懸濁重合における
粒子径制御・均一化と不具合対策・機能性粒子調製技術.
~求めるポリマー粒子を得るための重合処方・反応操作・装置設計のポイント~
発刊日 | 2014年8月28日 |
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体裁 | B5判並製本 269頁 |
価格(税込)
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55,000円
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ISBNコード | 978-4-86428-109-6 |
Cコード | 3058 |
ラボ時点での問題?それとも生産プロセス上での問題?
●重合処方と攪拌操作・攪拌装置が、ポリマー粒子径に及ぼす影響は?
どうシミュレーションする?
●気泡混入・スケールアップ不調・スケール付着・不要な微粒子の副生…
反応槽で起こる不具合の対策法は?
●研究開発のヒントが満載。 「懸濁重合プロセス」を用いた
複合微粒子・マイクロカプセルなど高付加価値な微粒子材料の重合レシピ
懸濁重合の基本理解から処方・重合プロセス最適化指針
起こりがちな不具合対策・機能性粒子調製手法までがわかる!
著者
田中 眞人 | 新潟大学 | 南 俊充 | (株)神鋼環境ソリューション | |
高田 重喜 | (株)クラレ | 菊池 雅彦 | (株)神鋼環境ソリューション | |
長井 勝利 | 山形大学 | 田口 佳成 | 新潟大学 | |
西川 徹 | 日油(株) | 幡手 泰雄 | (株)MCラボ | |
髙木 和行 | みづほ工業(株) | 吉田 昌弘 | 鹿児島大学 | |
安田 昌弘 | 大阪府立大学 | 武井 孝行 | 鹿児島大学 | |
酒井 俊郎 | 信州大学 | 塩盛 弘一郎 | 宮崎大学 | |
尾見 信三 | 中谷 浩 | 日本ゼオン(株) | ||
大久保 政芳 | (株)スマート粒子創造工房/神戸大学/ラジャモンコン工科大学 |
書籍趣旨
【その1】 基礎がよく分かる!基本知識の習得・再確認に役立つ
・重合反応はどう進む?重合反応速度の求め方は?
・ポリマー粒子径制御の基本的な考え方 / 懸濁・分散安定剤の働きのメカニズム
【その2】 分散安定剤(懸濁安定剤)と重合開始剤の種類と使いこなし
≪分散安定剤≫
・ポリビニルアルコールの種類・処方の違いが粒子径に与える影響とは?
・固体微粉末の種類、大きさ、形状、表面物性の影響
・懸濁重合プロセスで使われる界面活性剤
≪重合開始剤―有機過酸化物≫
・目標とするポリマーの物性・品質から逆算して選ぶ開始剤選定・処方量設定方法
・重合時間の最適化を図る開始剤選定のポイント。
・開始剤の残存による生成ポリマーの物性不良の防止
・ポリスチレン重合を例とした残存モノマーの低減のための開始剤選定・使用例
【その3】 攪拌・重合反応操作・装置の最適化でモノマー液滴径→ポリマー粒子径を制御する!
・槽内でモノマー液滴はどのような合一・分裂挙動を示す?
・合一による液滴の個数や状態変化を求め方。
・系の状態・攪拌操作・装置条件を踏まえた液滴径のシミュレーション方法。
・合一制御へ。 攪拌翼の位置・形状・枚数と、ドラフトチューブ、邪魔板の最適な設置方法とは?
・攪拌速度を変化させることによる液径制御・粒径均一化の効果とは?
・攪拌翼の回転方式の違いが粒径の均一性に及ぼす影響とは?
・「乳化プロセスと重合プロセスを分離する」新しい発想の懸濁重合法と単分散粒子の連続重合
【その4】ラボ・生産スケールで起こる不具合の事例と対策・スムーズなスケールアップの実現方法
・攪拌軸周りの分散相の浮上・滞留トラブルを防ぐ。
・品質低下の原因になる乳化重合ポリマー微粒子の副生を防ぐ。
・要因が複雑に絡み合うスケールの付着を防ぐ。
・スケールアップする時の、攪拌・攪拌装置、反応器、液物性条件設定は?その求め方は?
