生体適合性制御と要求特性掌握から実践する
高分子バイオマテリアルの設計・開発戦略
~モノマー(いち)からデザインするバイオインターフェースと上市までの道筋~
発刊日 | 2014年5月29日 |
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体裁 | B5判並製本 432頁 |
価格(税込)
各種割引特典
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66,000円
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(送料は当社負担) アカデミー割引価格46,200円 |
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ISBNコード | 978-4-86428-105-8 |
Cコード | 3058 |
【技術・理論】 高分子と生体適合性理論の最新版! モノマーからの分子デザイン手法論も掲載
生体適合性を向上させるさまざまな表面処理技術、バイオインターフェースの解析や血液適合性評価手法についても紹介
【ビジネス・戦略】 バイオマテリアル事業を成功させるための医工連携についてや、医療ニーズの収集法など、
上市を達成するために必要な視点と戦略、さらには医療機器メーカーが実際に採用したプロセスなども紹介
【産・官・学】 から多数の執筆者。それぞれの役割とは? 新しい医工連携とビジネススタイルを導く
◎ 生体適合性に関与する新しいパラメーター「水和構造」とは? ◎ 高精度バイオセンサを実現する表面設計とは?
◎ 高い血液適合性・抗血栓性を実現する表面設計とは? ◎ タンパク吸着/細胞接着を抑制する表面設計とは?
◎ 細胞の接着、分化を制御する表面微細形状とは? ◎ 血液適合性の評価方法は?
◎ 医療機器市場拡大の背景は? ◎ 医療用材料開発の留意点は
◎ 医療機器メーカーが原材料に求める事とは? ◎ ものづくり企業が無理なく円滑に参画する方法とは?
1部 医療機器市場の拡大と新規製品の開発及び実用化促進を支援する施策
2部 バイオマテリアル三大材料(セラミックス/金属/高分子)の中の高分子とは
3部 バイオマテリアルに不可欠な特性と生体適合性
4部 生分解・吸収性が必要な高分子バイオマテリアル
5部 生体適合性/親和性発現に関与する高分子の構造・運動性及び水和状態から設計指針を導く
1章 生体適合性理論の進展から導く生体適合性発現メカニズム
2章 生体適合性発現メカニズムに関与する新しいパラメーター「水和構造」から追及する高分子設計指針
6部 バイオマテリアルとしての高分子を合成から考える
7部 高分子と界面が関わるさまざまな生体適合性付与・向上アプローチ手法
1章 高分子と異種材料との複合活用による生体適合性向上アプローチ
2章 高分子による化学的・物理的表面処理と生体適合性の向上
3章 新コンセプト,自己組織化による高分子のパターン化で行う生体適合性向上と新規製品の開発と上市
8部 バイオマテリアルの血液適合性評価と高分子バイオインターフェースの解析技術
1章 医療機器・材料の血液適合性評価と,生体外(in vitro)で可能な評価手法の展望
2章 材料表面とバイオインターフェースにおける各種挙動の解析
9部 医療機器及び原材料に要求される規格と品質と安全性データ
10部 医療機器に実用化されている表面機能化プロセスと高分子材料の不具合事例
11部 医療機器開発現場に見る高分子材料への要求特性とニーズ
12部 事業化を目指すために~医工・産官学連携のさまざまなカタチと具体的連携法~
1章 ニーズとシーズの融合に向けて:医工・産官学連携の課題と展望
2章 材料メーカーの医療機器産業への円滑な参入を実現する医工連携のカタチ
著者
蓜島 由二 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 林 智広 | 東京工業大学 | |
岸田 晶夫 | 東京医科歯科大学 | 森田 成昭 | 大阪電気通信大学 | |
大矢 裕一 | 関西大学 | 石川 健次 | テルモ(株) | |
田中 賢 | 山形大学 | 大西 誠人 | テルモ(株) | |
小林 慎吾 | 山形大学 | 中岡 竜介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | |
塙 隆夫 | 東京医科歯科大学 | 小峰 秀彦 | 経済産業省 | |
菊池 正紀 | (独)物質・材料研究機構 | 小泉 智徳 | 旭化成メディカル(株) | |
吉川 千晶 | (独)物質・材料研究機構 | 古川 克子 | 東京大学 | |
岩﨑 泰彦 | 関西大学 | 陳 国平 | (独)物質・材料研究機構 | |
小林 知洋 | (独)理化学研究所 | 川添 直輝 | (独)物質・材料研究機構 | |
長崎 幸夫 | 筑波大学 | 茂呂 徹 | 東京大学 | |
梅津 光生 | 早稲田大学 | 亘理 文夫 | 北海道大学 | |
岩﨑清隆 | 早稲田大学 | 谷下 一夫 | 早稲田大学 | |
