーダーズ・サミットに出席し,2030年までの期間を「勝負の10年」と位置づけ,全ての締約国に野心的な気候変動対策を呼びかけている。また,山口壯環境大臣が2週目の閣僚級交渉に出席したほか,外務省,環境省,経済産業省,財務省,文部科学省,農林水産省,国土交通省,金融庁,林野庁,気象庁の関係者が参加した。……(中略)
このように,今回のCOP26では,2030年に向けてのCO2排出量削減への取り組み,さらには,2050年のカーボンニュートラルを目指して,各国間,各企業間で多くの駆け引きが見られた。様々な有志連合からの声明発表に加え,石炭の使用をめぐり最後まで交渉を重ねた結果,COP26に参加した197カ国・地域は成果文書「グラスゴー気候合意」を採択した。その「グラスゴー気候合意」の概略は以下の通り野心的な内容となっている。……(本文へ続く)
「第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド」
特許情報に基づくCO2資源化技術開発動向・技術トレンドに関して,特許庁が「平成29年度特許出願動向調査報告書」にて詳細を報告している。この調査報告書は1998~2015年にかけての国内外の公開特許に基づいている。
今回の特許調査では,2015年までの出願傾向との違いを意識して,2016年以降の国内外における特許調査を行った結果と解析である。特に,ここ数年の主要5 ヶ国(日本・米国・欧州・中国・韓国,以降は日米欧中韓と表記)における特許技術のトレンドがどんなものであるかを読み解くことを念頭に解析を行った。……(本文へ続く)
第3章 CO2の分離・回収技術
「第1節 CO2 の分離・回収技術概論」
2020年7月に開催された第1回グリーンイノベーション戦略推進会議ワーキンググループにNEDO技術戦略研究センターから提出された資料では,2050年のCO2分離回収の世界市場は10兆円規模と予測されており,その費用内訳としてプラント設備費が6~7割,残りが分離材などである。現状は,日本のプラントエンジニアリング企業が世界市場において技術的に優位であり,高いシェアを持っている。いずれの企業も固有の分離材技術とそれを活かすプラントシステムとの組み合わせによる分離回収技術を垂直統合的に保有しており,特許件数の多さにも直結している。一方,欧米や中国などでも独自の技術開発が推進されており,今後の競争激化が見込まれる。……(中略)
CO2は主に炭素を含む燃料の燃焼によって発生するが,集中排出源は煙道で回収箇所は明確であり,発電所や工場であれば数%~20%前後の濃度がある。一方,民生部門に分散した小型の給湯器や自動車から小規模・間欠的に排出されるCO2の回収は非効率的であり,排出元では10%程度あっても,大気へ放出されれば数百ppmまで希釈されることになる。分離に必要な最小動力(エクセルギー)はloge(濃縮後のCO2圧力/被分離ガス中のCO2分圧)に比例するため,大気圧で100%のCO2を得ようとすれば,400ppm の大気からでは10%の煙道よりも最低でも3.4倍のエクセルギーが必要となる。一般的に,CO2濃度はもちろん,分離材に影響を与えうる微量な夾雑成分を含む全組成,圧力・流量・温度とそれらの変動幅などの「被分離ガスの条件」と,99%以上の純度が必須の地下貯留やドライアイス・溶接などの直接利用(ただし,年100万t 程度の国内需要),あるいは数%程度の残存成分を許容するCCUなど,「分離後の用途の要求条件」の双方を考慮して分離回収技術が選択される。……(本文へ続く)
「第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向」
本節では,CO2分離・回収用途向けの吸着剤としての多孔性材料開発の動向について,①炭素系材料,②シリカ/ゼオライト,③金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks:MOF)に分類し,最近の研究に焦点を当てながら概説する。……(本文へ続く)
「第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向」