・スケールアップ時に不足する伝熱容量、その求め方と装置設計での解決策
【その5】研究開発のヒントが満載! 複合粒子・マイクロカプセル粒子の調製レシピ事例
・固体微粉末の分散安定剤としての特徴を活かした無機/有機複合微粒子、マイクロカプセルの調製
・製品化に向けて開発が進む多彩なマイクロカプセル材料とその調製プロセス
・高機能化を遂げてきた「懸濁重合トナー」に見る、複合粒子の構造制御と粒子径制御プロセス
・水分散系でのコアシェル・海島・多層・ラズベリー状・卵状・ダルマ状・イイダコ状・ゴルフボール状粒子等、多彩な調製例
目次
はじめに
1.懸濁重合反応系
2.懸濁重合の分類
2.1 パウダー懸濁重合
2.2 ビーズ懸濁重合
2.3 マス懸濁重合
3.反応・粒子生成機構(ポリスチレン・ポリ塩化ビニルの重合反応速度式例)
4.懸濁安定剤種と安定化機構
4.1 高分子安定剤
4.2 界面活性剤
4.3 固体粉末
5.懸濁重合におけるポリマー粒径制御の考え方
5.1 分裂法(ブレークダウン法)による粒径制御
5.1.1 固体膜乳化法
5.1.2 マイクロチャネル乳化法
5.1.3 スタティックミキサー乳化法
5.1.4 インクジェット乳化法、ノズル法
5.2 成長法(ビルトアップ法) による粒径制御
5.2.1 転相乳化法
5.2.2 相分離法
5.3 重合プロセスにおけるモノマー滴の分散挙動の操作条件・液物性への依存性
第2章 重合処方に用いられる分散安定剤・開始剤の働き
第1節 ポバールの基本物性・微細構造・水溶液の性質と塩ビ懸濁重合用分散剤としての特徴
1.ポバールの基本物性
2.ポバールの微細構造
2.1 微細構造
2.2 二重結合
2.3 連鎖分布
3. ポバール水溶液の挙動
3.1 水に対する溶解性
3.2 水溶液の界面化学的性能
3.3 ポバール水溶液の曇点
4.塩ビ懸濁重合用ポバールの特徴と使用方法
4.1 塩ビの生産方法
4.2 塩ビ重合に関与するポバール物性
4.3 分散剤としてのポバールの役割と塩ビ物性
4.4 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールの銘柄
4.5 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールの特徴
4.5.1 クラレ主分散剤
4.5.2 高BD用 224, 224E, 624
4.5.3 クラレ二次分散剤
4.5.4 クラレドライフォーム用消泡剤
4.6 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールを用いた塩ビ重合結果
4.6.1 重合条件
4.6.2 重合結果
第2節 固体微粉末のエマルション安定化作用機構とポリマー粒子調製例
1.固体微粉末のエマルション安定化作用機構
2.固体微粉末の液液界面への付着条件
3.固体微粉末を用いたポリマー粒子調製の例
おわりに
第3節 界面活性剤(分散安定剤、乳化剤)
はじめに
1.界面活性剤
1.1 界面活性剤の基本的特性
1.2 界面活性剤の乳化・分散機能
2.懸濁重合系における界面活性剤
2.1 懸濁重合
2.2 水系での分散重合(実際には、マイクロサスペンション重合)
2.3 膜乳化法を用いる懸濁重合
2.4 逆相懸濁重合
3.乳化重合系における界面活性剤
3.1 乳化重合
3.2 ミニエマルション重合
3.3 マイクロエマルション重合
おわりに
第4節 有機過酸化物開始剤の種類と求めるポリマー物性・重合条件に適した選定方法
~スチレンの懸濁重合における残存モノマーの低減事例も含めて~
1.有機過酸化物の種類とその分解性
2.有機過酸化物の選定
2.1 選定方法の概略
2.1.1 重合条件を基準にした選定方法
2.1.2 生成ラジカルの反応性を基にした選定
3.懸濁重合での使用例(ポリマー中の残存モノマー低減)
3.1 実験方法
3.2 併用する過酸化物種の残存スチレンポリマーに与える影響
3.3 添加量の残存スチレンモノマーに与える影響
4.国内外法規制