高井 まどか | 東京大学 | 柏野 聡彦 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) |
書籍趣旨
しかしながら、医療用材料の開発に着手したものの、上市までこぎつけ、医療機器あるいはその原材料として
成功を得ることのできた例は多いとは言えないのではないでしょうか。
そこで、医療用途だからこその特異的な現象である生体と材料との界面で起こる相互作用、
医療機器として要求される規格や安全性、現場である臨床時のニーズと材料開発技術を上手く融合させ、
ビジネスとして成功させる戦略、、、これら全てを見通し、材料開発のスタート時から考えて取り組んで頂くために、
お役立て頂ければとの願いで発刊を迎える一冊です。
本書籍の発刊は、企画時にさまざまな点でご助言をいただいた山形大学 田中賢教授をはじめとする
執筆者の皆様のご理解とご協力のおかげでございます。ここに感謝の意を表します。
モノマーからデザインしていく分子設計思想~
■ 山形大学 大学院理工学研究科 バイオ化学工学専攻 田中賢研究室
田中賢 / 小林慎吾
【ポイント2】 ~大手医療機器メーカーの筆者による、
医療機器や原材料に要求される規格や品質、安全性データへの言及
実際に実用化されているコーティングプロセス・表面機能化プロセスの開発経緯~
■ テルモ(株) 石川 健次 / 大西誠人
【ポイント3】 ~「事業化」成功を目指すための戦略、
ニーズ収集・医療機器製販企業との連携の最適なカタチ~
■ (一社)日本医工ものづくりコモンズ
常任理事 谷下 一夫 (早稲田大学)
理事 柏野 聡彦 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))
目次
医療機器市場の拡大と新規製品の開発及び実用化促進を支援する施策
-開発,上市化,市場確保において留意すべきポイント-
はじめに
1. 日本発の新規医療機器・医用材料の開発を支援する国家戦略
1.1 医療イノベーション5か年戦略
1.2 薬事法改正
1.3 スーパー特区プロジェクト
1.4 橋渡し研究加速ネットワークプログラム
1.5 次世代医療機器評価指標作成事業/医療機器開発ガイドライン事業
1.6 革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業
1.7 薬事戦略相談
2. 医療機器審査の視点と保険収載
2.1 基本的事項
2.2 非臨床試験
2.3 臨床試験(治験)
2.4 保険収載
3. 医療機器開発における留意点
3.1 材料選択
3.2 薬事法に準拠した開発
4. 市場拡大に関する国際標準化の重要性
4.1 国内規格・基準
4.2 標準化戦略と知財戦略
おわりに
第2部
バイオマテリアル三大材料(セラミックス/金属/高分子)の中の高分子とは
はじめに
1. バイオマテリアルとしての三大材料の理解のために
1.1 化学結合について
1.2 金属系バイオマテリアル
1.3 セラミックス系バイオマテリアル
1.4 高分子系バイオマテリアル
1.4.1 高分子材料の基礎
1.4.2 高分子材料の特性
2. 三大材料の中の高分子
2.1 化学結合による違い
2.2 力学的特性の比較
2.3 固体材料以外でのバイオマテリアルとして
おわりに
第3部
バイオマテリアルに不可欠な特性と生体適合性
はじめに
1. バイオマテリアルに不可欠な特性について
2. 生体適合性について
2.1 バルク的適合性
2.2 界面的適合性
2.3 材料表面の抗血栓性化
2.3.1 生理活性物質を利用する表面
2.3.2 血清アルブミンを選択的に吸着する表面
2.3.3 血漿タンパク質を吸着しない表面
2.4 非カプセル化
2.5 生体組織接着性
3. 抗菌性について
4. 医療用高分子の安全性について
おわりに
第4部
生分解・吸収性が必要な高分子バイオマテリアル
はじめに
1. バイオマテリアルにおける「生分解性」とは
1.1 生分解性の定義
1.2 生体内分解吸収性高分子の分類
1.3 天然生体内分解吸収性高分子
1.3.1 ペプチド,タンパク質
1.3.2 多糖類
1.3.3 核酸
1.3.4 その他の天然高分子
1.4 合成生体内分解吸収性高分子
1.4.1 ポリエステル
1.4.2 ポリペプチド,ポリデプシペプチド
1.4.3 その他の合成生体内分解吸収性高分子
2. 先端医療で広がる生体内分解吸収性高分子の活躍の場
2.1 生体内分解吸収性高分子に要求される性能
2.2 固体状態で使用される生体内分解吸収性高分子
2.3 溶液・微粒子状態で使用される生体内分解吸収性高分子
2.4 ゲル状態で,あるいは化学反応や状態変化をして使用される生体内分解吸収性高分子
3. 生体内分解吸収性高分子の合成・設計指針と課題
おわりに:材料主導型医療へ向けて
第5部
生体適合性/親和性発現に関与する高分子の構造・運動性及び水和状態から設計指針を導く
第1章 生体適合性理論の進展から導く生体適合性発現メカニズム
はじめに-健康寿命の延伸によるヘルスケアイノベーション-
1. 従来提案されてきた生体適合性高分子材料表面
2. 生体と合成高分子材料との界面“バイオ界面”とは?
