セルロースナノファイバーの均一分散と複合化
~市場・特許動向/CNFの分散・複合化技術/CNFを用いた素材開発事例~
発刊日 | 2018年7月27日 |
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体裁 | B5判上製本 306頁 |
価格(税込)
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ISBNコード | 978-4-86428-172-0 |
Cコード | C3058 |
樹脂との複合化技術を中心に技術情報・研究開発例を集約!
■CNFの応用市場と特許出願から見た複合材料研究の動向
└ 期待されるCNFの応用分野の潜在市場規模と、複合材料実用化への課題とは。
└ 大学・公設試・企業;42団体の特許出願内容と一般公開情報から考察する各機関の取り組み内容とR&D動向。
同様の調査が効率的に行えるよう特許検索式も掲載。情報収集に役立ちます
■CNFの各種調製方法や表面処理法によるCNF表面性状の制御例
└ 各種表面処理の方法と効果、そのメカニズム、得られた複合材料の物性解説。
■樹脂との複合化方法とCNF配合による機能材料の開発例
└ 溶剤鋳造法・二軸押出機による混練、混練プロセスが不要な方法など各種複合化方法の技術概要
└ PP、PA、PMMA、PLA等の樹脂をはじめ、水性UV硬化樹脂、水溶性導電性高分子、天然ゴムなど
各種マトリックスでの複合材料開発・機能化の事例を解説
第2章 セルロースナノファイバーの疎水性媒体への分散性向上のための調製、表面処理技術
第3章 セルロースナノファイバー複合化のための混練・分散技術
第4章 セルロースナノファイバー複合材料の開発~CNF配合による機能化~
著者
近藤 哲男 | 九州大学 | 大嶋 正裕 | 京都大学 | |
松村 晴雄 | (株)旭リサーチセンター | 舩岡 正光 | 三重大学 | |
菅田 正夫 | 知財コンサルタント&アナリスト | 野田 秀夫 | 関西化学機械製作(株) | |
山本 顕弘 | モリマシナリー(株) | 楠本 英世 | 技術研究組合Lignophenol&Systems | |
田島 健次 | 北海道大学 | 小長谷 重次 | (公財)名古屋産業科学研究所 | |
小瀬 亮太 | 東京農工大学 | 吉岡 まり子 | 京都大学 | |
草野 貴友 | 草野作工(株) | 網屋 繁俊 | 真庭バイオケミカル(株) | |
内田 哲也 | 岡山大学 | 矢吹 彰広 | 広島大学 | |
川端 浩二 | 岡山県工業技術センター | 寺本 好邦 | 岐阜大学 | |
仙波 健 | (地独)京都市産業技術研究所 | 長谷 朝博 | 兵庫県立工業技術センター | |
堀 正典 | (株)KRI | 白石 浩平 | 近畿大学 | |
林 蓮貞 | (株)KRI | 矢野 徹 | 西川ゴム工業(株) | |
藤橋 政人 | スターライト工業(株) | 熊谷 明夫 | (国研)産業技術総合研究所 | |
浅見 圭一 | 日本スピンドル製造(株) | 遠藤 貴士 | (国研)産業技術総合研究所 | |
森 良平 | GSアライアンス(株)(冨士色素(株)グループ) |
書籍趣旨
セルロースナノファイバーの応用分野として特に大きな期待がかかっている、「強くて軽い」性質を活かした複合材料の実現に向けても課題解決に向けた精力的な研究開発が続けられています。
本書では、この複合材料開発に関する技術情報を提供することを目的に、セルロースナノファイバー/各種樹脂材料との複合化技術にフォーカスして編集いたしました。
ぜひ本書に記載の先進的な取り組みをご参照いただき、研究開発指針の構築にお役立て頂ければ幸いです。
また、本書籍の発刊は、ご多用ながらもご執筆協力を頂きました著者の皆様のご理解・ご協力のおかげでございます。ここに感謝の意を表します。
目次
第1節 セルロースナノファイバーの資質と今後の普及に向けて
はじめに ~ナノセルロースの資質~
1. 実用化検討の現状
2. セルロース研究のこれまでを振り返って