5.安全な取り扱いについて
第3章 懸濁重合操作における液滴径及びポリマー粒子径の制御
第1節 液滴の分散挙動と撹拌操作・反応装置条件設定による粒子径制御
1.撹拌槽内における液滴の分散挙動
1.1 初期液滴径調製プロセスにおける液滴の分散挙動と液滴径制御の考え方
1.2 撹拌操作による液液分散系生成プロセスにおける液滴径と操作条件との関係式
1.2.1 撹拌槽型反応器内で生成される液滴
1.2.2 狭空間で生成される液滴の平均径と操作条件の関係
2.撹拌操作による粒径制御
3.反応装置条件による粒径制御
4.懸濁安定剤添加法と液物性による粒径制御
5.ポリマー粒径の操作条件への依存性
6.懸濁重合反応槽のスケールアップとその問題点
6.1 撹拌操作による液液分散系調製の場合
6.2 特殊な乳化法による液液分散系調製の場合
第2節 高せん断力乳化・分散装置を用いたプロセスと液滴/粒子径制御のポイント
はじめに
1.ポリマーの製造方法
2.懸濁重合と撹拌・混合
3.懸濁重合と撹拌・混合に関係する文献
4.せん断力
5.ホモミキサー
6.ディスパーミキサー
7.大型翼
8.懸濁安定化剤の分散
9.その他の一般的な撹拌操作に関して
9.1 高速高せん断ミキサーの撹拌スピードによる乳化粒子径の違い
9.2 高せん断ミキサーにおける粒度分布のコントロール
9.3 機械力と粒子径、機械力と乳化剤の量
10.その他の撹拌装置
10.1 ウルトラミキサー
10.2 高圧ホモジナイザー
10.2.1バルブ式ホモジナイザー
10.2.2 流路固定式高圧ホモジナイザー
おわりに
第3節 ガラス球充填層による液滴径の制御と管型反応器を用いた連続重合プロセス
はじめに
1.高分子微粒子の合成方法
2.懸濁重合法と攪拌
3.乳化プロセス
4.ガラス球充填層と管型反応器を組み合わせた新しい連続懸濁重合
5.ガラス球充填層を用いたエマルションの作製方法と連続懸濁重合の概略
5.1 モノマー液滴及び高分子微粒子の作製
5.2 モノマー液滴及び高分子微粒子の粒径測定
5.3 水相及び油相のカラム内滞留時間分布の測定
6.ガラス球充填層を用いたエマルションの作製と連続懸濁重合
6.1 ガラス球充填層によって作製されるモノマー液滴の粒径の支配因子
6.2 充填粒子の粒径分布と水相及び油相の流動状態がモノマー液滴の粒径分布に及ぼす影響
6.3 ガラス球充填層カラム内での液滴の生成機構の解析
6.4 管型反応器を用いたエマルションの連続重合
まとめ
第4節 超音波を用いた乳化剤フリーエマルションの調製と懸濁重合
はじめに
1.乳化剤を一切使用しない乳化剤フリー水中油滴型エマルション
2.乳化剤フリーO/Wエマルションを用いたポリスチレン粒子の懸濁重合
3.低周波超音波を利用した多孔質ポリスチレン粒子の懸濁重合
4.高周波超音波を用いた反応開始剤フリー懸濁重合
おわりに
第4章 攪拌槽・重合プロセス中におこる不具合とその対策
第1節 懸濁重合プロセスで発生するトラブルとその解決策
はじめに
1.懸濁重合プロセスで発生するトラブル
2.トラブルの要因あるいは対応策に影響する因子
3.懸濁重合反応の挙動 液滴から粒子化まで
3.1 液滴の合一速度と(再)分散速度
3.2 ポリスチレン(PS)の懸濁重合プロセス
3.3 ポリ塩化ビニル(PVC)の製造プロセス
3.3.1 製造プロセスの変遷
3.3.2 反応中の液滴の挙動
4.トラブル各論とその対策
4.1 粒子中に気泡が混入する
4.2 スケールアップが不調で、粒子径、分布等の再現性がない
4.3 大型化による伝熱容量の不足を補う
4.4 撹拌軸周りに分散(O)相が浮上、滞留する
4.5 懸濁重合中に、乳化重合機構によるポリマー微粒子の副成
4.6 ポリマーの槽壁等への付着を防止する(スケール付着防止)
4.6.1 槽壁の材質、平滑化
4.6.2 壁材料の耐蝕
4.6.3 溶存酸素除去、不活性化
4.6.4 槽壁の親水化、モノマー、ポリマー(過酸化物)を遮断
おわりに
第2節 懸濁重合槽におけるスケールアップ
はじめに
1.PVC重合機の技術革新