3. PMEA表面の特徴
4. 人工心肺システムと血液適合性:ヘパリンとPMEAとの比較
5. 接触相の活性化と血液適合性
6. 高分子材料表面上に吸着したタンパク質の挙動
7. タンパク質吸着の状態と血液適合性との相関
8. 医療製品が使用される生理環境下での高分子材料物性
第2章 生体適合性発現メカニズムに関与する
新しいパラメーター「水和構造」から追及する高分子設計指針
はじめに-医療製品が使用される水和環境-
1. 高分子材料に吸着した水の状態の解析方法と水の構造の定義
2. PMEAの水和状態の解析
3. 高分子表面の水分子の構造
4. 高分子中の水分子の構造と血小板粘着との相関関係
5. PMEAの水和構造に類似した構造を有する高分子
6. PMEAの水分子の構造と運動性
7. 含水状態の高分子鎖の運動性の解析
8. 官能基レベルでの水和構造解析
9. 生体適合性発現機構の仮説:中間水による不凍水のシールド効果
10. 表面形状と材質の組み合わせによるバイオ界面の創製
おわりに-将来展望-
第6部
バイオマテリアルとしての高分子を合成から考える
はじめに バイオマテリアルとしての合成高分子
1. バイオマテリアルに求められる機能:血液適合性
1.1 血液適合性とは
1.2 血液適合性バイオマテリアル:その材料設計思想と機能発現の機構
1.2.1 疎水性表面(PE,PET,PTFE,PDMS等)
1.2.2 親水性表面(PHEMA,PNVP,PNiPAAm等)
1.2.3 高含水溶解鎖表面(PEG等)
1.2.4 生体膜類似表面(PMPC,スルホベタイン,ホスホベタイン等)
1.2.5 不均一表面(ブロック共重合体,セグメント化ポリウレタン等)
2. 高分子合成反応とモノマー構造の選択
2.1 ビニル重合
2.1.1 ラジカル重合
2.1.2 アニオン重合
2.1.3 カチオン重合
2.2 逐次重合
2.2.1 重縮合
2.2.2 重付加
2.2.3 付加縮合
3. 材料への表面修飾による血液適合性の付与
3.1 化学的表面修飾
3.1.1 Grafting from法
3.1.2 Grafting onto法
3.1.3 Grafting through法
3.2 物理的表面修飾
4. 高分子バイオマテリアルのモノマー設計と合成法
4.1 リン脂質高分子(MPCポリマー)
4.2 ラクトース結合ポリスチレン(PVLA)
おわりに
第7部
高分子と界面が関わるさまざまな生体適合性付与・向上アプローチ手法
第1章 高分子と異種材料との複合活用による生体適合性向上アプローチ
第1節 金属の表面特性を活用した高分子修飾の指針 金属-高分子ナノハイブリッド
はじめに
1. 金属材料の表面
2. ポリエチレングリコールの固定化
3. 電着PEG鎖を介したペプチド固定化
第2節 無機と有機の界面相互作用を利用した生体用有機無機複合材料技術
はじめに ~脊椎動物の硬組織の発生とアパタイト~
1. 水酸アパタイト/コラーゲン複合体
2. 生分解性合成高分子とカルシウム化合物の複合体
おわりに
第2章 高分子による化学的・物理的表面処理と生体適合性の向上
第1節 リビングラジカル重合による濃厚ポリマーブラシ層形成とタンパク吸着の抑制
はじめに
1. リビングラジカル重合と濃厚ポリマーブラシ層の形成
2. ポリマーブラシとタンパクの相互作用:サイズ排除効果
2.1 クロマトグラフィー評価による濃厚ポリマーブラシのタンパク吸着特性
2.2 水晶振動子測定を用いた濃厚ポリマーブラシのタンパク吸着特性
3. 濃厚ブラシ表面の細胞接着特性
おわりに
第2節 PEGブラシによる高機能バイオインターフェースの創成
はじめに
1. ヘテロ二官能性PEGの合成
2. バイオインターフェースの構築
3. 鎖長効果と埋め草処理
4. 多点結合によるPEGブラシの構築
5. PEG/抗体ハイブリッド界面の構築
5.1 基材表面でのPEG密生層の構築と抗体固定
5.2 ソフトランディング現象
5.3 表面での固定化抗体の振る舞い
6. PEG/オリゴDNAハイブリッド界面の構築
7. 表層にメルカプト基を有するMixed-PEG修飾金表面の構築
8. タンパク質を固定化したMeO-PEG-SH(2k)/SH-PEG-SH(5k)表面の機能評価
おわりに
第3節 MPCポリマーによる各種基材表面の生体適合性付与技術
はじめに
1. MPC及びMPCポリマーの合成
2. MPCポリマーよる表面改質
3. MPCポリマー表面の抗ファウリング特性
4. 各種材料の表面改質
4.1 ポリウレタンの表面改質
4.2 中空糸膜材料の表面改質
4.3 ポリオレフィンの表面改質
4.4 ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)の表面改質
4.5 金属の表面改質
おわりに
第4節 イオンビームによる高分子の生体適合性向上表面処理
1. イオン照射法について
2. イオン照射装置
3. 高分子に対するイオン照射効果
4. イオン照射による生体組織適合性向上
5. 医療材料への応用
5.1 抗血栓性ステント
5.2 シーリング・ラッピング材
5.3 腹膜透析用カテーテル
おわりに
第5節 大気圧プラズマを応用した高分子表面の生体適合性改質処理
はじめに
1. LFプラズマによる反応設計
2. LFプラズマ感受性表面処理剤の設計
3. PCMのプラズマコーティング
4. 細胞接触表面の設計
4.1 PP基板上にコートした反応性ポリマーのLFプラズマ処理によるPEG層の形成
4.2 LFプラズマ処理した各種PP基板上におけるタンパク質吸着挙動
4.3 LFプラズマ処理した各種PP基板上における細胞接着挙動
おわりに
第3章 新コンセプト,
自己組織化による高分子のパターン化で行う生体適合性向上と新規製品の開発と上市
はじめに
1. 医療用材料としての高分子バイオマテリアルの微細加工
2. 自己組織化によるパターン化バイオマテリアル
3. パターン化バイオマテリアルによる骨芽細胞の機能制御
4. パターン化材料上の癌細胞挙動
5. パターン化バイオマテリアルの抗癌効果に着目した新製品(胆管ステント)開発と上市
おわりに-パターン化バイオマテリアルの将来展望-
第8部
バイオマテリアルの血液適合性評価と高分子バイオインターフェースの解析技術
第1章 医療機器・材料の血液適合性評価と,生体外(in vitro)で可能な評価手法の展望
1. 医療機器に要求される血液適合性
2. 生体内評価と生体外評価:その特徴,有用性と課題
2.1 生体内評価(in vivo)
2.2 生体外評価(in vitro)
3. 生体外評価で留意すべき事項
3.1 血液種
3.2 使用する血液の状態
3.3 試験装置中の空気接触部の排除
3.4 抗凝固剤と容量
3.5 血液採取から試験実施までに至る時間
3.6 血液の温度
3.7 総血液量と評価対象医療機器の血液量の関係
4. 生体外で行う医療機器材料の血液適合性評価
4.1 拍動ポンプの抗血栓性スクリーニング試験
4.2 補助人工心臓の血栓飛散リスク評価試験
4.3 シンプルな動的環境での同一ヒト血液を用いた抗凝固剤とその容量と材料との相互作用の同時比較評価試験
4.4 拍動型補助人工心臓の溶血性能評価試験
5. 医療機器の生体適合性評価における生体外評価の展望
第2章 材料表面とバイオインターフェースにおける各種挙動の解析
第1節 高分子バイオインターフェースとQCM-Dによる細胞の接着挙動解析
はじめに
1. 材料へのタンパク質吸着及び細胞接着及び解析
1.1 タンパク質吸着及び細胞接着
1.2 タンパク質吸着の解析方法
2. ポリマーブラシ表面におけるタンパク質吸着,細胞接着挙動の解析
2.1 ポリマーブラシの合成と評価
2.2 タンパク質吸着挙動の解析
2.3 細胞接着挙動の解析
まとめ
第2節 走査型プローブ顕微鏡によるバイオマテリアルの解析
1. プローブ顕微鏡について
2. なぜバイオマテリアルの最表面が重要なのか?