原理的には省エネルギーであるが,そもそも目的とする分離が実際に可能な分離膜がなければ適用できないので,膜分離法では分離膜の材料開発が非常に重要である。さらに,欠陥のない薄膜を大面積の膜に加工する技術,有効な分離膜モジュールへの成形技術も不可欠である。膜分離法では操作圧力などの条件も目的ガスの濃度に影響する。圧縮機や真空ポンプなどのコストも操作条件で大きく変わるため,プロセスの設計やユーティリティの有効活用がプロセス全体の効率を左右する。材料開発から加工技術,そしてプロセス設計まで幅広い技術開発が必要である。
本節では,高分子膜のガス透過とCO2分離の基礎,製膜技術,操作条件の影響を概説する。そして,実装の可能性が高い分離膜を中心に高分子膜によるCO2/N2分離の技術動向を概観する。……(本文へ続く)
「第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向」
「第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向」
「第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用」
「第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望」
そこで,海洋をCO2固定化による炭酸カルシウムの製造の場とすることを検討している。「ミネラル豊富」な海水の工業的な利用は,古くから多くの取り組みがされている。高濃度のNaCl水溶液とのイメージが強い海水ではあるが,実際には多くのカチオンを含む過飽和水溶液であり,海水からマグネシウム塩やウラン酸塩を抽出する取り組みもよく知られている。そのなかで,海水中に溶け込んだCO2は,ヘンリーの法則に従って大気中のCO2と平衡状態を保っている。さらに溶存CO2は海水との反応により炭酸イオン(CO32-)や重炭酸イオン(HCO3-)と平衡状態にある。そのため,海水中に炭酸カルシウムを生成させ,その結果減少した溶存CO2を補う形で大気中からCO2が海水に吸収される,というのが本技術の大まかなスキームとなる。このスキームを実現するための取り組みを紹介したい。……(本文へ続く)
第4章 CO2の有効利用技術
「第1節 CO2の利用技術概論」
カーボンリサイクル技術ロードマップには,分離回収後の利用分類として,直接利用,貯留およびカーボンリサイクルが記載されている。高純度CO2の直接利用は溶接,ドライアイス,炭酸飲料のサーバーなどの用途があるが,国内では1 Mtpa(Mtpaは百万t/年の単位)程度であり,前述の国内CO2 総排出量の1/1,000程度にすぎない。
本節では,直接利用を除く貯留(CCS)と,カーボンリサイクル(CCU)について,それぞれ概論することとする。……(本文へ続く)
「第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術」
しかし,CO2がアルデヒドやケトンのようなカルボニル化合物と大きく異なるのは,CO2が熱力学的に安定な物質だというところにある。CO2は有機化合物が燃焼する際に水とともに生じる最終生成物である。燃焼は酸化反応であるので,含炭素物質が完全燃焼して生じるCO2は,炭素が最も酸化された状態であり,エネルギーレベルが極めて低い非常に安定な化合物である。ここで「安定である」とは,CO2を化学的に他の物質へ変換するためには外部からエネルギーを加える必要があるということに繋がる。……(本文へ続く)
「第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術」
「第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化」
このsc-CO2の特長を生かした,高分子材料の構造改質・制御による高機能化に関する研究例も多い。例えば,sc-CO2を用いたブロックコポリマーの多孔質化と高機能化,sc-CO2 を反応場として用いた固体高分子電解質への応用,sc-CO2による可塑化と結晶化を利用した高分子の高次構造制御や高分子ゲルの超臨界乾燥によるナノ多孔質化が研究されている。一方で,これまでにsc-CO2によるナノレベルでの高分子構造改質による物質移動,熱,電気物性の観点からの研究例は少ない。
そこで本節では,sc-CO2を利用した高次構造を制御した環境機能材料への展開を目的とした,高分子材料の物質移動,熱,電気物性が重要なCO2分離膜,熱電変換材料,有機薄膜太陽電池(正孔輸送)に関する最近の研究事例を紹介する。……(本文へ続く)