3. 今後の普及に向けて
第2節 工業材料としてのセルロースナノファイバーの応用・市場動向
はじめに
1. CNFの製造方法と特性
1.1 CNFの種類と製造方法
1.1.1 CNFの種類
1.1.2 CNFの製造方法
1.2 CNFの持つ特性
2. CNFの潜在市場
3. CNF製造,供給の展望
4. 工業材料としてのCNFの今後の課題
第3節 特許出願動向からみた,セルロースナノファイバーと樹脂の複合化への取り組み
はじめに
1. 疎水変性セルロースパウダーと熱可塑性樹脂の複合化
2. セルロースと熱可塑性樹脂の直接複合化
2.1 セルロースの解繊と樹脂中への分散
2.2 熱可塑性樹脂との直接複合化
2.3 解繊助剤と高分子分散剤の効果
3. CNF特許情報の調査方法
3.1 「大学や公的研究機関が保有する特許」を調査する場合に適した方法
3.2 「企業が保有する特許」を調査する場合に適した方法
3.3 特許情報検索式の作成方法
4. 出願人別にみたCNF複合材料関連特許の出願状況
4.1 大学及び研究機関
4.1.1 京都大学 矢野教授グループ
4.1.2 京都市/(地独)京都市産業技術研究所
4.1.3 東京大学 磯貝教授グループ
4.1.4 (国研)産業技術総合研究所 遠藤博士グループ
4.1.5 九州大学
4.1.5.1 九州大学 近藤教授グループ
4.1.5.2 九州大学 北岡教授グループ
4.1.6 岡山大学 内田准教授グループ
4.1.7 岡山県/岡山県工業技術センター
4.2 製紙企業
4.2.1 王子ホールディングス(株)
4.2.2 日本製紙(株)
4.2.3 大王製紙(株)
4.2.4 中越パルプ工業(株)
4.2.5 北越紀州製紙(株)
4.3 印刷系企業
4.3.1 凸版印刷(株)
4.3.2 大日本印刷(株)
4.4 化学材料系企業
4.4.1 三菱化学(株)
4.4.2 旭化成(株)
4.4.3 花王(株)
4.4.4 出光ライオンコンポジット(株)
4.4.5 ユニチカ(株)
4.4.6 古河電気工業(株)
4.4.7 大阪ガス(株)
4.4.8 (株)KRI
4.4.9 星光PMC(株)
4.4.10 DIC(株)
4.4.11 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
4.4.12 真庭バイオケミカル(株)
4.4.13 (株)服部商店
4.5 ゴム系企業
4.5.1 住友ゴム工業(株)
4.5.2 神栄化工(株)
4.5.3 丸五ゴム工業(株)
4.5.4 三和化工(株)
4.6 電子部品関連企業
4.6.1 太陽ホールディングス(株)
4.7 自動車関連企業
4.7.1 トヨタ車体(株)
4.7.2 トヨタ紡織(株)
4.7.3 (株)デンソー
4.7.4 トクラス(株)
4.8 装置関連企業
4.8.1 スターライト工業(株)
4.8.2 モリマシナリー(株)
4.8.3 (株)日本製鋼所
4.8.4 日本スピンドル製造(株)
4.8.5 (株)スギノマシン
まとめ
第2章 セルロースナノファイバーの疎水性媒体への分散性向上のための調整,表面処理技術
第1節 水中カウンターコリジョン(ACC)法によるセルロースナノファイバーの製造とその表面性状
はじめに
1. ACC法とは
1.1 ACC法における試料懸濁水中の天然セルロース(パルプ)への水流衝突では,
水がどのように作用するのか
2. 疎水性付与により両親媒性を示すヤヌス型ACC-ナノセルロース
2.1 キャストフィルムの対水接触角
2.2 表面コーティング剤としてのACC-ナノセルロース
2.3 疎水性樹脂用表面スイッチング剤としてのACC-ナノセルロース
2.4 ACC-ナノセルロースのプラスチックへの結晶核剤効果
2.5 ACC-ナノセルロースの表面被覆例
2.6 Pickeringエマルション形成ならびにその安定性の溶媒依存性
おわりに
第2節 セルロースナノファイバーおよびリグノセルロースナノファイバーの粉末化による分散性向上
はじめに
1. セルロースナノファイバー
1.1 セルロースナノファイバーの観察