3. 原子間力顕微鏡(AFM)の測定からわかること
4. プローブ顕微鏡技術の最近の動向
おわりに
第3節 分子分光法による高分子バイオ界面の解析
はじめに
1. 分子分光法の基礎
2. 高分子バイオ界面を分光分析する際のコツ
3. 実際の分光分析例-材料表面へのタンパク質吸着
第9部
医療機器及び原材料に要求される規格と品質と安全性データ
はじめに
1. 医療機器及び原材料に求められる規格・品質と規制
1.1 医療機器に関わる法制度,規格
1.2 医療機器の品質システム
1.3 薬事申請等の書類
2. 医療機器メーカーが原材料に求める安全性と供給体制
2.1 医療機器の製造販売承認等を得るために必要な医療用原材料情報
2.1.1 生物学的安全性
2.1.2 化学的安全性
2.1.3 生物由来材料
2.1.4 含有化学物質
2.1.5 原材料規格
2.2 医療機器製造用原材料に求める事項
2.2.1 購買仕様書
2.2.2 製造物責任(PL)
2.2.3 原材料の製造管理
2.2.4 サプライヤー(供給者)管理
2.2.5 医療用専用原材料と一般工業用原材料
2.3 開発時点で原材料に求める事項
3. 最終製品「医療機器」の製品試験と原材料
まとめ
第10部
医療機器に実用化されている表面機能化プロセスと高分子材料の不具合事例
第1章 生体適合性高分子コーティングプロセスの開発事例
はじめに
1. 材料表面への生体適合性付与
2. コーティング用の生体適合性ポリマーの開発
3. 生体適合性高分子のコーティングプロセスの開発
おわりに
第2章 医療機器で実用化されている表面機能化プロセスとそれらの優位性
はじめに
1. 反応性ポリマーの開発と表面機能化
2. 表面グラフト重合による表面機能化
3. 医療機器への応用例
おわりに
第3章 医療用高分子材料の不具合事例と開発における留意点について
はじめに
1. 医療機器の不具合状況
2. 人工関節
3. ペースメーカ及び植込型徐細動器のリード被覆材料
4. 医療用高分子材料の開発における留意点
おわりに
第11部
医療機器開発現場に見る高分子材料への要求特性とニーズ
【1】 医療従事者の声から高分子へのニーズを読みとく ~「事業化を目指す医療機器開発のニーズ」より~
はじめに
1. 市場規模,市場成長率,及び「課題解決型医療機器等開発事業」の採択件数からみた医療機器
2. 市場性が高い医療機器分野と高分子生体材料
3. 医療ニーズに対する考え方
おわりに
【2】 ~医療機器開発現場より~
患者のQOLの向上に向けて進む透析技術と,人工透析膜に使用される高分子材料の要求特性
はじめに
1. 人工腎臓(透析)膜の特徴
2. 分子量分画性
3. 生体適合性について
おわりに
【3】 ~医療機器開発現場より~ 急務は4 mm以下の小口径 人工血管に使用されるポリマー材料への要求特性
はじめに
1. 人工血管のコンプライアンス
2. 人工血管材料開発のふたつの発想
【4】 ~医療機器開発現場より~ 再生医療の新展開を担う細胞足場材に使用される高分子への要求特性
はじめに
1. 生体吸収性合成高分子の多孔質足場材料
2. 天然高分子の多孔質足場材料
3. 複合多孔質足場材料
おわりに
【5】 ~医療機器開発現場より~ 生涯入れ換える必要のない人工関節を目指して
【6】 ~医療機器開発現場より~ 歯科治療の進歩を主導する高分子材料と更なるニーズ
1. はじめに:歯科治療と材料
1.1 歯学と材料-歯学と医学の性格の違い
1.2 歯科材料の所要特性
2. 歯科補綴物の作製プロセスと高分子材料
2.1 歯科補綴物の作製プロセス
2.2 粉液法
2.3 歯科材料の規格
2.4 歯科用レジン
3. 床用レジン
4. レジン歯
5. 歯冠用硬質レジン
6. コンポジットレジン
7. レジンセメント
おわりに:高分子歯科材料の更なるニーズ
第12部
事業化を目指すために ~医工・産官学連携のさまざまなカタチと具体的連携法~
第1章 ニーズとシーズの融合に向けて:医工・産官学連携の課題と展望
はじめに
1. 医療機器開発の外国依存状態が続いている理由
2. シリコンバレーでの成功例に学ぶ
3. 日本の医工連携の問題点と解決策
4. 学会連携による医療分野とものづくり分野の融合
5. 臨床現場の実学を学ぶ医工ものづくりサロン
6. 医療ニーズと技術シーズとのマッチング
7. 医工連携の人材育成
おわりに
第2章 材料メーカーの医療機器産業への円滑な参入を実現する医工連携のカタチ
はじめに
1. 医療機器の事業化が難渋する医工連携(典型的な構造と問題点)
1.1 臨床現場とものづくり企業とが直接つながる構造
1.2 臨床現場とものづくり企業の圧倒的な知識差
1.3 医療機器の市場と法規制の特殊性
2. 医療機器を円滑に事業化させるための医工連携のカタチ
2.1 医療機器開発当初からの製販企業の参画(医療機器の市場と法規制に関するノウハウの導入)