「第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス」
これらの反応に用いられる原料のうち,CO2は各種プロセスの排気ガスからの回収や,現在は難しいとされる空気からの直接回収(DAC)から得られ,DRM で用いられるCH4とCO2はバイオマスの嫌気性発酵によって入手可能である。また,水素は再生可能エネルギーの余剰電力を利用した水電解によって得られる。これらの反応を再生可能エネルギーを用いて進行させることで,現在化石燃料に依存している燃料,炭素源を持続可能なものに置き換えることが可能である。
しかしながらこれらの反応は,平衡論,速度論的な制約からいずれも高温で行われ,多くのエネルギーを消費する。炭素循環の要としてこれらの反応を再生可能エネルギーを利用して大規模に効率よく行うためには,より温和な条件で進行させ,消費されるエネルギーの効率を上げる必要がある。
近年,CO2の転換を平衡論,速度論的に有利に進めるために様々な検討が行われている。その一つとして,平衡論的な制約を超えるためのプロセスとしてケミカルルーピング(CL)というプロセスが挙げられる。これは,複数の原料ガスを交互に供給し,酸化,還元反応を異なるタイミングで進行させるというものである。原料ガスを同時に流さないことで平衡制約や副反応の影響を受けずにすむ他,生成ガスの分離コストを抑えることができるため,RWGS や天然ガスの燃焼といった様々な反応系に対して適用が検討されている。またこの他に,外場を用いた低温反応としては,電気化学・光電気化学による反応や,外部電場を与え反応を促進する電場印加触媒反応等が挙げられる。後者は,従来の触媒反応で用いられる固定床流通式反応器に対して定電流を印加するプロセスである。我々はこれまでにNH3合成やCH4水蒸気改質において,電場の印加による低温域における高い活性や反応機構の変化を報告している。
これらの中から,RWGS にケミカルルーピング(RWGS-CL)を適用した例や,DRM やサバティエ反応に電場印加触媒反応を適用することで,より高効率な反応の促進を実現した例を紹介する。……(本文へ続く)
「第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学」
「第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向」
「第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術」
CO2の炭酸塩鉱物化技術は,自発的に進行する酸と塩基の反応に基づいた技術である。酸としては,気相や液相中のCO2(液中では炭酸)が利用され,塩基としては,コンクリート製品や副産物/ 廃棄物中のアルカリ性のカルシウムやマグネシウムが利用される。反応の結果,炭酸カルシウムや炭酸マグネシウム等の安定な炭酸塩が生成する。CO2(炭酸)は弱酸であるため,副産物や廃棄物等の炭酸化原料固体中のカルシウム/マグネシウム化合物は,アルカリ性である必要があり,中性の化合物(例えば,硫酸カルシウムや塩化マグネシウム等)を用いた場合には,炭酸塩鉱物化は通常は進行しない。CO2の炭酸塩鉱物化技術は,最も単純化すれば以下の反応式で表すことができる。……(本文へ続く)
「第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例」
光合成には太陽光の他に水とCO2が必要であり,それらの投入量を適切に調節する必要がある。また,光合成に適切な温度の調節や,植物の蒸散や病害の発生抑制のための湿度の調節などを行う必要もある。そうした様々な環境要素の調節は環境制御と呼ばれ,近年の施設園芸技術の中核となっている。
環境制御では温度や湿度の調節などのため,天窓や側窓による自然換気やファンによる強制換気が行われる。換気がされずハウスが密閉されている場合には,ハウス内のCO2濃度は低下し光合成を抑制する要因となる。また,換気がされている場合でも,植物の群落付近ではCO2 濃度が低下することが知られている。
施設園芸では,光合成を促進し,栽培されている野菜,果樹,花きなどの収穫量や品質を向上するため,CO2施用が行われている。本稿では施設園芸における様々なCO2施用技術を紹介し,あわせてCO2分離回収後の利用事例にも触れる。……(本文へ続く)
著者
橋﨑 克雄 | (一財)エネルギー総合工学研究所 | 堀毛 悟史 | 京都大学 | |