2.大型化に伴う問題点
2.1 撹拌スケールアップ上の問題 ~ソフト面~
2.2 構造上の問題 ~ハード面~
2.2.1 下部撹拌
2.2.2 材質の転換、付着防止技術の進化
2.2.3 ジャケットへの工夫
2.2.3.1 スパイラルバッフル
2.2.3.2 メッキ施工
2.2.3.3 ジャケット洗浄
2.2.3.4 内部ジャケット構造
3.スケールアップ法の確立
第5章 機能性粒子の調製
第1節 懸濁重合による複合粒子(マイクロカプセル)の調製例
1.複合粒子(マイクロカプセル)の調製方法
2.最近の懸濁重合法による複合粒子の調製事例
3.水溶液包含ポリマー粒子の調製例
おわりに
第2節 固体微粉末を利用した複合微粒子及びマイクロカプセルの調製
はじめに
1.被覆型及び内部分散型無機/有機複合微粒子
1.1 複合微粒子の構造
1.2 調製方法
1.2.1 固体微粉末の処理方法
1.2.2 複合微粒子の調製方法
1.3 PVAの添加時間の影響
1.4 接触角の影響
1.5 マグネタイトの包含メカニズム
1.6 複合微粒子群の比抵抗
1.7 複合微粒子の観察
2.水溶性芯物質を内包したマイクロカプセルの調製
2.1 マイクロカプセルの構造
2.2 水内包マイクロカプセルの調製方法
2.3 W/O分散系の分散安定性
2.4 水内包マイクロカプセルの観察
2.5 マイクロカプセルの乾燥特性
おわりに
第3節 各種機能性マイクロカプセル粒子の調製と用途展開
はじめに
1.環境に優しいマイクロカプセル
1.1 土壌燻蒸剤としてのマスタードオイル内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2 微生物内包マイクロカプセル
1.2.1 地下水汚染を浄化する脱窒細菌内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2.2 有機農業に有用な有用微生物(乳酸菌)内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2.3 芝のグリーンを護るサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
①W/O/W 方式によるサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・調製法
・特徴と効果
②W/O 方式によるサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・調製法
2.冷熱蓄熱マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
3.重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(BPO)内包マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
4.調湿性マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
5.抽出マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
おわりに
第4節 懸濁重合法トナーとその調製プロセス、粒子径・複合化・構造制御の方法
はじめに
1.トナーに求められる性能
1.1 印字耐久性
1.2 環境安定性
1.3 定着性(低温定着性、耐オフセット性)
1.4 転写性(転写効率)
2.懸濁重合法トナーの構造
2.1 トナー粒子形状
2.2 トナーの構造
3.懸濁重合法トナーの製造
3.1 製造プロセス
3.2 構造分離制御
3.3 粒径・粒径分布の制御
3.3.1 分散安定化剤
3.3.2 造粒工程
3.4 着色剤の分散
おわりに
第5節 水媒体不均一系重合による異相構造粒子・異形粒子・マイクロカプセル粒子の調製
はじめに
1.異相構造・異形形態を有する機能性高分子微粒子
1.1 異相構造・異形粒子の作製
