<一発必中シリーズ書籍 第2弾>
正しい分散剤の選定・使用方法と、
分散体の塗布性を上げる添加剤技術.
~粒子分散の安定化・コントロールと評価、事例もあり!~
著者 | 若原 章博 ビックケミー・ジャパン(株) 添加剤技術部 部長 |
---|---|
発刊日 | 2013年7月25日 |
体裁 | B5判並製本 167頁 |
価格(税込)
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ISBNコード | ISBN978-4-86428-070-9 |
Cコード | C3058 |
★一発必中シリーズでは、かゆいところに手が届く書籍を目指し、技術課題やノウハウに具体的に焦点を充てています。
◎現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示した書籍です。
書籍趣旨
■固体粒子の分散安定化の要望は、分野を問わず多い。非常に多い。
裾野の広いテーマでもあり、技術者・研究者の共通の悩みどころでもありましょう。
どのような粒子を用いるか? どのような材料を他に加えるか? どのようなプロセスで加工するか? どのような環境下で用いるか?
⇒ 本書は、材料やプロセスの因子など“実際の場面に即した形”で、現象理解と問題解決への糸口が満載。
⇒ 図表も多く用い、また分散剤や表面調整剤などの化学構造を示し、その設計思想と特徴をも明らかに!
■本書は、分散安定化のみならず。
添加した配合物にどんな物性面・作業性面で影響を与えるか? 使用にあたってどのように添加剤を選ぶか?
その基準あるいは物差しとなるものはあるのか?
⇒ それには分散剤構造の理解が欠かせない。どう問題解決をはかるか?事例を挙げてアプローチも解説!
⇒ また、ほとんどオリジナルデータであり、他の引用はない。
■さらに、分散剤以外の添加剤技術、評価方法、新しい分散剤も記述。
なぜなら、スラリーやペースト・インキなど“塗布する段階での問題”も多いゆえ。
せっかく分散体を作っても、きちんと塗布できないと評価もできない。
その本来の性質も引き出すことができない。素材に十分濡れずはじいたり、泡が残ったりして不均一な塗布膜では、評価が定まらない。
⇒ きちんと塗れてはじめて評価に値し、工業的に意味がある。
⇒ 濡れ剤・消泡剤やレオロジーコントロール剤など、スラリー等の設計には不可欠の添加剤をも解説。
本書では、分散実験をする研究者・配合設計者、あるいは分散剤そのもの構造と役割の理解、選定の方法を模索されている方々を対象として記述している。したがって分散に関する理論を説明するのが趣旨ではない。現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示したい。また分散体本来の特性を引き出すために、塗布性を向上させる添加剤技術に関しても述べる。いくつかの事例を通じて、分散配合の考え方を深めることを狙いとする。
目次
第1章 粒子分散安定化の必要なのはどんな分野か?
1. アプリケーションの変遷を眺めてみる
2. 分散がかかわっている現象は?
2.1 粒子の沈降とパターン形成にも影響
2.2 ツヤ・光沢・ヘイズへの影響は大きい
2.3 粘度、貯蔵増粘もよくみられる不具合
2.4 色浮き・色分かれとして現れる
2.5 ベナードセルは表面張力と粒子の易動度の問題
第2章 分散の基礎について整理しよう!
1. まず分散の過程をおさらい
1.1 粒子を安定化するメカニズムをふたつ
2. どんな分散機を選ぶ?
3. 分散体は最終の使用環境まで見て完結する
4. 分散される粒子表面はどんな特性を持つ?
5. 溶媒とは無関係ではない
6. 分散剤を選ぶうえでの考え方は?
第3章 湿潤分散剤の構造について整理しよう!
1. 分散剤のほとんどはポリマー
2. 湿潤剤と分散剤という区分
3. 分散剤の構造要素は吸着基と相溶性鎖である
4. 低分子量タイプにはどんなものがある?
5. 高分子量タイプの特徴は?
6. 極性で相溶性をコントロール
7. 分子量も分散安定に影響する
8. 脱凝集タイプとコントロール凝集タイプに分けられる
9. 微分散安定化には分子構造が制御された分散剤が最良
9.1 ABブロックとその変性タイプはすでに主流
9.2 ハイパーブランチタイプが次の可能性をひらく
9.2.1 ポリアミノ構造のハイパーブランチ
9.2.2 ポリウレタン構造のハイパーブランチ
9.2.3 ポリエステル構造のハイパーブランチ
10. 水系で分散したい!
10.1 水の特性を理解しよう!
10.2 水系分散剤の構造を整理してみよう!
10.3 表面張力の低下と泡への注意
10.4 水系での膜形成への注意
10.5 乾燥・皮張りへの注意
11. 分散剤の膜物性への影響
11.1 耐食性への影響
11.2 付着性・密着性への影響
11.3 耐水性への影響
第4章 粒子特性に応じて分散剤を選ぶ;事例
1. 無機顔料及びフィラーの分散は表面の酸性・塩基性が重要
2. カーボン系粒子の分散にはアミンとπ電子
3. チタン白とカーボンブラックの混合系
4. 古くて新しいシリカ粒子の分散
5. セラミック粒子の分散と充填率及び電池・電極での分散
6. フレーク顔料を分散安定化しよう
7. 有機顔料の分散
8. 顔料誘導体(シナジスト)とはなにか?