八角 克夫 | 八角コンサルティンググループ | 中野 直哉 | 早稲田大学 | |
中垣 隆雄 | 早稲田大学 | 牧浦 淳一郎 | 早稲田大学 | |
田中 俊輔 | 関西大学 | 本村 彩香 | 早稲田大学 | |
田中 一宏 | 山口大学 | 関根 泰 | 早稲田大学 | |
兼橋 真二 | 東京農工大学 | 野崎 智洋 | 東京工業大学 | |
則永 行庸 | 名古屋大学 | 髙嶋 敏宏 | 山梨大学 | |
平山 幹朗 | 名古屋大学 | 入江 寛 | 山梨大学 | |
町田 洋 | 名古屋大学 | 飯塚 淳 | 東北大学 | |
須田 聖一 | 静岡大学 | 何 星融 | 東北大学 | |
杉本 裕 | 東京理科大学 | 土屋 和 | 土屋農業技術士事務所 | |
門田 健太郎 | University of Oregon |
書籍趣旨
本書では、カーボンニュートラル達成に向けたCCUSに関わる世界の政策・法規制や企業・組織の動向、最新の特許情報から読み解いた各国の技術開発動向と注目される技術トレンドから、「CO2を排出時や大気中からどのように分離・回収し、どのような用途・分野で有効利用するのか」をテーマに、要素技術の開発動向とその展望について、専門家の方々より幅広くご執筆を賜りました。本書がCO2の分離回収・有効利用技術開発やその普及に携わる方のみならず、カーボンニュートラル達成に向け日々惜しみない努力を重ねられている皆様の一助となり、気候変動・環境破壊問題の解決に寄与する一冊となれば幸いです。
最後になりましたが、CO2の分離回収・有効利用技術開発とその普及に向け、第一線でご活躍されている執筆者の皆様のご理解とご協力のおかげで本書籍を出版することができました。ご多用ながらも快くお引き受け頂き、ここに感謝の意を表します。
(書籍企画担当)
目次
1. 2050年気候中立(カーボンニュートラル)達成のためのロードマップ
2. CCUSに関わる国内外の政策・法規制の動向,関連企業・組織の取り組み
第2章 特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
はじめに
1. 世界の特許情報から読み解くCO2資源化技術開発動向・技術トレンド
1.1 世界のCO2資源化技術に関する出願件数
(1) 1998~2015年にかけての日米欧中韓などへの出願国別推移
(2) 2016年以降の日米欧中韓などへの出願国別推移
1.2 2016年以降の世界のCO2資源化技術に関する主要出願人
1.3 世界のCO2資源化技術に関する技術分野別の推移
(1) 1998年~2015 年にかけての日米欧中韓などへの技術分野別の推移
(2) 2016年以降の日米欧中韓などへの技術分野別の推移
(3) 2016年以降の日米欧中韓などの技術分野割合
(4) 「CO2固定化(輸送・貯槽・隔離)」技術における上位IPC 別の比較
(5) 「CO2有効利用(物理的利用・化学的利用・生物的利用)」技術におけるIPC別の比較
2. まとめ
おわりに
第3章 CO2の分離・回収技術
第1節 CO2 の分離・回収技術概論
はじめに
1. CO2分離回収源の技術的整理
1.1 被分離ガス中のCO2濃度
1.2 プロセスへの分離回収の適用
2. 分離回収方法の技術的整理
3. 分離回収のコスト
第2節 多孔性材料によるCO2分離回収技術の開発動向
はじめに
1. CO2分離・回収技術
2. 吸着剤の候補
2.1 炭素系材料
2.2 シリカ/ゼオライト
2.3 MOF
おわりに
第3節 高分子膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
はじめに
1. 高分子膜によるガス分離の基礎
1.1 高分子膜のガス透過と分離性
1.2 高分子材料の製膜技術と膜モジュール
1.2.1 複合膜および非対称膜
1.2.2 中空糸膜モジュールとスパイラル膜モジュール
1.3 分離膜の性能評価項目
1.3.1 透過係数とパーミアンス
1.3.2 理想分離係数と分離係数
1.3.3 圧力比と透過ガス濃度
1.3.4 膜分離プロセスとモジュール内の流れ
1.3.5 ステージカットと回収率
2. CO2分離回収に要求される分離膜の性能
2.1 単純な向流膜モジュールでの試算
2.2 分離係数50の分離膜の可能性
3. 高分子膜のCO2分離性能