2.2 医療者と製販企業とのディスカッションによる製品デザインの構築(開発ゴールの設定)
2.3 ものづくり企業が無理なく円滑に参画
2.4 製販企業のイニシアティブ発揮による円滑な事業化
3. 製販ドリブン型・医工連携モデル(製販ドリブンモデル)
4. 製販ドリブンモデルの実際/本郷エリアの製販企業との連携
4.1 国内最大の製販企業集積地「本郷エリア」との連携
4.2 本郷展示会 本郷エリアの製販企業との効率的な連携手法
4.3 青森県による本郷展示会
まとめ
著者
蓜島 由二 | 国立医薬品食品衛生研究所 | 林 智広 | 東京工業大学 | |
岸田 晶夫 | 東京医科歯科大学 | 森田 成昭 | 大阪電気通信大学 | |
大矢 裕一 | 関西大学 | 石川 健次 | テルモ(株) | |
田中 賢 | 山形大学 | 大西 誠人 | テルモ(株) | |
小林 慎吾 | 山形大学 | 中岡 竜介 | 国立医薬品食品衛生研究所 | |
塙 隆夫 | 東京医科歯科大学 | 小峰 秀彦 | 経済産業省 | |
菊池 正紀 | (独)物質・材料研究機構 | 小泉 智徳 | 旭化成メディカル(株) | |
吉川 千晶 | (独)物質・材料研究機構 | 古川 克子 | 東京大学 | |
岩﨑 泰彦 | 関西大学 | 陳 国平 | (独)物質・材料研究機構 | |
小林 知洋 | (独)理化学研究所 | 川添 直輝 | (独)物質・材料研究機構 | |
長崎 幸夫 | 筑波大学 | 茂呂 徹 | 東京大学 | |
梅津 光生 | 早稲田大学 | 亘理 文夫 | 北海道大学 | |
岩﨑清隆 | 早稲田大学 | 谷下 一夫 | 早稲田大学 | |
高井 まどか | 東京大学 | 柏野 聡彦 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株) |
書籍趣旨
しかしながら、医療用材料の開発に着手したものの、上市までこぎつけ、医療機器あるいはその原材料として
成功を得ることのできた例は多いとは言えないのではないでしょうか。
そこで、医療用途だからこその特異的な現象である生体と材料との界面で起こる相互作用、
医療機器として要求される規格や安全性、現場である臨床時のニーズと材料開発技術を上手く融合させ、
ビジネスとして成功させる戦略、、、これら全てを見通し、材料開発のスタート時から考えて取り組んで頂くために、
お役立て頂ければとの願いで発刊を迎える一冊です。
本書籍の発刊は、企画時にさまざまな点でご助言をいただいた山形大学 田中賢教授をはじめとする
執筆者の皆様のご理解とご協力のおかげでございます。ここに感謝の意を表します。
モノマーからデザインしていく分子設計思想~
■ 山形大学 大学院理工学研究科 バイオ化学工学専攻 田中賢研究室
田中賢 / 小林慎吾
【ポイント2】 ~大手医療機器メーカーの筆者による、
医療機器や原材料に要求される規格や品質、安全性データへの言及
実際に実用化されているコーティングプロセス・表面機能化プロセスの開発経緯~
■ テルモ(株) 石川 健次 / 大西誠人
【ポイント3】 ~「事業化」成功を目指すための戦略、
ニーズ収集・医療機器製販企業との連携の最適なカタチ~
■ (一社)日本医工ものづくりコモンズ
常任理事 谷下 一夫 (早稲田大学)
理事 柏野 聡彦 (三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))
目次
医療機器市場の拡大と新規製品の開発及び実用化促進を支援する施策
-開発,上市化,市場確保において留意すべきポイント-
はじめに
1. 日本発の新規医療機器・医用材料の開発を支援する国家戦略
1.1 医療イノベーション5か年戦略
1.2 薬事法改正
1.3 スーパー特区プロジェクト
1.4 橋渡し研究加速ネットワークプログラム
1.5 次世代医療機器評価指標作成事業/医療機器開発ガイドライン事業
1.6 革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業
1.7 薬事戦略相談
2. 医療機器審査の視点と保険収載
2.1 基本的事項
2.2 非臨床試験
2.3 臨床試験(治験)
2.4 保険収載
3. 医療機器開発における留意点
3.1 材料選択
3.2 薬事法に準拠した開発
4. 市場拡大に関する国際標準化の重要性
4.1 国内規格・基準
4.2 標準化戦略と知財戦略
おわりに
第2部
バイオマテリアル三大材料(セラミックス/金属/高分子)の中の高分子とは
はじめに
1. バイオマテリアルとしての三大材料の理解のために
1.1 化学結合について
1.2 金属系バイオマテリアル
1.3 セラミックス系バイオマテリアル
1.4 高分子系バイオマテリアル
1.4.1 高分子材料の基礎
1.4.2 高分子材料の特性
2. 三大材料の中の高分子
2.1 化学結合による違い
2.2 力学的特性の比較
2.3 固体材料以外でのバイオマテリアルとして