1.1.1 シード乳化重合
1.1.2 シード分散重合
1.1.3 動的膨潤法を用いるシード重合
1.1.4 溶媒蒸発法
1.2 各種の異相構造粒子
1.2.1 core-shell構造
1.2.2 海島構造
1.2.3 多層構造
1.2.4 Excentered core-shell 構造
1.2.5 IPN’s (Interpenetrating Polymer Networks)構造
1.3 異形形態を有する粒子
1.3.1 凸部を有する粒子
1.3.1.1 金平糖(Confetti)/raspberry状粒子
1.3.1.2 卵(Egg)状粒子
1.3.1.3 ダルマ(Snowman)状粒子
1.3.1.4 イイダコ (Octopus Ocellatus) 状粒子
1.3.2 凹部を有する粒子
1.3.2.1 ゴルフボール状粒子
1.3.2.2 凹み粒子: ラグビーボール状,赤血球状粒子
1.3.2.3 多面体・板状粒子
1.3.2.4 半球状粒子
1.3.2.5 マッシュルーム状粒子
2.マイクロカプセル粒子
2.1 カプセル粒子の新しい創製法
2.2 カプセル粒子の応用
2.2.1 異形粒子
2.2.2 芳香剤カプセル粒子
2.2.3 アミン硬化剤のカプセル粒子
2.2.4 蓄熱材カプセル粒子
2.2.5 磁性を有する中空粒子
2.2.6 開口部を有するカプセル粒子
おわりに
著者
田中 眞人 | 新潟大学 | 南 俊充 | (株)神鋼環境ソリューション | |
高田 重喜 | (株)クラレ | 菊池 雅彦 | (株)神鋼環境ソリューション | |
長井 勝利 | 山形大学 | 田口 佳成 | 新潟大学 | |
西川 徹 | 日油(株) | 幡手 泰雄 | (株)MCラボ | |
髙木 和行 | みづほ工業(株) | 吉田 昌弘 | 鹿児島大学 | |
安田 昌弘 | 大阪府立大学 | 武井 孝行 | 鹿児島大学 | |
酒井 俊郎 | 信州大学 | 塩盛 弘一郎 | 宮崎大学 | |
尾見 信三 | 中谷 浩 | 日本ゼオン(株) | ||
大久保 政芳 | (株)スマート粒子創造工房/神戸大学/ラジャモンコン工科大学 |
書籍趣旨
【その1】 基礎がよく分かる!基本知識の習得・再確認に役立つ
・重合反応はどう進む?重合反応速度の求め方は?
・ポリマー粒子径制御の基本的な考え方 / 懸濁・分散安定剤の働きのメカニズム
【その2】 分散安定剤(懸濁安定剤)と重合開始剤の種類と使いこなし
≪分散安定剤≫
・ポリビニルアルコールの種類・処方の違いが粒子径に与える影響とは?
・固体微粉末の種類、大きさ、形状、表面物性の影響
・懸濁重合プロセスで使われる界面活性剤
≪重合開始剤―有機過酸化物≫
・目標とするポリマーの物性・品質から逆算して選ぶ開始剤選定・処方量設定方法
・重合時間の最適化を図る開始剤選定のポイント。
・開始剤の残存による生成ポリマーの物性不良の防止
・ポリスチレン重合を例とした残存モノマーの低減のための開始剤選定・使用例
【その3】 攪拌・重合反応操作・装置の最適化でモノマー液滴径→ポリマー粒子径を制御する!
・槽内でモノマー液滴はどのような合一・分裂挙動を示す?
・合一による液滴の個数や状態変化を求め方。
・系の状態・攪拌操作・装置条件を踏まえた液滴径のシミュレーション方法。
・合一制御へ。 攪拌翼の位置・形状・枚数と、ドラフトチューブ、邪魔板の最適な設置方法とは?
・攪拌速度を変化させることによる液径制御・粒径均一化の効果とは?
・攪拌翼の回転方式の違いが粒径の均一性に及ぼす影響とは?
・「乳化プロセスと重合プロセスを分離する」新しい発想の懸濁重合法と単分散粒子の連続重合
【その4】ラボ・生産スケールで起こる不具合の事例と対策・スムーズなスケールアップの実現方法
・攪拌軸周りの分散相の浮上・滞留トラブルを防ぐ。
・品質低下の原因になる乳化重合ポリマー微粒子の副生を防ぐ。
・要因が複雑に絡み合うスケールの付着を防ぐ。
・スケールアップする時の、攪拌・攪拌装置、反応器、液物性条件設定は?その求め方は?