3.1 高分子膜のCO2/N2透過分離性能
3.2 ポリエチレンオキサイド(PEO)系分離膜
3.3 MMM(Mixed Matrix Membrane)
3.4 他の高分子素材
おわりに
第4節 炭素膜によるCO2の分離・回収技術開発動向
はじめに
1. 炭素膜の基礎
2. 炭素膜のガス透過分離特性
3. 炭素膜のCO2分離性能
おわりに
第5節 高分子ハイブリッド材料によるCO2分離回収技術の研究開発動向
はじめに
1. 地球温暖化とCO2分離回収の重要性
2. 高分子 ハイブリッド材料 を用いた CO2分離回収
2.1 高分子ハイブリッド材料
2.2 高分子ハイブリッド分離膜の課題
2.3 高分子ハイブリット膜の透過機構
2.4 高分子ハイブリッド材料の作製と構造
2.5 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(単ガス)
2.6 高分子ハイブリッド材料の気体分離性能(混合ガス)
おわりに
第6節 燃焼排ガスおよび大気中CO2回収技術への冷熱の利用
はじめに
1. 処理対象ガス冷却式CO2分離回収技術
2. クライオジェニックポンピングによる圧力スイング型化学吸収法による低濃度CO2の分離回収
2.1 プロセスの概要
2.2 燃焼排ガスを対象とするCryo-Capture
2.3 冷熱を利用する大気中CO2直接回収「Cryo-DAC」
2.4 Cryo-DAC を想定した大気中CO2吸収塔の概念設計
おわりに
第7節 海水電解によるCO2の持続的固定化技術の開発動向と今後の展望
はじめに
1. CO2固定サイトとしての海水
2. 海水電解によるCaCO3の生成
3. CO2固定に向けた海水電解の条件
4. 持続的なCO2固定のための電極開発
おわりに
第4章 CO2の有効利用技術
第1節 CO2の利用技術概論
1. カーボンリサイクル技術ロードマップ
2. CO2分離回収貯留(CCS)
2.1 CCSの概観
2.2 CCSの事業とコスト
2.2.1 事業コスト全体の概観
2.2.2 輸送
2.2.3 圧入・貯留・モニタリング
3. CO2分離回収利用(CCU)
3.1 エネルギー貯蔵技術としての水素およびカーボンリサイクル
3.2 炭素のマテリアル利用産業
3.3 水素とカーボンリサイクルメタンのコスト
3.4 水素に依存しないCO2固定化法と負の排出技術
第2節 CO2の化学的利用技術とCO2直接利用の脂肪族ポリカーボネート製造技術
はじめに
1. CO2の化学的利用の代表例と工業規模での実施
2. CO2の化学的利用のその他の例(開発途上にある化学変換手法も含む)
3. CO2とエポキシドの共重合による脂肪族ポリカーボネート合成
3.1 CO2とエポキシドの交互共重合(概略)
3.2 CO2 - エポキシド交互共重合体(CO2由来脂肪族ポリカーボネート)の性質
3.3 CO2 - エポキシド交互共重合体の工業規模での製造
3.4 CO2 - エポキシド交互共重合体のガラス転移温度の向上をめざした研究
おわりに
第3節 CO2を原料とする多孔性ハイブリッド材料の合成技術
はじめに
1. 多孔性金属錯体(MOF/PCP)
2. ボロハイドライドを用いたCO2由来MOF合成
3. アミンを用いたCO2由来MOF合成
おわりに:CO2由来MOFの可能性と展望
第4節 超臨界二酸化炭素の利用:高分子高次構造の改質と高機能化
はじめに
1. 超臨界二酸化炭素(sc-CO2)
2. sc-CO2を用いた高分子高次構造の改質
2.1 CO2分離膜
2.2 熱電変換材料
2.3 太陽電池(正孔輸送材料)
おわりに
第5節 CO2有効利用のための非在来型低温作動プロセス
はじめに
1. Cu-In2O3を用いたRWGS-CL
2. 電場印加触媒によるメタンドライリフォーミング反応
3. サバティエ反応
おわりに
第6節 CO2資源化触媒プロセスの高効率・低コスト化に寄与するプラズマ科学
1. はじめに
1.1 プラズマ化学と低炭素技術
1.2 プロセスプラズマの分類と応用
2. 無触媒プラズマ技術
2.1 CH4の熱プラズマ分解反応
2.2 CO2の直接分解反応
3. 触媒とプラズマの複合反応
3.1 プラズマ触媒の反応装置
3.2 触媒有効係数
3.3 比投入エネルギーと効率
4. 応用事例の紹介
4.1 CH4/CO2改質反応
4.2 流動層プラズマ反応
4.3 CO2メタネーション反応
4.4 オートメタネーション反応