1.2 セルロースナノファイバーの分析
1.2.1 セルロースナノファイバーの成分
1.2.2 セルロースナノファイバーの比表面積
1.2.3 セルロースナノファイバーの粘度
1.2.4 セルロースナノファイバーの結晶化度
2. プラスチックとの複合化
3. 試作品
3.1 ペーパーナイフ試作
3.2 洗濯ばさみ試作
3.3 扇子試作
3.4 容器試作
3.5 繊維試作
おわりに
第3節 酢酸菌におけるセルロース合成機構と通気撹拌培養による
ナノフィブリル化バクテリアセルロース(NFBC)の合成
はじめに
1. バクテリアセルロース
2. 酢酸菌におけるセルロース合成
3. ターミナルコンプレックスに含まれる各サブユニットの機能
4. バクテリアセルロースのナノフィブリル化
5. ナノフィブリル化バクテリアセルロースの大量生産
おわりに
第4節 高分子結晶での被覆によるセルロースナノファイバーの疎水化と複合体への応用
はじめに
1. PVA結晶で被覆したCNF(NCF(CNF/PVA))の作製
2. 種々の高分子結晶を用いたCNFの表面改質
2.1 エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)結晶によるCNFの被覆
2.2 NCF(CNF/PVA)のホルマール化
2.3 被覆高分子結晶の違いによるNCFの表面物性(親水性,疎水性)の変化
3. 作製したNCFをフィラーとして利用した複合体フィルムの物性評価
おわりに
第5節 ステアリン酸/炭酸カルシウム微粒子によるセルロースナノファイバー表面の疎水化
はじめに
1. ステアリン酸によるCNF表面の疎水化
1.1 疎水化の方法
1.2 得られるCNFの性質
2. 炭酸カルシウム微粒子によるCNF表面の疎水化
2.1 疎水化の方法
2.2 得られるCNFの性質
おわりに
第6節 セルロースナノファイバー樹脂複合材料における親水化処理および
疎水化処理によるセルロースナノファイバーの分散性向上
はじめに
1. CNFの親水化処理
1.1 CNFのカチオン化
1.2 CNF/ポリアミドコンポジットの特性
2. CNFの疎水化処理
2.1 CNFのエステル化
まとめ
第7節 機能材料創出のためのセルロースナノファイバー表面修飾
はじめに
1. セルロース分子の特徴
2. 機械的解繊法
3. 水を媒体とした化学的解繊と表面修飾
4. 有機溶媒を媒体とした化学的解繊と表面修飾
5. 修飾CNFによる材料の高機能化
5.1 フィラーとしての樹脂と複合化
5.2 ナノインプリントリソグラフィー用ガス透過性モールド作製の試み
5.3 シリカエアロゲル粒子と複合化した断熱材
おわりに
第8節 樹脂への分散性に優れた未変性セルロースナノファイバー微細粉体の開発(3Dプリンターへの応用例)
1. 3Dプリンター材料の開発動向と造形技術
1.1 各種方式とその特徴
1.2 熱溶解積層方式での材料開発動向
2. 3Dプリンター用樹脂フィラメントへのCNF適用について
2.1 未変性CNF
2.2 未変性CNFの粉体化(独自の分散技術と非加熱乾燥法)
2.2.1 未変性CNFの分散技術
2.2.2 未変性CNFの粉体化技術
2.3 未変性CNFとポリ乳酸の複合体作製とフィラメント化
2.3.1 樹脂の溶解パラメーター
2.3.2 ポリ乳酸樹脂との複合化とフィラメント化
2.4 熱溶融積層方式の3Dプリンター造形
2.5 造形物の機能評価
2.6 各種3Dプリンターへの応用可能性
3. 今後の展望,市場展開
第3章 セルロースナノファイバー複合化のための混練・分散技術
第1節 粉体吸引連続溶解分散装置ジェットペースタによるセルロースナノファイバー分散スラリーの調製
はじめに
1. ジェットペースタ
1.1 キャビテーションを利用した新発想の分散装置
1.2 ジェットペースタの特長
1.3 ジェットペースタの用途
1.4 ジェットペースタの優位性
2. CNF分散スラリーへの適用
2.1 無機化合物のCNFによる分散安定化
2.2 CNTとCNFの複合
3. ジェットペースタのラインアップ
おわりに