・スケールアップ時に不足する伝熱容量、その求め方と装置設計での解決策
【その5】研究開発のヒントが満載! 複合粒子・マイクロカプセル粒子の調製レシピ事例
・固体微粉末の分散安定剤としての特徴を活かした無機/有機複合微粒子、マイクロカプセルの調製
・製品化に向けて開発が進む多彩なマイクロカプセル材料とその調製プロセス
・高機能化を遂げてきた「懸濁重合トナー」に見る、複合粒子の構造制御と粒子径制御プロセス
・水分散系でのコアシェル・海島・多層・ラズベリー状・卵状・ダルマ状・イイダコ状・ゴルフボール状粒子等、多彩な調製例
目次
はじめに
1.懸濁重合反応系
2.懸濁重合の分類
2.1 パウダー懸濁重合
2.2 ビーズ懸濁重合
2.3 マス懸濁重合
3.反応・粒子生成機構(ポリスチレン・ポリ塩化ビニルの重合反応速度式例)
4.懸濁安定剤種と安定化機構
4.1 高分子安定剤
4.2 界面活性剤
4.3 固体粉末
5.懸濁重合におけるポリマー粒径制御の考え方
5.1 分裂法(ブレークダウン法)による粒径制御
5.1.1 固体膜乳化法
5.1.2 マイクロチャネル乳化法
5.1.3 スタティックミキサー乳化法
5.1.4 インクジェット乳化法、ノズル法
5.2 成長法(ビルトアップ法) による粒径制御
5.2.1 転相乳化法
5.2.2 相分離法
5.3 重合プロセスにおけるモノマー滴の分散挙動の操作条件・液物性への依存性
第2章 重合処方に用いられる分散安定剤・開始剤の働き
第1節 ポバールの基本物性・微細構造・水溶液の性質と塩ビ懸濁重合用分散剤としての特徴
1.ポバールの基本物性
2.ポバールの微細構造
2.1 微細構造
2.2 二重結合
2.3 連鎖分布
3. ポバール水溶液の挙動
3.1 水に対する溶解性
3.2 水溶液の界面化学的性能
3.3 ポバール水溶液の曇点
4.塩ビ懸濁重合用ポバールの特徴と使用方法
4.1 塩ビの生産方法
4.2 塩ビ重合に関与するポバール物性
4.3 分散剤としてのポバールの役割と塩ビ物性
4.4 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールの銘柄
4.5 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールの特徴
4.5.1 クラレ主分散剤
4.5.2 高BD用 224, 224E, 624
4.5.3 クラレ二次分散剤
4.5.4 クラレドライフォーム用消泡剤
4.6 クラレ塩ビ懸濁重合用ポバールを用いた塩ビ重合結果
4.6.1 重合条件
4.6.2 重合結果
第2節 固体微粉末のエマルション安定化作用機構とポリマー粒子調製例
1.固体微粉末のエマルション安定化作用機構
2.固体微粉末の液液界面への付着条件
3.固体微粉末を用いたポリマー粒子調製の例
おわりに
第3節 界面活性剤(分散安定剤、乳化剤)
はじめに
1.界面活性剤
1.1 界面活性剤の基本的特性
1.2 界面活性剤の乳化・分散機能
2.懸濁重合系における界面活性剤
2.1 懸濁重合
2.2 水系での分散重合(実際には、マイクロサスペンション重合)
2.3 膜乳化法を用いる懸濁重合
2.4 逆相懸濁重合
3.乳化重合系における界面活性剤
3.1 乳化重合
3.2 ミニエマルション重合
3.3 マイクロエマルション重合
おわりに
第4節 有機過酸化物開始剤の種類と求めるポリマー物性・重合条件に適した選定方法
~スチレンの懸濁重合における残存モノマーの低減事例も含めて~
1.有機過酸化物の種類とその分解性
2.有機過酸化物の選定
2.1 選定方法の概略
2.1.1 重合条件を基準にした選定方法
2.1.2 生成ラジカルの反応性を基にした選定
3.懸濁重合での使用例(ポリマー中の残存モノマー低減)
3.1 実験方法
3.2 併用する過酸化物種の残存スチレンポリマーに与える影響
3.3 添加量の残存スチレンモノマーに与える影響
4.国内外法規制
5.安全な取り扱いについて
第3章 懸濁重合操作における液滴径及びポリマー粒子径の制御
第1節 液滴の分散挙動と撹拌操作・反応装置条件設定による粒子径制御
1.撹拌槽内における液滴の分散挙動
1.1 初期液滴径調製プロセスにおける液滴の分散挙動と液滴径制御の考え方
1.2 撹拌操作による液液分散系生成プロセスにおける液滴径と操作条件との関係式
1.2.1 撹拌槽型反応器内で生成される液滴
1.2.2 狭空間で生成される液滴の平均径と操作条件の関係
2.撹拌操作による粒径制御