5. おわりに
第7節 人工光合成によるCO2有効利用技術の開発動向
はじめに
1. 人工光合成の原理
2. 人工光合成の方法
3. 最近の研究開発動向
3.1 光触媒
3.2 光電気化学
3.3 CO2還元触媒
おわりに
第8節 CO2の炭酸塩鉱物化による有効利用技術
はじめに
1. 原理と現状の課題
2. 国内外の実証・実用化事例および研究の動向
3. 今後の展望
第9節 施設園芸・植物工場におけるCO2施用技術と利用事例
はじめに
1. 施設園芸におけるCO2施用設備
1.1 施設園芸用CO2発生装置によるCO2施用
1.2 給湯器を利用したCO2施用
1.3 LPG ボイラーの排気によるCO2施用
1.4 液化炭酸ガスを利用したCO2施用
1.5 暖房機排気CO2の貯蔵と施用
1.6 送風設備
1.7 制御装置
2. 施設園芸におけるCO2施用方法
2.1 換気時のゼロ濃度差施用法
2.2 密閉時の高濃度施用と制御技術
3. 大規模施設園芸・植物工場におけるCO2施用
3.1 次世代施設園芸での施設設備とCO2利用
3.2 佐賀市清掃工場での排熱・排CO2の再利用と,JA全農の「ゆめファーム全農プロジェクト」
おわりに
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受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】or【アーカイブ配信】のみ
MOFが拓く未来:ガス分離技術と社会実装の最前線
受講可能な形式:【Live配信】のみ
研究開発テーマを『正しく定量的に』評価・選定する個別評価法と評価システム・全体体系の構築 NEW
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
徹底理解!濾過(ろ過)操作ノウハウのすべて。
受講可能な形式:【Live配信】のみ
リビング重合技術 高度な制御を可能にする精密重合と応用展開 NEW
リビング重合(精密重合)によるポリマー構造制御・高機能化を加速させる基礎・応用事例
プラスチックの循環利用拡大に向けたリサイクルシステムと要素技術の開発動向
グリーン燃料とグリーン化学品製造―技術開発動向とコスト―
グリーン水素/CO2回収/アンモニア合成/バイオメタン・LPG・エタノール
グリーン液体燃料・e-fuel/バイオナフサ・化学品製造の世界の動向
【製本版 + ebook版】環境配慮型プラスチック~普及に向けた材料開発と応用技術~
セルロースナノファイバーの均一分散と複合化
水素製造・吸蔵・貯蔵材料と安全化
生分解性プラスチックの土壌・海洋生分解性評価と実験手順
受講可能な形式:【Live配信】のみ
研究開発部門による3つの重要要素に基づいた「良い事業戦略」の構築と策定
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
【京都開催】技術者・研究者に必要なマーケティングの基礎と実践
受講可能な形式:【会場受講】
GHG:温室効果ガス削減の国内外の動向~GX経済移行債の戦略動向、CCS、水素等代替燃料~
受講可能な形式:【会場受講】のみ
研究者・技術者のための情報収集&市場調査の方法とテクニック
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
再生医療産業分野における新規事業・研究開発テーマ企画の心得と市場参入戦略
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
水素貯蔵・輸送材料および技術の課題・動向と水素エネルギー社会実現への展望
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
TRIZの実践と効果的活用法
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
【オンデマンド配信】ガス分離膜の細孔径・ガス透過性評価手法とシリカ系多孔膜によるCO2分離技術
【 2 名 同 時 申 込 で 1 名 無 料 】 対 象 セ ミ ナ ー
<自社の技術戦略・事業成長戦略の要となる>コア技術の明確な定義、設定プロセスと継続的な育成・強化手法
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