第2節 セルロースナノファイバー分散各種樹脂マスターバッチの開発
1. セルロースとその研究背景
2. セルロース複合材料
3. CNF複合材料の作成法と種類
3.1 CNFコンパウンド,マスターバッチ
3.2 CNF膜,紙
3.3 樹脂含浸法
3.4 全セルロース複合体
3.5 CNF-ポリウレタン複合体
3.6 CNF混合エアロゲル
3.7 CNFとゴムとの混合化
4. CNFの耐熱性,その他
5. 弊社においてのCNFビジネスの今後
第4章 セルロースナノファイバー複合材料の開発~セルロースナノファイバー配合による機能化~
第1節 セルロースナノファイバー・ポリプロピレンコンポジット微細発泡体の作製
はじめに
1. CNFの熱可塑性樹脂への分散性
2. CNF添加による樹脂物性の変化
3. 結晶化挙動
4. PP/CNFコンポジットの物理発泡
おわりに
第2節 新素材セルロースナノファイバー/リグノフェノール複合体の誘導とPPの高機能化
はじめに
1. 構造エネルギーストックの形成とその工業規格化
2. 環境因子の標準化による新しいナノ複合系の誘導
3. LNCCによるPPの機能制御
4. リグニン系工業規格素材リグノフェノールの応用
5. 大気から大気へ -太陽エネルギーに基づく持続的ものづくり-
第3節 セルロースナノファイバー(CeNF)配合による導電性高分子複合材料の導電性向上
はじめに
1. 導電性高分子の導電性向上
1.1 導電性高分子について
1.2 導電性向上策
1.3 CeNFの吸着機能と導電性向上作用の可能性
2. CeNF配合によるPAS/PEsの導電性向上の実際とその作用機構
2.1 極細CeNFの調製
2.2 導電性高分子複合体(PAS/CeNF/PEs)の導電性
2.3 CeNFの導電性向上作用機構解明
2.3.1 PAS添加によるCeNFのゼータ電位変化
2.3.2 CeNFのPAS吸着量
2.3.3 PAS/CeNFのラマン分光
2.3.4 CeNFの導電性向上作用機構
おわりに
第4節 水性UV硬化型ポリマーのセルロースナノファイバー複合化
はじめに
1. セルロースナノファイバー(CNF)
2. 水性UV硬化型樹脂
3. 水性UV硬化型樹脂とCNFの複合化
3.1 水性UV硬化型樹脂との複合化適性を有するCNF水懸濁液の作製
3.2 CNF複合化UV硬化型樹脂フィルムの作製
3.3 無処理CNF(UTC)複合化UV硬化型樹脂フィルムの物性の検討
3.4 化学変性CNF複合化UV硬化型樹脂フィルムの物性と無処理CNF複合化フィルムとの比較検討
おわりに
第5節 セルロースナノファイバーの新規用途開発;セルロースナノファイバー系消臭剤の開発
はじめに
1. CNF系消臭剤の開発
1.1 CNFの化学修飾
1.2 CNF系消臭剤の紹介
1.3 消臭性能
1.3.1 「P-CNF」
1.3.2 「X-CAT」
1.4 消臭剤の消臭機構
1.4.1 「P-CNF」
1.4.2 「X-CAT」
1.5 CNF消臭剤の特徴
2. CNF系消臭剤の応用例
2.1 悪臭ガスの発生源及びその種類,特徴
2.2 消臭の具体的応用例
おわりに
第6節 自己修復性防食コーティングへの応用
はじめに
1. 金属の腐食と防食コーティング
2. 自己修復性防食コーティングの構造
3. コーティングの評価方法
4. CNFを用いた自己修復性防食コーティングの開発
4.1 自己修復性防食コーティングにおけるCNFの効果
4.2 CNFに担持した各種腐食抑制剤の影響
4.3 CNFに担持した腐食抑制剤の吸脱着におけるpHの影響
おわりに
第7節 セルロースナノファイバーをベースとした高伸縮・温度応答ハイドロゲル
はじめに
1. セルロース系高分子材料の分子レベルでの構造設計と機能化
2. CNFからの高伸縮材料
2.1 シランカップリングによる修飾CNF
2.2 無水マレイン酸修飾CNF:重合能・良分散性の両立と複合ゲルの物性制御
おわりに
第8節 セルロースナノファイバー強化ゴム材料の開発とその用途展開
はじめに
1. CNF強化ゴム材料
1.1 CNF強化ゴム材料の作製方法