3.反応装置条件による粒径制御
4.懸濁安定剤添加法と液物性による粒径制御
5.ポリマー粒径の操作条件への依存性
6.懸濁重合反応槽のスケールアップとその問題点
6.1 撹拌操作による液液分散系調製の場合
6.2 特殊な乳化法による液液分散系調製の場合
第2節 高せん断力乳化・分散装置を用いたプロセスと液滴/粒子径制御のポイント
はじめに
1.ポリマーの製造方法
2.懸濁重合と撹拌・混合
3.懸濁重合と撹拌・混合に関係する文献
4.せん断力
5.ホモミキサー
6.ディスパーミキサー
7.大型翼
8.懸濁安定化剤の分散
9.その他の一般的な撹拌操作に関して
9.1 高速高せん断ミキサーの撹拌スピードによる乳化粒子径の違い
9.2 高せん断ミキサーにおける粒度分布のコントロール
9.3 機械力と粒子径、機械力と乳化剤の量
10.その他の撹拌装置
10.1 ウルトラミキサー
10.2 高圧ホモジナイザー
10.2.1バルブ式ホモジナイザー
10.2.2 流路固定式高圧ホモジナイザー
おわりに
第3節 ガラス球充填層による液滴径の制御と管型反応器を用いた連続重合プロセス
はじめに
1.高分子微粒子の合成方法
2.懸濁重合法と攪拌
3.乳化プロセス
4.ガラス球充填層と管型反応器を組み合わせた新しい連続懸濁重合
5.ガラス球充填層を用いたエマルションの作製方法と連続懸濁重合の概略
5.1 モノマー液滴及び高分子微粒子の作製
5.2 モノマー液滴及び高分子微粒子の粒径測定
5.3 水相及び油相のカラム内滞留時間分布の測定
6.ガラス球充填層を用いたエマルションの作製と連続懸濁重合
6.1 ガラス球充填層によって作製されるモノマー液滴の粒径の支配因子
6.2 充填粒子の粒径分布と水相及び油相の流動状態がモノマー液滴の粒径分布に及ぼす影響
6.3 ガラス球充填層カラム内での液滴の生成機構の解析
6.4 管型反応器を用いたエマルションの連続重合
まとめ
第4節 超音波を用いた乳化剤フリーエマルションの調製と懸濁重合
はじめに
1.乳化剤を一切使用しない乳化剤フリー水中油滴型エマルション
2.乳化剤フリーO/Wエマルションを用いたポリスチレン粒子の懸濁重合
3.低周波超音波を利用した多孔質ポリスチレン粒子の懸濁重合
4.高周波超音波を用いた反応開始剤フリー懸濁重合
おわりに
第4章 攪拌槽・重合プロセス中におこる不具合とその対策
第1節 懸濁重合プロセスで発生するトラブルとその解決策
はじめに
1.懸濁重合プロセスで発生するトラブル
2.トラブルの要因あるいは対応策に影響する因子
3.懸濁重合反応の挙動 液滴から粒子化まで
3.1 液滴の合一速度と(再)分散速度
3.2 ポリスチレン(PS)の懸濁重合プロセス
3.3 ポリ塩化ビニル(PVC)の製造プロセス
3.3.1 製造プロセスの変遷
3.3.2 反応中の液滴の挙動
4.トラブル各論とその対策
4.1 粒子中に気泡が混入する
4.2 スケールアップが不調で、粒子径、分布等の再現性がない
4.3 大型化による伝熱容量の不足を補う
4.4 撹拌軸周りに分散(O)相が浮上、滞留する
4.5 懸濁重合中に、乳化重合機構によるポリマー微粒子の副成
4.6 ポリマーの槽壁等への付着を防止する(スケール付着防止)
4.6.1 槽壁の材質、平滑化
4.6.2 壁材料の耐蝕
4.6.3 溶存酸素除去、不活性化
4.6.4 槽壁の親水化、モノマー、ポリマー(過酸化物)を遮断
おわりに
第2節 懸濁重合槽におけるスケールアップ
はじめに
1.PVC重合機の技術革新
2.大型化に伴う問題点
2.1 撹拌スケールアップ上の問題 ~ソフト面~
2.2 構造上の問題 ~ハード面~
2.2.1 下部撹拌
2.2.2 材質の転換、付着防止技術の進化
2.2.3 ジャケットへの工夫
2.2.3.1 スパイラルバッフル
2.2.3.2 メッキ施工
2.2.3.3 ジャケット洗浄
2.2.3.4 内部ジャケット構造
3.スケールアップ法の確立
第5章 機能性粒子の調製
第1節 懸濁重合による複合粒子(マイクロカプセル)の調製例
1.複合粒子(マイクロカプセル)の調製方法
2.最近の懸濁重合法による複合粒子の調製事例
3.水溶液包含ポリマー粒子の調製例
おわりに
第2節 固体微粉末を利用した複合微粒子及びマイクロカプセルの調製
はじめに
1.被覆型及び内部分散型無機/有機複合微粒子
1.1 複合微粒子の構造
1.2 調製方法
1.2.1 固体微粉末の処理方法
1.2.2 複合微粒子の調製方法