グリーンイノベーションの背後にある過剰な資源消費:「資源パラドックス問題」とその解決に向けた技術・社会システム
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】
高分子膜のガス透過メカニズムと高分子CO2分離膜の技術動向
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
EUの包装及び包装廃棄物規則(PPWR)と今後の日本の対応
【 2 名 同 時 申 込 で 1 名 無 料 】 対 象 セ ミ ナ ー
シナリオプランニングを活用した事業成果を生みだすロードマップの策定・実行のプロセスと具体的な手法
受講可能な形式:【ライブ配信】or【アーカイブ配信】のみ
<プラスチック再資源化の最前線>プラスチックの高度マテリアルリサイクルと高度成形プロセス
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
アメリカ(州法を含む)・カナダ・南米・オセアニアにおける化学物質規制法(包装材・PFASを含む)の最新動向
受講可能な形式:【Live配信】or【アーカイブ配信】のみ
ベンチマーキングの基本と実践法、研究開発テーマへの展開
受講可能な形式:【会場受講】or【Live配信】のみ
自社保有技術・コア技術をベースとした革新的な研究開発テーマの創出活動
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研究開発におけるポートフォリオ・マネジメントの方法とその具体的な活動
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
<2050年脱炭素社会に向けた断熱材でのアプローチ>断熱材・真空断熱材の基礎・入門とナノ多孔質粒子による超寿命化・評価 NEW
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研究開発部門が行うべきマーケティングの知識と活動【基本理論編&実践編】<2日間> NEW
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プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
自社技術のノウハウ秘匿および特許出願の選択指針とオープン&クローズ戦略の進め方
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
<水素技術の最前線!>カーボンニュートラル(CN)社会における水素の現状と将来および技術動向
受講可能な形式:【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
増加する廃棄CFRP/CFRTPにおけるリサイクルの課題と炭素繊維回収の最先端およびRCF活用法と産業確立への指針
受講可能な形式:【Live配信】のみ
多孔性材料による気体の吸着制御
受講可能な形式:【Live配信】のみ
天然由来の強化材を用いたコンポジットの基礎と成形方法・応用展開
受講可能な形式:【Live配信】のみ
成果につなげる失敗しないデザインレビュー(DR)の基本とすすめ方、抜け漏れ防止策
受講可能な形式:【ライブ配信(アーカイブ配信付)】のみ
技術者・研究開発者に必要な市場分析・競合他社<ベンチマーキング>分析と情報収集の進め方
受講可能な形式:【ライブ配信】or【アーカイブ配信】のみ
革新的な研究開発テーマを『継続的に多数』創出する方法とその『体系的・組織的』な仕組みの構築 NEW
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利益力のある製品を生みだす設計・開発担当者が身に着けるべきコストマネジメントと「利益思考力®」セミナー
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MOFが拓く未来:ガス分離技術と社会実装の最前線
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リビング重合技術 高度な制御を可能にする精密重合と応用展開 NEW
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