第5章 製造仕様に着目して分散剤を選ぶ
1. スラリー分散と分散樹脂配合、何に配慮する?
2. 共通ペーストで生産性向上
3. ユニバーサルカララントで汎用性を高める
4. 顔料濃度が高くてペーストが乾いてしまうとき
5. 後添加で色分かれを改良できないか?
6. 配合決定の手順を考える
6.1 着目点と懸念事項を推定する
6.2 分散剤選定ではまず相溶性・吸着基に注意
6.3 どのように分散性の一次評価を行うか?
6.4 性能評価を忘れない
6.5 分散時ではなくレットダウン時に添加することも
第6章 事例検討・分散配合
1. フレーク顔料を分散し、沈降を防止するには?;メタリック塗装
2. ろ過性もよくなる;インクジェットでの分散例
3. 粉状でも分散に効果がある;粉体塗料での顔料分散
第7章 関連技術で分散を確かなものに!
1. 粘性コントロール剤・粘性付与剤
1.1 粘性コントロールを概観する
1.2 添加が容易な液状レオロジーコントロール剤
1.3 ワックス系レオロジーコントロール剤も有効
2. 泡・わきの防止
2.1 消泡のメカニズムを理解しよう!
2.2 シリコン系消泡剤は自由度が多い
2.3 アクリル系及びその他のポリマー系消泡剤
2.4 どのように消泡剤を添加するか?
2.5 水系スラリーでの消泡剤;実際はどのように選ぶ?
2.6 水系分散体には全部でどんな種類の添加剤が必要?
3. 付着性・密着性もコーティングの重要課題
3.1 固体の表面張力をまず理解して!
3.2 液と固体の相互作用にはどんなものがあるか?
3.3 顔料分散技術を基にして付着性をあげる!
4. 下地への濡れ性をあげる
4.1 バリエーション豊富なポリシロキサン系
4.2 耐熱性は有機変性で異なる
4.3 接触角を下げよう!
5. スリップ性とバランスを取る
6. 添加剤により表面張力を上げる
7. 保護テープのはがしやすさ
8. 付着防止や液をはじかせる
第8章 ナノ粒子でどんなことができているか?の例
1. ナノ粒子で耐スリキズ性を塗膜に付与できる!
1.1 ナノ粒子の均一分散がカギ
1.2 樹脂系による違い・硬化方式による効果の違いは?
2. ではなぜナノ粒子で耐スリキズ性があがるのか?
3. ナノ粒子の種類・表面修飾を変えれば適性が調整できる
4. ナノ粒子により架橋点を増やしてスリキズ防止
5. 使い勝手のよいカーボンナノチューブの分散液
6. ナノ粒子で紫外線をカット
7. フィルムに混ぜるナノ粒子でUVカット
第9章 用語の説明
1. レオロジー・粘性のことばを理解しよう!
2. TI値はチキソトロピックの指標かしら?
第10章 どんな評価方法があるか?
1. 塗膜の表面張力を測定するときには接触角の変化に注意が必要
2. 動的表面張力を測定しよう
3. 静的表面張力で得られる情報
4. 静的表面張力測定には撹拌に注意!
5. 光沢値・ヘイズ・DOIの測定
5.1 DOI
6. 簡単な測定で現象の理解を!
6.1 色の動き
6.2 静電気的反発の測定
7. 分散剤の大きさは?分散体の保護層の厚さはどのくらい?
書籍趣旨
■固体粒子の分散安定化の要望は、分野を問わず多い。非常に多い。
裾野の広いテーマでもあり、技術者・研究者の共通の悩みどころでもありましょう。
どのような粒子を用いるか? どのような材料を他に加えるか? どのようなプロセスで加工するか? どのような環境下で用いるか?
⇒ 本書は、材料やプロセスの因子など“実際の場面に即した形”で、現象理解と問題解決への糸口が満載。
⇒ 図表も多く用い、また分散剤や表面調整剤などの化学構造を示し、その設計思想と特徴をも明らかに!
■本書は、分散安定化のみならず。
添加した配合物にどんな物性面・作業性面で影響を与えるか? 使用にあたってどのように添加剤を選ぶか?
その基準あるいは物差しとなるものはあるのか?
⇒ それには分散剤構造の理解が欠かせない。どう問題解決をはかるか?事例を挙げてアプローチも解説!