1.3 PVAの添加時間の影響
1.4 接触角の影響
1.5 マグネタイトの包含メカニズム
1.6 複合微粒子群の比抵抗
1.7 複合微粒子の観察
2.水溶性芯物質を内包したマイクロカプセルの調製
2.1 マイクロカプセルの構造
2.2 水内包マイクロカプセルの調製方法
2.3 W/O分散系の分散安定性
2.4 水内包マイクロカプセルの観察
2.5 マイクロカプセルの乾燥特性
おわりに
第3節 各種機能性マイクロカプセル粒子の調製と用途展開
はじめに
1.環境に優しいマイクロカプセル
1.1 土壌燻蒸剤としてのマスタードオイル内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2 微生物内包マイクロカプセル
1.2.1 地下水汚染を浄化する脱窒細菌内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2.2 有機農業に有用な有用微生物(乳酸菌)内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
1.2.3 芝のグリーンを護るサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・用途開発の動機
①W/O/W 方式によるサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・調製法
・特徴と効果
②W/O 方式によるサッチ分解菌内包マイクロカプセル
・調製法
2.冷熱蓄熱マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
3.重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(BPO)内包マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
4.調湿性マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
5.抽出マイクロカプセルの調製
・用途開発の動機
・調製法
・特徴と効果
おわりに
第4節 懸濁重合法トナーとその調製プロセス、粒子径・複合化・構造制御の方法
はじめに
1.トナーに求められる性能
1.1 印字耐久性
1.2 環境安定性
1.3 定着性(低温定着性、耐オフセット性)
1.4 転写性(転写効率)
2.懸濁重合法トナーの構造
2.1 トナー粒子形状
2.2 トナーの構造
3.懸濁重合法トナーの製造
3.1 製造プロセス
3.2 構造分離制御
3.3 粒径・粒径分布の制御
3.3.1 分散安定化剤
3.3.2 造粒工程
3.4 着色剤の分散
おわりに
第5節 水媒体不均一系重合による異相構造粒子・異形粒子・マイクロカプセル粒子の調製
はじめに
1.異相構造・異形形態を有する機能性高分子微粒子
1.1 異相構造・異形粒子の作製
1.1.1 シード乳化重合
1.1.2 シード分散重合
1.1.3 動的膨潤法を用いるシード重合
1.1.4 溶媒蒸発法
1.2 各種の異相構造粒子
1.2.1 core-shell構造
1.2.2 海島構造
1.2.3 多層構造
1.2.4 Excentered core-shell 構造
1.2.5 IPN’s (Interpenetrating Polymer Networks)構造
1.3 異形形態を有する粒子
1.3.1 凸部を有する粒子
1.3.1.1 金平糖(Confetti)/raspberry状粒子
1.3.1.2 卵(Egg)状粒子
1.3.1.3 ダルマ(Snowman)状粒子
1.3.1.4 イイダコ (Octopus Ocellatus) 状粒子
1.3.2 凹部を有する粒子
1.3.2.1 ゴルフボール状粒子
1.3.2.2 凹み粒子: ラグビーボール状,赤血球状粒子
1.3.2.3 多面体・板状粒子
1.3.2.4 半球状粒子
1.3.2.5 マッシュルーム状粒子
2.マイクロカプセル粒子
2.1 カプセル粒子の新しい創製法
2.2 カプセル粒子の応用
2.2.1 異形粒子
2.2.2 芳香剤カプセル粒子
2.2.3 アミン硬化剤のカプセル粒子
2.2.4 蓄熱材カプセル粒子
2.2.5 磁性を有する中空粒子
2.2.6 開口部を有するカプセル粒子
おわりに
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