1.2 CNF強化ゴム材料の引張物性
1.2.1 引張物性への繊維長の影響
1.2.2 引張物性への繊維種の影響
1.2.3 引張物性への界面接着処理の効果
2. CNF強化スポンジゴム材料
2.1 CNF強化スポンジゴム材料の作製及び評価方法
2.2 CNF強化スポンジゴム材料の内部構造
2.3 CNF強化スポンジゴム材料のスポーツシューズ等への応用
おわりに
第9節 メカニカル解繊セルロースナノファイバーの湿式プロセス複合化による天然ゴム(NR)の物性改善
はじめに
1. 自転公転ミキサー混合法による湿式NR/CNFマスターバッチの調製とCNF分散によるNRの物性改善
1.1 湿式メカニカル解繊によるCNFの調製
1.2 NR/CNFコンポジットの湿式調製と物性試験
2. CNF配合によるNRの補強効果に及ぼすCNF繊維長の影響
まとめ
著者
近藤 哲男 | 九州大学 | 大嶋 正裕 | 京都大学 | |
松村 晴雄 | (株)旭リサーチセンター | 舩岡 正光 | 三重大学 | |
菅田 正夫 | 知財コンサルタント&アナリスト | 野田 秀夫 | 関西化学機械製作(株) | |
山本 顕弘 | モリマシナリー(株) | 楠本 英世 | 技術研究組合Lignophenol&Systems | |
田島 健次 | 北海道大学 | 小長谷 重次 | (公財)名古屋産業科学研究所 | |
小瀬 亮太 | 東京農工大学 | 吉岡 まり子 | 京都大学 | |
草野 貴友 | 草野作工(株) | 網屋 繁俊 | 真庭バイオケミカル(株) | |
内田 哲也 | 岡山大学 | 矢吹 彰広 | 広島大学 | |
川端 浩二 | 岡山県工業技術センター | 寺本 好邦 | 岐阜大学 | |
仙波 健 | (地独)京都市産業技術研究所 | 長谷 朝博 | 兵庫県立工業技術センター | |
堀 正典 | (株)KRI | 白石 浩平 | 近畿大学 | |
林 蓮貞 | (株)KRI | 矢野 徹 | 西川ゴム工業(株) | |
藤橋 政人 | スターライト工業(株) | 熊谷 明夫 | (国研)産業技術総合研究所 | |
浅見 圭一 | 日本スピンドル製造(株) | 遠藤 貴士 | (国研)産業技術総合研究所 | |
森 良平 | GSアライアンス(株)(冨士色素(株)グループ) |
書籍趣旨
セルロースナノファイバーの応用分野として特に大きな期待がかかっている、「強くて軽い」性質を活かした複合材料の実現に向けても課題解決に向けた精力的な研究開発が続けられています。
本書では、この複合材料開発に関する技術情報を提供することを目的に、セルロースナノファイバー/各種樹脂材料との複合化技術にフォーカスして編集いたしました。
ぜひ本書に記載の先進的な取り組みをご参照いただき、研究開発指針の構築にお役立て頂ければ幸いです。
また、本書籍の発刊は、ご多用ながらもご執筆協力を頂きました著者の皆様のご理解・ご協力のおかげでございます。ここに感謝の意を表します。
目次
第1節 セルロースナノファイバーの資質と今後の普及に向けて
はじめに ~ナノセルロースの資質~
1. 実用化検討の現状
2. セルロース研究のこれまでを振り返って
3. 今後の普及に向けて
第2節 工業材料としてのセルロースナノファイバーの応用・市場動向
はじめに
1. CNFの製造方法と特性
1.1 CNFの種類と製造方法
1.1.1 CNFの種類
1.1.2 CNFの製造方法
1.2 CNFの持つ特性
2. CNFの潜在市場
3. CNF製造,供給の展望
4. 工業材料としてのCNFの今後の課題
第3節 特許出願動向からみた,セルロースナノファイバーと樹脂の複合化への取り組み
はじめに
1. 疎水変性セルロースパウダーと熱可塑性樹脂の複合化
2. セルロースと熱可塑性樹脂の直接複合化
2.1 セルロースの解繊と樹脂中への分散
2.2 熱可塑性樹脂との直接複合化
2.3 解繊助剤と高分子分散剤の効果
3. CNF特許情報の調査方法
3.1 「大学や公的研究機関が保有する特許」を調査する場合に適した方法
3.2 「企業が保有する特許」を調査する場合に適した方法