おわりに
第3部
バイオマテリアルに不可欠な特性と生体適合性
はじめに
1. バイオマテリアルに不可欠な特性について
2. 生体適合性について
2.1 バルク的適合性
2.2 界面的適合性
2.3 材料表面の抗血栓性化
2.3.1 生理活性物質を利用する表面
2.3.2 血清アルブミンを選択的に吸着する表面
2.3.3 血漿タンパク質を吸着しない表面
2.4 非カプセル化
2.5 生体組織接着性
3. 抗菌性について
4. 医療用高分子の安全性について
おわりに
第4部
生分解・吸収性が必要な高分子バイオマテリアル
はじめに
1. バイオマテリアルにおける「生分解性」とは
1.1 生分解性の定義
1.2 生体内分解吸収性高分子の分類
1.3 天然生体内分解吸収性高分子
1.3.1 ペプチド,タンパク質
1.3.2 多糖類
1.3.3 核酸
1.3.4 その他の天然高分子
1.4 合成生体内分解吸収性高分子
1.4.1 ポリエステル
1.4.2 ポリペプチド,ポリデプシペプチド
1.4.3 その他の合成生体内分解吸収性高分子
2. 先端医療で広がる生体内分解吸収性高分子の活躍の場
2.1 生体内分解吸収性高分子に要求される性能
2.2 固体状態で使用される生体内分解吸収性高分子
2.3 溶液・微粒子状態で使用される生体内分解吸収性高分子
2.4 ゲル状態で,あるいは化学反応や状態変化をして使用される生体内分解吸収性高分子
3. 生体内分解吸収性高分子の合成・設計指針と課題
おわりに:材料主導型医療へ向けて
第5部
生体適合性/親和性発現に関与する高分子の構造・運動性及び水和状態から設計指針を導く
第1章 生体適合性理論の進展から導く生体適合性発現メカニズム
はじめに-健康寿命の延伸によるヘルスケアイノベーション-
1. 従来提案されてきた生体適合性高分子材料表面
2. 生体と合成高分子材料との界面“バイオ界面”とは?
3. PMEA表面の特徴
4. 人工心肺システムと血液適合性:ヘパリンとPMEAとの比較
5. 接触相の活性化と血液適合性
6. 高分子材料表面上に吸着したタンパク質の挙動
7. タンパク質吸着の状態と血液適合性との相関
8. 医療製品が使用される生理環境下での高分子材料物性
第2章 生体適合性発現メカニズムに関与する
新しいパラメーター「水和構造」から追及する高分子設計指針
はじめに-医療製品が使用される水和環境-
1. 高分子材料に吸着した水の状態の解析方法と水の構造の定義
2. PMEAの水和状態の解析
3. 高分子表面の水分子の構造
4. 高分子中の水分子の構造と血小板粘着との相関関係
5. PMEAの水和構造に類似した構造を有する高分子
6. PMEAの水分子の構造と運動性
7. 含水状態の高分子鎖の運動性の解析
8. 官能基レベルでの水和構造解析
9. 生体適合性発現機構の仮説:中間水による不凍水のシールド効果
10. 表面形状と材質の組み合わせによるバイオ界面の創製
おわりに-将来展望-
第6部
バイオマテリアルとしての高分子を合成から考える
はじめに バイオマテリアルとしての合成高分子
1. バイオマテリアルに求められる機能:血液適合性
1.1 血液適合性とは
1.2 血液適合性バイオマテリアル:その材料設計思想と機能発現の機構
1.2.1 疎水性表面(PE,PET,PTFE,PDMS等)
1.2.2 親水性表面(PHEMA,PNVP,PNiPAAm等)
1.2.3 高含水溶解鎖表面(PEG等)
1.2.4 生体膜類似表面(PMPC,スルホベタイン,ホスホベタイン等)
1.2.5 不均一表面(ブロック共重合体,セグメント化ポリウレタン等)
2. 高分子合成反応とモノマー構造の選択
2.1 ビニル重合
2.1.1 ラジカル重合
2.1.2 アニオン重合
2.1.3 カチオン重合
2.2 逐次重合
2.2.1 重縮合
2.2.2 重付加
2.2.3 付加縮合
3. 材料への表面修飾による血液適合性の付与
3.1 化学的表面修飾
3.1.1 Grafting from法
3.1.2 Grafting onto法
3.1.3 Grafting through法
3.2 物理的表面修飾
4. 高分子バイオマテリアルのモノマー設計と合成法
4.1 リン脂質高分子(MPCポリマー)
4.2 ラクトース結合ポリスチレン(PVLA)
おわりに
第7部
高分子と界面が関わるさまざまな生体適合性付与・向上アプローチ手法
第1章 高分子と異種材料との複合活用による生体適合性向上アプローチ
第1節 金属の表面特性を活用した高分子修飾の指針 金属-高分子ナノハイブリッド
はじめに
1. 金属材料の表面
2. ポリエチレングリコールの固定化
3. 電着PEG鎖を介したペプチド固定化
第2節 無機と有機の界面相互作用を利用した生体用有機無機複合材料技術
はじめに ~脊椎動物の硬組織の発生とアパタイト~
1. 水酸アパタイト/コラーゲン複合体
2. 生分解性合成高分子とカルシウム化合物の複合体