⇒ また、ほとんどオリジナルデータであり、他の引用はない。
■さらに、分散剤以外の添加剤技術、評価方法、新しい分散剤も記述。
なぜなら、スラリーやペースト・インキなど“塗布する段階での問題”も多いゆえ。
せっかく分散体を作っても、きちんと塗布できないと評価もできない。
その本来の性質も引き出すことができない。素材に十分濡れずはじいたり、泡が残ったりして不均一な塗布膜では、評価が定まらない。
⇒ きちんと塗れてはじめて評価に値し、工業的に意味がある。
⇒ 濡れ剤・消泡剤やレオロジーコントロール剤など、スラリー等の設計には不可欠の添加剤をも解説。
本書では、分散実験をする研究者・配合設計者、あるいは分散剤そのもの構造と役割の理解、選定の方法を模索されている方々を対象として記述している。したがって分散に関する理論を説明するのが趣旨ではない。現象の理解と分散不具合の解決にむけて、分散剤を中心に糸口を提示したい。また分散体本来の特性を引き出すために、塗布性を向上させる添加剤技術に関しても述べる。いくつかの事例を通じて、分散配合の考え方を深めることを狙いとする。
目次
第1章 粒子分散安定化の必要なのはどんな分野か?
1. アプリケーションの変遷を眺めてみる
2. 分散がかかわっている現象は?
2.1 粒子の沈降とパターン形成にも影響
2.2 ツヤ・光沢・ヘイズへの影響は大きい
2.3 粘度、貯蔵増粘もよくみられる不具合
2.4 色浮き・色分かれとして現れる
2.5 ベナードセルは表面張力と粒子の易動度の問題
第2章 分散の基礎について整理しよう!
1. まず分散の過程をおさらい
1.1 粒子を安定化するメカニズムをふたつ
2. どんな分散機を選ぶ?
3. 分散体は最終の使用環境まで見て完結する
4. 分散される粒子表面はどんな特性を持つ?
5. 溶媒とは無関係ではない
6. 分散剤を選ぶうえでの考え方は?
第3章 湿潤分散剤の構造について整理しよう!
1. 分散剤のほとんどはポリマー
2. 湿潤剤と分散剤という区分
3. 分散剤の構造要素は吸着基と相溶性鎖である
4. 低分子量タイプにはどんなものがある?
5. 高分子量タイプの特徴は?
6. 極性で相溶性をコントロール
7. 分子量も分散安定に影響する
8. 脱凝集タイプとコントロール凝集タイプに分けられる
9. 微分散安定化には分子構造が制御された分散剤が最良
9.1 ABブロックとその変性タイプはすでに主流
9.2 ハイパーブランチタイプが次の可能性をひらく
9.2.1 ポリアミノ構造のハイパーブランチ
9.2.2 ポリウレタン構造のハイパーブランチ
9.2.3 ポリエステル構造のハイパーブランチ
10. 水系で分散したい!
10.1 水の特性を理解しよう!
10.2 水系分散剤の構造を整理してみよう!
10.3 表面張力の低下と泡への注意
10.4 水系での膜形成への注意
10.5 乾燥・皮張りへの注意
11. 分散剤の膜物性への影響
11.1 耐食性への影響
11.2 付着性・密着性への影響
11.3 耐水性への影響
第4章 粒子特性に応じて分散剤を選ぶ;事例
1. 無機顔料及びフィラーの分散は表面の酸性・塩基性が重要
2. カーボン系粒子の分散にはアミンとπ電子
3. チタン白とカーボンブラックの混合系
4. 古くて新しいシリカ粒子の分散
5. セラミック粒子の分散と充填率及び電池・電極での分散
6. フレーク顔料を分散安定化しよう
7. 有機顔料の分散
8. 顔料誘導体(シナジスト)とはなにか?
第5章 製造仕様に着目して分散剤を選ぶ
1. スラリー分散と分散樹脂配合、何に配慮する?
2. 共通ペーストで生産性向上
3. ユニバーサルカララントで汎用性を高める
4. 顔料濃度が高くてペーストが乾いてしまうとき
5. 後添加で色分かれを改良できないか?
6. 配合決定の手順を考える
6.1 着目点と懸念事項を推定する
6.2 分散剤選定ではまず相溶性・吸着基に注意
6.3 どのように分散性の一次評価を行うか?
6.4 性能評価を忘れない
6.5 分散時ではなくレットダウン時に添加することも
第6章 事例検討・分散配合
1. フレーク顔料を分散し、沈降を防止するには?;メタリック塗装
2. ろ過性もよくなる;インクジェットでの分散例
3. 粉状でも分散に効果がある;粉体塗料での顔料分散
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1.1 粘性コントロールを概観する
1.2 添加が容易な液状レオロジーコントロール剤
1.3 ワックス系レオロジーコントロール剤も有効
2. 泡・わきの防止
2.1 消泡のメカニズムを理解しよう!
2.2 シリコン系消泡剤は自由度が多い
2.3 アクリル系及びその他のポリマー系消泡剤
2.4 どのように消泡剤を添加するか?
2.5 水系スラリーでの消泡剤;実際はどのように選ぶ?
2.6 水系分散体には全部でどんな種類の添加剤が必要?
3. 付着性・密着性もコーティングの重要課題
3.1 固体の表面張力をまず理解して!
3.2 液と固体の相互作用にはどんなものがあるか?
3.3 顔料分散技術を基にして付着性をあげる!
4. 下地への濡れ性をあげる
4.1 バリエーション豊富なポリシロキサン系
4.2 耐熱性は有機変性で異なる
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