3.3 特許情報検索式の作成方法
4. 出願人別にみたCNF複合材料関連特許の出願状況
4.1 大学及び研究機関
4.1.1 京都大学 矢野教授グループ
4.1.2 京都市/(地独)京都市産業技術研究所
4.1.3 東京大学 磯貝教授グループ
4.1.4 (国研)産業技術総合研究所 遠藤博士グループ
4.1.5 九州大学
4.1.5.1 九州大学 近藤教授グループ
4.1.5.2 九州大学 北岡教授グループ
4.1.6 岡山大学 内田准教授グループ
4.1.7 岡山県/岡山県工業技術センター
4.2 製紙企業
4.2.1 王子ホールディングス(株)
4.2.2 日本製紙(株)
4.2.3 大王製紙(株)
4.2.4 中越パルプ工業(株)
4.2.5 北越紀州製紙(株)
4.3 印刷系企業
4.3.1 凸版印刷(株)
4.3.2 大日本印刷(株)
4.4 化学材料系企業
4.4.1 三菱化学(株)
4.4.2 旭化成(株)
4.4.3 花王(株)
4.4.4 出光ライオンコンポジット(株)
4.4.5 ユニチカ(株)
4.4.6 古河電気工業(株)
4.4.7 大阪ガス(株)
4.4.8 (株)KRI
4.4.9 星光PMC(株)
4.4.10 DIC(株)
4.4.11 三菱エンジニアリングプラスチックス(株)
4.4.12 真庭バイオケミカル(株)
4.4.13 (株)服部商店
4.5 ゴム系企業
4.5.1 住友ゴム工業(株)
4.5.2 神栄化工(株)
4.5.3 丸五ゴム工業(株)
4.5.4 三和化工(株)
4.6 電子部品関連企業
4.6.1 太陽ホールディングス(株)
4.7 自動車関連企業
4.7.1 トヨタ車体(株)
4.7.2 トヨタ紡織(株)
4.7.3 (株)デンソー
4.7.4 トクラス(株)
4.8 装置関連企業
4.8.1 スターライト工業(株)
4.8.2 モリマシナリー(株)
4.8.3 (株)日本製鋼所
4.8.4 日本スピンドル製造(株)
4.8.5 (株)スギノマシン
まとめ
第2章 セルロースナノファイバーの疎水性媒体への分散性向上のための調整,表面処理技術
第1節 水中カウンターコリジョン(ACC)法によるセルロースナノファイバーの製造とその表面性状
はじめに
1. ACC法とは
1.1 ACC法における試料懸濁水中の天然セルロース(パルプ)への水流衝突では,
水がどのように作用するのか
2. 疎水性付与により両親媒性を示すヤヌス型ACC-ナノセルロース
2.1 キャストフィルムの対水接触角
2.2 表面コーティング剤としてのACC-ナノセルロース
2.3 疎水性樹脂用表面スイッチング剤としてのACC-ナノセルロース
2.4 ACC-ナノセルロースのプラスチックへの結晶核剤効果
2.5 ACC-ナノセルロースの表面被覆例
2.6 Pickeringエマルション形成ならびにその安定性の溶媒依存性
おわりに
第2節 セルロースナノファイバーおよびリグノセルロースナノファイバーの粉末化による分散性向上
はじめに
1. セルロースナノファイバー
1.1 セルロースナノファイバーの観察
1.2 セルロースナノファイバーの分析
1.2.1 セルロースナノファイバーの成分
1.2.2 セルロースナノファイバーの比表面積
1.2.3 セルロースナノファイバーの粘度
1.2.4 セルロースナノファイバーの結晶化度
2. プラスチックとの複合化
3. 試作品
3.1 ペーパーナイフ試作
3.2 洗濯ばさみ試作
3.3 扇子試作
3.4 容器試作
3.5 繊維試作
おわりに
第3節 酢酸菌におけるセルロース合成機構と通気撹拌培養による
ナノフィブリル化バクテリアセルロース(NFBC)の合成
はじめに
1. バクテリアセルロース
2. 酢酸菌におけるセルロース合成
3. ターミナルコンプレックスに含まれる各サブユニットの機能
4. バクテリアセルロースのナノフィブリル化
5. ナノフィブリル化バクテリアセルロースの大量生産
おわりに
第4節 高分子結晶での被覆によるセルロースナノファイバーの疎水化と複合体への応用
はじめに