おわりに
第2章 高分子による化学的・物理的表面処理と生体適合性の向上
第1節 リビングラジカル重合による濃厚ポリマーブラシ層形成とタンパク吸着の抑制
はじめに
1. リビングラジカル重合と濃厚ポリマーブラシ層の形成
2. ポリマーブラシとタンパクの相互作用:サイズ排除効果
2.1 クロマトグラフィー評価による濃厚ポリマーブラシのタンパク吸着特性
2.2 水晶振動子測定を用いた濃厚ポリマーブラシのタンパク吸着特性
3. 濃厚ブラシ表面の細胞接着特性
おわりに
第2節 PEGブラシによる高機能バイオインターフェースの創成
はじめに
1. ヘテロ二官能性PEGの合成
2. バイオインターフェースの構築
3. 鎖長効果と埋め草処理
4. 多点結合によるPEGブラシの構築
5. PEG/抗体ハイブリッド界面の構築
5.1 基材表面でのPEG密生層の構築と抗体固定
5.2 ソフトランディング現象
5.3 表面での固定化抗体の振る舞い
6. PEG/オリゴDNAハイブリッド界面の構築
7. 表層にメルカプト基を有するMixed-PEG修飾金表面の構築
8. タンパク質を固定化したMeO-PEG-SH(2k)/SH-PEG-SH(5k)表面の機能評価
おわりに
第3節 MPCポリマーによる各種基材表面の生体適合性付与技術
はじめに
1. MPC及びMPCポリマーの合成
2. MPCポリマーよる表面改質
3. MPCポリマー表面の抗ファウリング特性
4. 各種材料の表面改質
4.1 ポリウレタンの表面改質
4.2 中空糸膜材料の表面改質
4.3 ポリオレフィンの表面改質
4.4 ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)の表面改質
4.5 金属の表面改質
おわりに
第4節 イオンビームによる高分子の生体適合性向上表面処理
1. イオン照射法について
2. イオン照射装置
3. 高分子に対するイオン照射効果
4. イオン照射による生体組織適合性向上
5. 医療材料への応用
5.1 抗血栓性ステント
5.2 シーリング・ラッピング材
5.3 腹膜透析用カテーテル
おわりに
第5節 大気圧プラズマを応用した高分子表面の生体適合性改質処理
はじめに
1. LFプラズマによる反応設計
2. LFプラズマ感受性表面処理剤の設計
3. PCMのプラズマコーティング
4. 細胞接触表面の設計
4.1 PP基板上にコートした反応性ポリマーのLFプラズマ処理によるPEG層の形成
4.2 LFプラズマ処理した各種PP基板上におけるタンパク質吸着挙動
4.3 LFプラズマ処理した各種PP基板上における細胞接着挙動
おわりに
第3章 新コンセプト,
自己組織化による高分子のパターン化で行う生体適合性向上と新規製品の開発と上市
はじめに
1. 医療用材料としての高分子バイオマテリアルの微細加工
2. 自己組織化によるパターン化バイオマテリアル
3. パターン化バイオマテリアルによる骨芽細胞の機能制御
4. パターン化材料上の癌細胞挙動
5. パターン化バイオマテリアルの抗癌効果に着目した新製品(胆管ステント)開発と上市
おわりに-パターン化バイオマテリアルの将来展望-
第8部
バイオマテリアルの血液適合性評価と高分子バイオインターフェースの解析技術
第1章 医療機器・材料の血液適合性評価と,生体外(in vitro)で可能な評価手法の展望
1. 医療機器に要求される血液適合性
2. 生体内評価と生体外評価:その特徴,有用性と課題
2.1 生体内評価(in vivo)
2.2 生体外評価(in vitro)
3. 生体外評価で留意すべき事項
3.1 血液種
3.2 使用する血液の状態
3.3 試験装置中の空気接触部の排除
3.4 抗凝固剤と容量
3.5 血液採取から試験実施までに至る時間
3.6 血液の温度
3.7 総血液量と評価対象医療機器の血液量の関係
4. 生体外で行う医療機器材料の血液適合性評価
4.1 拍動ポンプの抗血栓性スクリーニング試験
4.2 補助人工心臓の血栓飛散リスク評価試験
4.3 シンプルな動的環境での同一ヒト血液を用いた抗凝固剤とその容量と材料との相互作用の同時比較評価試験
4.4 拍動型補助人工心臓の溶血性能評価試験
5. 医療機器の生体適合性評価における生体外評価の展望
第2章 材料表面とバイオインターフェースにおける各種挙動の解析
第1節 高分子バイオインターフェースとQCM-Dによる細胞の接着挙動解析
はじめに
1. 材料へのタンパク質吸着及び細胞接着及び解析
1.1 タンパク質吸着及び細胞接着
1.2 タンパク質吸着の解析方法
2. ポリマーブラシ表面におけるタンパク質吸着,細胞接着挙動の解析
2.1 ポリマーブラシの合成と評価
2.2 タンパク質吸着挙動の解析
2.3 細胞接着挙動の解析
まとめ
第2節 走査型プローブ顕微鏡によるバイオマテリアルの解析
1. プローブ顕微鏡について
2. なぜバイオマテリアルの最表面が重要なのか?
