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ねじ締結体の疲労強度向上とゆるみ防止対策

受講可能な形式:【Live配信】のみ
日時 2024年9月10日(火)  10:30~16:30
会場 オンライン配信セミナー  
会場地図
講師
野田 尚昭(のだ なおあき) 氏 
九州工業大学 名誉教授
工学博士

 
【略歴】
専門は材料力学・弾性力学。公表された論文は400件以上。
素形材産業技術賞素形材センター会長賞、日本材料学会学術貢献賞、日本塑性加工学会論文賞/教育賞、日本設計工学会論文賞、日本機械学会材料力学部門賞貢献賞/業績賞、などを受賞。
 
著書には、『演習問題で学ぶ釣合いの力学』(コロナ社、2011年)、『設計者に活かす切欠き・段付き部の材料強度』(日刊工業新聞社、2010年)、『設計者のためのすぐに役立つ弾性力学』(日刊工業新聞社、2008年)、『Q&Aでわかるリスクベース設計のポイント』(日刊工業新聞社、2006年)、『異種接合材の材料力学と応力集中』(コロナ社、2017年)、『演習問題で学ぶ材料の力学』(コロナ社、2022年)などがある。
日本機械学会フェロー、自動車技術会フェロー。
受講料(税込)
各種割引特典
39,600円 ( E-Mail案内登録価格 39,600円 ) S&T会員登録とE-Mail案内登録特典について
定価:本体36,000円+税3,600円
E-Mail案内登録価格:本体36,000円+税3,600円
※S&T E-Mail案内登録価格,S&T複数同時申込み割引対象外
 申し込み受領後、主催会社日本アイアール(株)よりセミナー実施5営業日前を目安に受講票をお届け致します。
 受講票の発送をもちまして以後のキャンセルはお受けできません。
 受講予定の方がご出席できなくなった場合に、他の方が代わりにご受講されることは可能です。
 受講票発送以後、ご出席できなくなった場合は、当日の講義資料を郵送させていただきます。

※お支払い
 請求書に同封されている振込先一覧に記載の日本アイアール(株)指定口座に、請求日の1ヶ月以内に
 お振込みをお願い申し上げます。1ヶ月以内のご入金が難しい場合はお申し付けください。

※サイエンス&テクノロジーが設定しているアカデミー価格・キャンセル規定対象外のセミナーです。
主催日本アイアール(株)
オンライン配信Zoomによるオンライン受講となります。
備考※開催1週間前までに最少開催人数に達しない場合は、実施をキャンセルさせていただくことがあります。
※開催の場合は、開催1週間前程度から受講票と請求書を発送させていただきます。
得られる知識・ボルトナット締結体の長所と短所が理解できる
・締結部で伝達される力をイメージできるようになる
・ボルトナット締結体の疲労強度を向上するための方策を打てるようになる
・ボルトナット締結体の緩み止め性能の向上を実現するための手段を講じられるようになる
・疲労強度の向上と緩み止め性能の両立を図るための対策が実施が可能になる
対象・ボルト締結体の緩みや強度不足に起因する破損に悩む技術者
・ねじ部品を使用した締結部の設計と生産技術に従事する技術者
・ねじ部品の製造に従事する技術者
・機械、機械部品、自動車、輸送機、ロボットほか関連部門の技術者

セミナー趣旨

 ねじ締結体は、使用頻度、重要度が高い機械要素で産業界に広く普及していますが、便利な反面、破損や緩み防止に注意を要します。破損は特定のねじ底に高い応力が集中し、ねじ底の強さが大幅に低下することが原因です。このためこれまでねじ締結体の疲労強度向上に関する研究は比較的少なく、その研究の多くはねじ締結理論や特殊ボルトの緩み止め効果に関するものです。ほとんどの特殊ボルト・ ナットは、多くの部品や特殊な形状を備えて いるため、製造プロセスが複雑になり、通常のものの5倍以上の高コストになります。

 そこで本講座では、比較的低コストで、緩み止め性能と疲労強度の向上を図る方策を説明します。ねじ締結部は、端部に面取りのある複雑な3次元らせん形が接触して荷重を伝達するので、その応力集中状態を理解し、破損の状況を把握することが、かなり難しい場合も多くなります。そのため、金属疲労による破壊の基礎と、ねじ部で伝達される力も分かり易く解説いたします。

※ 事前のご質問も歓迎します。当日の講義において可能な限り回答いたします。

セミナー講演内容

1. ねじ締結体の疲労強度と緩み挙動の評価
(1).疲労強度の実験的評価と解析的評価の事例
(2).耐緩み性能の実験的評価と解析的評価の事例

2.応力集中の基礎
(1).応力集中の考え方と基本的問題の応力集中
(2).き裂による応力集中の考え方

3.金属疲労の基礎
(1).一発破壊と疲労破壊に対する強度
(2).衝撃に対する強度
(3).平滑材の強度と切欠き材の強度

4.ねじ締結体の疲労強度の向上
(1).ねじ締結体に生じる応力集中とそれを低減するための方策
(2).有限寿命を向上させるための方策
(3).疲労限度を向上させるための方策

5.緩み止め効果を簡便に表現するプリべリングトルク
(1).プリべリングトルクの値と緩み試験の結果の対応
(2).プリべリングトルクの実験値と解析の結果の対応

6.緩み止め効果に密接に関係する緩み抵抗トルクと緩み対策技術
(1).ナットのねじ込み、締め付け、緩ませ、ねじ戻しのそれぞれを区別すること
(2).F-T関係(ボルト締結力FとトルクTの関係)とねじ込み、締め付け、緩ませ、ねじ戻し過程
(3).ねじ戻し過程で求める緩み抵抗トルクがねじ込み過程のプリべリングトルクよりも有用であること
(4).ユンカー式緩み試験の結果と緩み抵抗トルクの関係