1. PVA結晶で被覆したCNF(NCF(CNF/PVA))の作製
2. 種々の高分子結晶を用いたCNFの表面改質
2.1 エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)結晶によるCNFの被覆
2.2 NCF(CNF/PVA)のホルマール化
2.3 被覆高分子結晶の違いによるNCFの表面物性(親水性,疎水性)の変化
3. 作製したNCFをフィラーとして利用した複合体フィルムの物性評価
おわりに
第5節 ステアリン酸/炭酸カルシウム微粒子によるセルロースナノファイバー表面の疎水化
はじめに
1. ステアリン酸によるCNF表面の疎水化
1.1 疎水化の方法
1.2 得られるCNFの性質
2. 炭酸カルシウム微粒子によるCNF表面の疎水化
2.1 疎水化の方法
2.2 得られるCNFの性質
おわりに
第6節 セルロースナノファイバー樹脂複合材料における親水化処理および
疎水化処理によるセルロースナノファイバーの分散性向上
はじめに
1. CNFの親水化処理
1.1 CNFのカチオン化
1.2 CNF/ポリアミドコンポジットの特性
2. CNFの疎水化処理
2.1 CNFのエステル化
まとめ
第7節 機能材料創出のためのセルロースナノファイバー表面修飾
はじめに
1. セルロース分子の特徴
2. 機械的解繊法
3. 水を媒体とした化学的解繊と表面修飾
4. 有機溶媒を媒体とした化学的解繊と表面修飾
5. 修飾CNFによる材料の高機能化
5.1 フィラーとしての樹脂と複合化
5.2 ナノインプリントリソグラフィー用ガス透過性モールド作製の試み
5.3 シリカエアロゲル粒子と複合化した断熱材
おわりに
第8節 樹脂への分散性に優れた未変性セルロースナノファイバー微細粉体の開発(3Dプリンターへの応用例)
1. 3Dプリンター材料の開発動向と造形技術
1.1 各種方式とその特徴
1.2 熱溶解積層方式での材料開発動向
2. 3Dプリンター用樹脂フィラメントへのCNF適用について
2.1 未変性CNF
2.2 未変性CNFの粉体化(独自の分散技術と非加熱乾燥法)
2.2.1 未変性CNFの分散技術
2.2.2 未変性CNFの粉体化技術
2.3 未変性CNFとポリ乳酸の複合体作製とフィラメント化
2.3.1 樹脂の溶解パラメーター
2.3.2 ポリ乳酸樹脂との複合化とフィラメント化
2.4 熱溶融積層方式の3Dプリンター造形
2.5 造形物の機能評価
2.6 各種3Dプリンターへの応用可能性
3. 今後の展望,市場展開
第3章 セルロースナノファイバー複合化のための混練・分散技術
第1節 粉体吸引連続溶解分散装置ジェットペースタによるセルロースナノファイバー分散スラリーの調製
はじめに
1. ジェットペースタ
1.1 キャビテーションを利用した新発想の分散装置
1.2 ジェットペースタの特長
1.3 ジェットペースタの用途
1.4 ジェットペースタの優位性
2. CNF分散スラリーへの適用
2.1 無機化合物のCNFによる分散安定化
2.2 CNTとCNFの複合
3. ジェットペースタのラインアップ
おわりに
第2節 セルロースナノファイバー分散各種樹脂マスターバッチの開発
1. セルロースとその研究背景
2. セルロース複合材料
3. CNF複合材料の作成法と種類
3.1 CNFコンパウンド,マスターバッチ
3.2 CNF膜,紙
3.3 樹脂含浸法
3.4 全セルロース複合体
3.5 CNF-ポリウレタン複合体
3.6 CNF混合エアロゲル
3.7 CNFとゴムとの混合化
4. CNFの耐熱性,その他
5. 弊社においてのCNFビジネスの今後
第4章 セルロースナノファイバー複合材料の開発~セルロースナノファイバー配合による機能化~
第1節 セルロースナノファイバー・ポリプロピレンコンポジット微細発泡体の作製
はじめに
1. CNFの熱可塑性樹脂への分散性
2. CNF添加による樹脂物性の変化
3. 結晶化挙動
4. PP/CNFコンポジットの物理発泡
おわりに
第2節 新素材セルロースナノファイバー/リグノフェノール複合体の誘導とPPの高機能化
はじめに
