講師紹介

氏名
河野 誠
会社・団体
(株)カワノラボ
役職
代表取締役社長
学位
博士(理学)
略歴
2011年 大阪大学理学研究科化学専攻にて博士号取得(理学)
2011年~2014年 大阪大学産学連携本部特任研究員として科学技術振興機構A-STEP若手起業家タイプ・研究代表
2015年 株式会社カワノラボ創業 代表取締役(現職)
2016年 山口大学先端的分析研究推進体 外部委員 (現職)
2018年 国立がん研究センター研究所 外来研究員(現職)
専門
分析化学
研究の内容・キーワード
粒子分析、界面科学、細胞、エクソソーム、磁気科学
活動等
 学生時代、高速液体クロマトグラフィー用充填剤の研究から、使用するマイクロメートルサイズの多孔質シリカゲル粒子の表面の分析に関心を持ち、分析結果を物理化学的に解析する重要性を学んだ。その後、当時の分析技術では多孔質材料への溶媒侵入体積の粒子単位での実測や、表面吸着量の評価が困難であったこともあり、磁気泳動法により得られる体積磁化率に着目し、体積に換算できるという特徴を生かした分析法を開発した。その結果、溶媒吸着体積や表面処理体積を求める事ができるようになり、電池材料や触媒などの無機材料から牛乳の乳化状態の数値化など、幅広い領域で使用できる方法として確立させた。また、単一粒子の測定という観点から顕微画像の解析にも注力し、AIを使った画像解析による定量的な粒子画像解析にも取り組んできた。さらに、近年は細胞への適応を進めており、細胞の活性状態による電場や磁場への応答の違いによる分類や、細胞外小胞の分類などにも取り組んでいる。こうした分析技術を活用した製品開発への応用も、メーカーと共に取り組んでおり、スタートアップ企業への技術適用による開発の加速や製品価値の向上に貢献する一方、大企業の新規事業への技術協力・参画も行っている。
「分析はコストから付加価値の向上へ」の理念のもと、様々な分析により技術の数値化をすることで、企業価値を再評価するツールになればと考えています。