3. 原子間力顕微鏡(AFM)の測定からわかること
4. プローブ顕微鏡技術の最近の動向
おわりに
第3節 分子分光法による高分子バイオ界面の解析
はじめに
1. 分子分光法の基礎
2. 高分子バイオ界面を分光分析する際のコツ
3. 実際の分光分析例-材料表面へのタンパク質吸着
第9部
医療機器及び原材料に要求される規格と品質と安全性データ
はじめに
1. 医療機器及び原材料に求められる規格・品質と規制
1.1 医療機器に関わる法制度,規格
1.2 医療機器の品質システム
1.3 薬事申請等の書類
2. 医療機器メーカーが原材料に求める安全性と供給体制
2.1 医療機器の製造販売承認等を得るために必要な医療用原材料情報
2.1.1 生物学的安全性
2.1.2 化学的安全性
2.1.3 生物由来材料
2.1.4 含有化学物質
2.1.5 原材料規格
2.2 医療機器製造用原材料に求める事項
2.2.1 購買仕様書
2.2.2 製造物責任(PL)
2.2.3 原材料の製造管理
2.2.4 サプライヤー(供給者)管理
2.2.5 医療用専用原材料と一般工業用原材料
2.3 開発時点で原材料に求める事項
3. 最終製品「医療機器」の製品試験と原材料
まとめ
第10部
医療機器に実用化されている表面機能化プロセスと高分子材料の不具合事例
第1章 生体適合性高分子コーティングプロセスの開発事例
はじめに
1. 材料表面への生体適合性付与
2. コーティング用の生体適合性ポリマーの開発
3. 生体適合性高分子のコーティングプロセスの開発
おわりに
第2章 医療機器で実用化されている表面機能化プロセスとそれらの優位性
はじめに
1. 反応性ポリマーの開発と表面機能化
2. 表面グラフト重合による表面機能化
3. 医療機器への応用例
おわりに
第3章 医療用高分子材料の不具合事例と開発における留意点について
はじめに
1. 医療機器の不具合状況
2. 人工関節
3. ペースメーカ及び植込型徐細動器のリード被覆材料
4. 医療用高分子材料の開発における留意点
おわりに
第11部
医療機器開発現場に見る高分子材料への要求特性とニーズ
【1】 医療従事者の声から高分子へのニーズを読みとく ~「事業化を目指す医療機器開発のニーズ」より~
はじめに
1. 市場規模,市場成長率,及び「課題解決型医療機器等開発事業」の採択件数からみた医療機器
2. 市場性が高い医療機器分野と高分子生体材料
3. 医療ニーズに対する考え方
おわりに
【2】 ~医療機器開発現場より~
患者のQOLの向上に向けて進む透析技術と,人工透析膜に使用される高分子材料の要求特性
はじめに
1. 人工腎臓(透析)膜の特徴
2. 分子量分画性
3. 生体適合性について
おわりに
【3】 ~医療機器開発現場より~ 急務は4 mm以下の小口径 人工血管に使用されるポリマー材料への要求特性
はじめに
1. 人工血管のコンプライアンス
2. 人工血管材料開発のふたつの発想
【4】 ~医療機器開発現場より~ 再生医療の新展開を担う細胞足場材に使用される高分子への要求特性
はじめに
1. 生体吸収性合成高分子の多孔質足場材料
2. 天然高分子の多孔質足場材料
3. 複合多孔質足場材料
おわりに
【5】 ~医療機器開発現場より~ 生涯入れ換える必要のない人工関節を目指して
【6】 ~医療機器開発現場より~ 歯科治療の進歩を主導する高分子材料と更なるニーズ
1. はじめに:歯科治療と材料
1.1 歯学と材料-歯学と医学の性格の違い
1.2 歯科材料の所要特性
2. 歯科補綴物の作製プロセスと高分子材料
2.1 歯科補綴物の作製プロセス
2.2 粉液法
2.3 歯科材料の規格
2.4 歯科用レジン
3. 床用レジン
4. レジン歯
5. 歯冠用硬質レジン
6. コンポジットレジン
7. レジンセメント
おわりに:高分子歯科材料の更なるニーズ
第12部
事業化を目指すために ~医工・産官学連携のさまざまなカタチと具体的連携法~
第1章 ニーズとシーズの融合に向けて:医工・産官学連携の課題と展望
はじめに
1. 医療機器開発の外国依存状態が続いている理由
2. シリコンバレーでの成功例に学ぶ
3. 日本の医工連携の問題点と解決策
4. 学会連携による医療分野とものづくり分野の融合
5. 臨床現場の実学を学ぶ医工ものづくりサロン
6. 医療ニーズと技術シーズとのマッチング
7. 医工連携の人材育成
おわりに
第2章 材料メーカーの医療機器産業への円滑な参入を実現する医工連携のカタチ
はじめに
1. 医療機器の事業化が難渋する医工連携(典型的な構造と問題点)
1.1 臨床現場とものづくり企業とが直接つながる構造
1.2 臨床現場とものづくり企業の圧倒的な知識差
1.3 医療機器の市場と法規制の特殊性
2. 医療機器を円滑に事業化させるための医工連携のカタチ
2.1 医療機器開発当初からの製販企業の参画(医療機器の市場と法規制に関するノウハウの導入)
2.2 医療者と製販企業とのディスカッションによる製品デザインの構築(開発ゴールの設定)
2.3 ものづくり企業が無理なく円滑に参画
2.4 製販企業のイニシアティブ発揮による円滑な事業化
3. 製販ドリブン型・医工連携モデル(製販ドリブンモデル)
4. 製販ドリブンモデルの実際/本郷エリアの製販企業との連携
4.1 国内最大の製販企業集積地「本郷エリア」との連携
4.2 本郷展示会 本郷エリアの製販企業との効率的な連携手法
4.3 青森県による本郷展示会
まとめ
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