1. 構造エネルギーストックの形成とその工業規格化
2. 環境因子の標準化による新しいナノ複合系の誘導
3. LNCCによるPPの機能制御
4. リグニン系工業規格素材リグノフェノールの応用
5. 大気から大気へ -太陽エネルギーに基づく持続的ものづくり-
第3節 セルロースナノファイバー(CeNF)配合による導電性高分子複合材料の導電性向上
はじめに
1. 導電性高分子の導電性向上
1.1 導電性高分子について
1.2 導電性向上策
1.3 CeNFの吸着機能と導電性向上作用の可能性
2. CeNF配合によるPAS/PEsの導電性向上の実際とその作用機構
2.1 極細CeNFの調製
2.2 導電性高分子複合体(PAS/CeNF/PEs)の導電性
2.3 CeNFの導電性向上作用機構解明
2.3.1 PAS添加によるCeNFのゼータ電位変化
2.3.2 CeNFのPAS吸着量
2.3.3 PAS/CeNFのラマン分光
2.3.4 CeNFの導電性向上作用機構
おわりに
第4節 水性UV硬化型ポリマーのセルロースナノファイバー複合化
はじめに
1. セルロースナノファイバー(CNF)
2. 水性UV硬化型樹脂
3. 水性UV硬化型樹脂とCNFの複合化
3.1 水性UV硬化型樹脂との複合化適性を有するCNF水懸濁液の作製
3.2 CNF複合化UV硬化型樹脂フィルムの作製
3.3 無処理CNF(UTC)複合化UV硬化型樹脂フィルムの物性の検討
3.4 化学変性CNF複合化UV硬化型樹脂フィルムの物性と無処理CNF複合化フィルムとの比較検討
おわりに
第5節 セルロースナノファイバーの新規用途開発;セルロースナノファイバー系消臭剤の開発
はじめに
1. CNF系消臭剤の開発
1.1 CNFの化学修飾
1.2 CNF系消臭剤の紹介
1.3 消臭性能
1.3.1 「P-CNF」
1.3.2 「X-CAT」
1.4 消臭剤の消臭機構
1.4.1 「P-CNF」
1.4.2 「X-CAT」
1.5 CNF消臭剤の特徴
2. CNF系消臭剤の応用例
2.1 悪臭ガスの発生源及びその種類,特徴
2.2 消臭の具体的応用例
おわりに
第6節 自己修復性防食コーティングへの応用
はじめに
1. 金属の腐食と防食コーティング
2. 自己修復性防食コーティングの構造
3. コーティングの評価方法
4. CNFを用いた自己修復性防食コーティングの開発
4.1 自己修復性防食コーティングにおけるCNFの効果
4.2 CNFに担持した各種腐食抑制剤の影響
4.3 CNFに担持した腐食抑制剤の吸脱着におけるpHの影響
おわりに
第7節 セルロースナノファイバーをベースとした高伸縮・温度応答ハイドロゲル
はじめに
1. セルロース系高分子材料の分子レベルでの構造設計と機能化
2. CNFからの高伸縮材料
2.1 シランカップリングによる修飾CNF
2.2 無水マレイン酸修飾CNF:重合能・良分散性の両立と複合ゲルの物性制御
おわりに
第8節 セルロースナノファイバー強化ゴム材料の開発とその用途展開
はじめに
1. CNF強化ゴム材料
1.1 CNF強化ゴム材料の作製方法
1.2 CNF強化ゴム材料の引張物性
1.2.1 引張物性への繊維長の影響
1.2.2 引張物性への繊維種の影響
1.2.3 引張物性への界面接着処理の効果
2. CNF強化スポンジゴム材料
2.1 CNF強化スポンジゴム材料の作製及び評価方法
2.2 CNF強化スポンジゴム材料の内部構造
2.3 CNF強化スポンジゴム材料のスポーツシューズ等への応用
おわりに
第9節 メカニカル解繊セルロースナノファイバーの湿式プロセス複合化による天然ゴム(NR)の物性改善
はじめに
1. 自転公転ミキサー混合法による湿式NR/CNFマスターバッチの調製とCNF分散によるNRの物性改善
1.1 湿式メカニカル解繊によるCNFの調製
1.2 NR/CNFコンポジットの湿式調製と物性試験
2. CNF配合によるNRの補強効果に及ぼすCNF繊維長の影響
まとめ
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